「車の個人売買を行うとどのような税金を支払う必要があるのか」というのは、個人売買を検討する方にとっては大きな問題でしょう。

結論から言うと売却時には税金がかからないことがほとんどです。

しかし、売却した車の使用目的や、発生した利益額によっては所得税の支払いが必要となるケースがあります。

また個人事業を営む人が、業務用として使用していた車を売却した場合には、損益や資産を売却した会計処理が必要です。本記事では所得税が発生するケースから、事業用の車を個人売買した際の計上方法まで徹底解説します。

また、個人売買では売り手と買い手の間で税金を巡ったトラブルが起こりやすい傾向があり、支払い義務がある税金以外も取り扱いには注意が必要です。

記事後半では税金に関するトラブルを回避するためのポイントもご紹介しますので、車の個人売買を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

車を売却時には所得税がかかることがある

車は購入時に自動車税を支払います。

売却時にも税金がかかれば二重で課税されることになるため、売却時には基本的に税金の支払いが必要ありません。

しかし、車の使用目的や利益額によっては「譲渡所得」とみなされ、所得税を支払わなければいけないケースがあります。

所得税とは、「個人の所得に対してかかる税金」で、そのうち資産の譲渡による所得が「譲渡所得」です。

会社勤めであれば、給与にかかる所得税は会社が徴収し支払いを行うこのが一般的なため、自分で金額の計算をしたり支払い手続きを行ったりする必要はありません。しかし車の売却によって発生する「譲渡所得」は、給与所得などの所得とは別で計算することが定められています。

そのため車を売却した場合には、譲渡所得の支払い対象となるのかを自分で確認し、支払い義務があれば確定申告を行う必要があります。

ここからは、車の売却で所得税の支払い義務が発生するケースをご紹介しますので、自分が当てはまるかどうかを確認してください。

確定申告が必要なケース

車の売却で、所得税の支払い義務が発生するケースは、大きく次の3つに分けられます。

  • 対象の車を「レジャー用」「趣味用」として使用していた場合
  • 車の売却で利益が出た場合
  • 個人事業主が業務用として使用していた場合

対象の車を「レジャー用」「趣味用」として使用していた場合

国税庁HPによると、「生活用動産の譲渡による所得には所得税が課税されない」ことが定められています。

(1) 生活用動産の譲渡による所得
家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得です。
ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は除きます。国税庁HP

日常生活に欠かせないものを指し、車以外にも衣服や家具などが分類されます。

そのため通勤や通学・日ごろの買い物で車を使用していた場合、売却した車は「生活用動産」とみなされ、車を売却して利益を得ても所得税の支払い義務は発生しません。

しかし対象となる車が、生活動産でないと判断されれば、課税の対象となり所得税を支払う必要があります。

譲渡所得の課税対象となりやすい車としてはスポーツカーや高級車が挙げられ、これらの車は趣味の傾向が強いため「日常生活に必要ない」と判断される可能性が高いです。

ただし、生活動産として認められなかった場合でも、必ず所得税の支払い義務が発生するわけではありません。

所得税の支払いが必要なのは、売却によって50万円以上の利益が出た場合のみです。

詳しい計算方法などについては「譲渡所得の計算方法」で解説します。

車の売却で利益が出た場合

「対象の車を「レジャー用」「趣味用」として使用していた場合」でも触れましたが、個人で趣味用・レジャー用に所有していた車を売却し、利益が出た場合は譲渡所得の課税対象となります。

譲渡所得は売却によって得た金額から、車を購入した金額と売却にかかった費用を差し引いて求めてください。詳しい計算方法については、「譲渡所得の計算方法」で解説します。

譲渡所得の計算結果がプラスになれば所得税の課税対象となりますが、譲渡所得には、年間50万円の特別控除の適用が可能です。

つまり、車の売却で利益が出たとしても、利益が50万円を超えなければ、支払い義務は生じません

ただし譲渡所得の控除は年間の上限が50万円までです。

土地や建物、ゴルフ会員権なども譲渡所得の対象となる資産に含まれますので、車の他にも譲渡所得が発生している場合には、「全ての譲渡所得に対して50万円の特別控除が適用される」こととなりますので、計算時に注意が必要です。

とはいえ、プレミアがついているような車でない限り中古車の売却で支払い義務が生じるほど利益が出ることは少ないでしょう。そのため、たとえレジャー用だったとしても所得税の支払わなければいけないケースは稀です。

万が一、50万円を超える利益が発生した場合には、必ず申告をするようにしてください。

個人事業主が業務用として使用していた場合

個人事業主が業務用として使用していた車を売却した場合、対象の車は日常生活に不可欠な動産として認められないため、出た利益は所得税課税対象となります。

法人が所有する車を売却した場合、発生した利益は「事業所得」に分類されますが、個人事業主の場合は、一般の方と同じく「譲渡所得」に分類されます。そのため車の売却で利益が発生しても、特別控除が適用され、50万円までは税金の支払い義務が生じません。

ただし、個人事業で使用していた車を売却した場合には支払い義務が発生しなかったとしても、会計処理をする必要があります。
仕訳の方法などについては、「個人事業主が車を売却した場合の注意点と仕分け方法」をご覧ください。

車の売却による譲渡所得の計算方法と注意点

車の売却で所得税の支払い義務が発生する条件に当てはまる場合は、譲渡所得の計算を行いましょう。

譲渡所得は区分や控除によって税額が変わります。
ここからは、譲渡所得を計算する方法やポイントをご紹介しますので、車の個人売買を検討している方はぜひ参考にしてください。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得の計算式
譲渡所得=売却価格-(車両価格+売却にかかった費用)-控除金額

希少価値の高い車の場合には例外もありますが、一般的に車は所有する期間が長くなるほど資産価値が下がります。

個人事業を営む方が譲渡所得を計算するには、減少した価値を考慮した「売却時点の車両価格」の確認が必要です。これまで減価償却を行ってきた累計金額をもとに、車両価格の計算を行いましょう。

減価償却は、事業用として使用している資産に対して行うものです。そのため一般の方が所有している車を売却した場合は、取得価格(購入金額)で計算を行います。

また、「売却にかかった費用」には、車の運搬費用などが含まれます。

売却するために費用がかかっている場合は、その分を売却価格から引いて譲渡所得を計算してください。

譲渡所得には区分がある

譲渡所得は、所有期間によって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の2つに分類されます。

  • 車を譲渡した年の1月1日に所有期間が5年を超える・・・長期譲渡所得
  • 車を譲渡した年の1月1日に所有期間が5年を以下・・・短期譲渡所得
    参考:国税庁HP

注意が必要なのは、車(資産)を譲渡した1月1日時点で、何年所有していたかが基準となるという点です。例えば、売却時点で5年が経過していても、その年の1月1日に経過期間が5年未満であれば、短期譲渡に分類されます。

短期所得の場合は、算出された全額が課税対象となりますが、長期所有の場合は、計算結果の1/2が課税対象です。

そのため所得税の支払い義務が生じるようであれば、5年が経過してから売却することで税金を抑えることができます。

特別控除が適用できる

譲渡所得は、その年の譲渡益の総額から50万円まで特別控除を受けることができます。

ここで注意が必要なのは、車の売却以外にも同じ年に譲渡益が発生している場合には、合計額から50万円までしか控除されないという点です。

譲渡所得は、土地や建物、株式やゴルフ会員権の売却で得た利益も含まれます。そのため他に発生した譲渡所得がないか、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

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  • モビリコは中間業者を通さない個人売買のため、中間コストは大幅削減、消費税がかかりません。なので、買う人は安く買えて、売る人は高く売れます。
  • 面倒な作業が多くなりがちな車の個人売買ですが、面倒な作業はすべてディーラーにお任せできます。

個人事業主が車を売却した場合の注意点と仕分け方法

個人事業主が車を売却した場合、利益は譲渡所得とみなされます。計算方法は、一般の方が車を売却した場合と同じです。

しかし、車の使用状況によっては計上する金額が変わることも。また、自分で帳簿を管理している場合には「仕訳けの方法が分からない」という方もいるでしょう。

ここからは、個人事業を営む方に向けて注意点や仕訳の方法を解説します。

個人事業主の場合には按分が必要なケースがある

個人事業を営む方の中には、所有している車をプライベートと事業の両方で使用しているというケースも多いでしょう。

事業用として使用している車は譲渡所得の課税対象となりますが、日常生活に必要な車は非課税です。そのため仕事とプライベートの両方で使っていた車を売却した場合には、金額を按分する必要があります。

個人事業主の場合は、普段から決まった按分割合で経費計算をしているはずですので、その割合で譲渡所得も計算するようにしてください。

損益は「事業主借」・「事業主貸」で処理する

車の売却で損益が出た場合、利益は「事業主借」、損失は「事業主貸」で処理してください。

具体的な仕訳例は以下となります。
【直接法】

借方 貸方
現金預金(売却金額) 車両運搬具(※1)
預託金(※2)
事業主借(※3)

【間接法】

借方 貸方
現金預金(売却金額) 車両運搬具(※4)
減価償却累計額 預託金(※2)
事業主借(※3)

(※1)直接法の車両運搬具は減価償却を加味した売却時点の価格
(※2)リサイクル預託金
(※3)損失が出た場合は「事業主貸」の勘定科目で借方で処理
(※4)間接法の場合の車両運搬具は購入価格

確定申告の方法

車の売却で所得税の支払い義務が発生した場合、いつどのように確定申告を行えばいいか分からないという方もいるでしょう。ここからは確定申告を行う期日と申告方法についてご紹介します。

確定申告は2月~3月に行う

確定申告は、所得が発生した翌年の2月16日~3月15日の間に行います。

申告の対象になるのは、1月1日~12月31日までの期間分で、提出期日に遅れると「期限後申告」とみなされ、延滞金や罰金の支払いが必要となるケースがあります。

車の売却で譲渡所得の支払い義務が発生した場合には、必ず期限内に確定申告を済ませましょう。

対象となる税務署の確認方法

確定申告は、申告する所得が発生した年の1月1日時点で住民登録がある住所を管轄している税務署で行います。

所在地は下記HPから確認が可能です。

国税局

確定申告の提出方法は3種類

確定申告の提出方法は、次の3種類があります。

郵送やインターネットで申告ができる「e-TAX」を使えば、税務署を訪れなくても申告をすることが可能です。

しかし手続きに慣れていない方や、申告書の作成に自信がない場合は、不明点をその場で聞くことができるように税務署で申告を行うことがおすすめです。

  • 税務署を訪れ書類を提出する
  • 申告書を税務署に書類を郵送する
  • e-Taxを利用する(インターネット申告)

所得税以外に車の個人売却で注意が必要な税金等

車の売却でかかる可能性がある税金は所得税のみですが、個人売買の場合には、所得税以外の税金や保険料をめぐり買い手と売り手との間でトラブルが起こるケースが多くあります。

注意が必要なものは次の4つです
  • 自動車税
  • 重量税
  • 自賠責保険
  • リサイクル券

トラブルを避けるためにも、個人売買を行う際には、売買契約書でこれらの取り扱いについてあらかじめ定めておきましょう。

1年分を先払いしている自動車税

自動車税は4月1日時点で使用者に登録されている人が、4月から翌年3月までの1年分を先払いする税金です。

ディーラーや販売店で車を売却した場合には、買取価格に未経過分の相当額が含まれているか、買取価格とは別途返還してもらうことができます。

しかし個人売買の場合には、あらかじめ車両価格に自動車税相当額を含めておくか、別途支払ってもらうことを明記していないと、買い手から支払いが受けられない可能性があります。

トラブルを避けるためにも、自動車税の取り扱いについて双方で事前に確認をしておきましょう。売買契約書に明記しておけばより安心です。

次回車検までの期間分を先払いしている重量税・自賠責保険料

重量税・自賠責保険は、車の新規登録や継続車検を行うタイミングで次の車検分までをまとめて支払う税金です。

車検が切れている車を売却する場合は、問題ありませんが、車検が残っている車を売却する際には、未経過分をどう取り扱うか、決めておく必要があります。

売買契約を結んだ後に「相当額を支払ってほしい」と買い手に伝えても、受け取れない可能性が高いです。そのため自動車税と同じく、あらかじめ買い手と確認しておいたほうがいいでしょう。

リサイクル券

リサイクル券は、使用済みの車両を適切に処理するための料金を先払いしていることを証明する書類です。
平成16年9月以降に新規登録された車は、購入時に車の処分に必要な金額を支払い、証明書となるリサイクル券を受け取っています。

リサイクル券は廃車にするときに使うため、中古車として譲渡した場合には、権利が新所有者に移ります。

個人売買の場合は、車の販売価格にリサイクル料金が含まれていることが多いため、売却が決まったあとにリサイクル料金の相当額を買い手に請求しようとするとトラブルの原因となる可能性があります。

トラブルを避けるためには、リサイクル料金をどう取り扱うかについてもあらかじめ確認しておいてください。

まとめ


車の個人売買で、売り手に支払いの義務が発生する可能性がある税金は「譲渡所得」です。

次に当てはまる場合は、譲渡所得の計算を行い、状況に応じて確定申告を行ってください。

  • 対象の車を「レジャー用」「趣味用」として使用していた場合
  • 車の売却で利益が出た場合
  • 個人事業主が業務用として使用していた場合

譲渡所得は、車を売却して得た利益が対象になりますが、50万円以下の場合は特別控除が適用されるため、所得税を支払う必要がありません。

中古車の売却で50万円以上利益が出るケースは稀なので、所得税がかかることは少ないと考えていいでしょう。

個人売買では、所得税以外の支払い義務が発生しない税金や保険料の取り扱いについても注意が必要です。

「自動車税」「重量税」「自賠責保険料」「リサイクル券」は旧所有者が先払いしているため、売り手と買い手のどちらが負担するかでトラブルになることがあります。

トラブルを避けるためには、先払いした税金類についても売買契約書にて取り決めておくことが大切です。

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  • モビリコは中間業者を通さない個人売買のため、中間コストは大幅削減、消費税がかかりません。なので、買う人は安く買えて、売る人は高く売れます。
  • 面倒な作業が多くなりがちな車の個人売買ですが、面倒な作業はすべてディーラーにお任せできます。