車には様々な部品が搭載されています。その中でも重要なバッテリーは、定期的に交換が必要です。本記事では、適切な交換タイミングが分からない方や、自分で交換したい場合の注意点をまとめました。
車によって適切なバッテリーが違ったり、交換工賃にも差が出たりします。自分の車にあったバッテリーを選び、バッテリーの交換を定期的に行うことで、車の寿命を延ばせます。
バッテリー交換のタイミングや、自分で作業する場合の注意点なども詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
車のバッテリーの役割とはどんなもの?
車のバッテリーとは、ウィンカーやモーターといった電装品や、カーナビゲーションやドライブレコーダーといった電子機器に電力を供給する蓄電池です。繰り返し充放電できるタイプなので、エンジンをかけることで、自動的に充電されます。
バッテリーには大きな役割として、エンジンの始動があります。
バッテリーは車を動かすために必要な存在ですが、繰り返し使用することでだんだんと劣化していきます。劣化したバッテリーは元に戻ることがないため、電力不足に陥り、不具合が起き始めます。
劣化する前にバッテリーの交換を定期的に行うことで、愛車の寿命を長く保てます。
車のバッテリーの交換時期に目安はある?
車のバッテリーには、交換が必要ということは分かっていただけたと思います。その上で、バッテリー交換の目安を知ることで、劣化を最小限に抑えられます。
ここからは、実際の車ごとの平均寿命や、わかりやすい交換の目安をお伝えしていきます。バッテリー交換がもうそろそろある方は確かめてみてください。
バッテリーの平均寿命は?
車のバッテリーには、平均的な寿命が設定されています。平均寿命は一般的には2年から3年と言われていますが、使用環境によって変化します。
基本的には、車検時に点検してもらい交換することがおすすめです。
また、近年ではガソリン車、アイドリングストップ搭載車、ハイブリッド車によって平均寿命が異なります。以下で一般的な寿命について、車ごとに詳しく説明します。
一般的なガソリン車
一般的なガソリン車の交換目安は、2年から5年です。
バッテリーのメーカー保証では、使用期間が2年から3年と決められていることが多いです。しかし、保証期間を過ぎても使えることが多いため、気づかないうちにバッテリーの寿命を迎えてしまうことも少なくありません。バッテリーの状態を見極めて交換することをおすすめします。
ガソリン車はバッテリー交換を自分で行える利点があります。価格を抑えたい方におすすめです。
アイドリングストップ搭載車
アイドリングストップ搭載車は、一般的な走りに加えてエンジンの停止と始動が繰り返される特徴があります。寿命は2年から3年とガソリン車よりは短いです。
また、メーカーの保証期間も1年半程度と短くなっているため、バッテリーの劣化は他の車より気にする必要があります。
特に劣化し始めると、アイドリングストップ機能が働かなくなり、車自体の故障に繋がります。劣化の前に気づいて交換しましょう。
ハイブリッド車
ハイブリッド車は他の車と違い、電気モーターです。そのため、電気モーターを動かすバッテリーと、車内機器用の補填バッテリーの2つが搭載されています。
バッテリーが2つあることで期間も長く設定されており、5年程度になっています。こちらも走行距離によって容量が減るため、バッテリーの劣化を気にしながら走る必要があります。とくに長距離ドライブをする方は交換や点検をしっかり行うことで、安心です。
交換時期の目安
車のバッテリーの交換時期はあくまでも目安です。実際の交換タイミングは、車の状態で判断できるようになりましょう。
判断基準は以下の通りです。
- エンジンがかかりにくい
- ヘッドライトが暗い
- パワーウィンドウの動作が遅い
- アイドリングストップ機能が動作しない
- バッテリーの重圧が下がった
これらの兆候が見られた場合、早急にバッテリーの交換をおすすめします。それぞれ兆候について詳しく説明します。
エンジンがかかりにくい
車のエンジンは、バッテリーを用いて電流を流すことで始動します。エンジンをかける際に大きな電力を消費します。
そのためバッテリーが劣化し始めると、セルモーターの回転が弱まります。結果的にエンジンがかかりにくくなったり、エンジンをかけるときの音が小さくなったりします。
これらは、日頃から車に乗っている方には分かりやすい変化ですが、あまり車に乗らない方には見分けにくいです。そのため、他の見分け方も覚えておくと良いです。
ヘッドライトが暗い
バッテリーが劣化すると、十分な電力が確保できないため、ヘッドライトが暗くなります。しかし、走行中はバッテリーが充電されるため明るさが元に戻ります。そのため停車時にライトをつけてみて確認すると、分かりやすいです。
また、LEDライトやHIDライトの場合ライトの明るさでバッテリーの寿命を見分けることは難しいです。そのほかの見分け方を試してみましょう。
パワーウィンドウの動作が遅い
意外と知られていませんが、パワーウィンドウの動作でもバッテリーの劣化を見分けられます。パワーウィンドウの開閉にもバッテリーが使われているため、前より開閉に時間がかかるようになったら、バッテリーを確認することをおすすめします。
バッテリーの寿命を見分ける中では、1番体感できるものなのでわかりやすいのではないでしょうか。
アイドリングストップ機能が動作しない
アイドリングストップはバッテリーをたくさん使います。アイドリングストップに必要な電力がなくなると、そもそも機能しなくなります。
アイドリングストップ機能がオンの状態で、信号待ちや渋滞時にエンジンが止まらない場合は、バッテリーの確認をおすすめします。
雪国や寒い季節には、そもそもアイドリングストップが機能しない場合もあります。冬場のアイドリングストップはバッテリーの消耗が激しいため、機能を切っておくことをおすすめします。
バッテリーの電圧が下がった
バッテリーには、適切な電圧を計る方法があります。簡易キットがあれば気になるときにすぐに計測できるため、定期的に確認したい方や不安な方におすすめです。
計測時には、必ずエンジンを停止して使いましょう。バッテリーが劣化していると、適正電圧より下がった結果が表示されるため、交換しましょう。
バッテリー交換はどこでできる?
バッテリー交換はいくつかの場所で可能です。
- 自動車用品店
- ガソリンスタンド
- 整備工場
- ディーラー
- 有料出張サービス
- 自分で交換
上記が交換できる場所です。それぞれ特徴があるため簡単に説明します。
バッテリー交換を自分で行うもしくは、自動車用品店で行うと安く済みます。本体代や工賃が抑えられるため、あまりこだわりがない方や予算をかけたくない方におすすめです。
整備工場やガソリンスタンドは、古いバッテリーの廃棄が無料な点がおすすめです。他の店に頼むと、回収料金として、1,000円程度かかります。
ディーラーに頼むと、愛車にあったバッテリーをつけてくれます。サービスで点検まで行ってくれる場所もあります。しかし工賃が他の店より高く、3,000円から5,000円かかります。こだわりがある場合や、緊急の場合以外ではあまりおすすめしません。
有料出張サービスは、手間暇がかかるため全体的に値段が高めです。急な故障の場合などに利用できますが、普段から劣化に気づくよう注意しておくと良いでしょう。
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バッテリー交換の費用はどのくらい?
バッテリーの交換には、工賃以外もかかります。かかってくる費用を以下にまとめました。
- バッテリー本体代
- バッテリー交換工賃代
- 交換したバッテリーの廃棄料
さらに、依頼できる業者の種類と費用の相場をまとめました。バッテリーの交換時期が迫っている方や、交換場所を迷っている方は参考にしてください。
バッテリー本体代
バッテリーの本体代はメーカーやサイズ、生産国によって大きく変わります。だいたいの費用は4,000から40,000円です。
純正品にしたい方は、20,000円以上はかかってきます。また、最初にかいたようにアイドリングストップ搭載車はバッテリーへの負荷が大きいため、耐久性の高い物が多いです。そのためガソリン車に比べると、バッテリー本体は高くなる傾向があります。
選び方が分からない場合は、専門店で聞きながら選ぶことをおすすめします。自分の車にあったものを選ばないと故障の原因になるので、注意しましょう。
バッテリー交換工賃
バッテリー交換の工賃は、無料のところから3,000円程度が相場です。工賃自体は店側で決められているため、いろいろなお店を調査して、自分に合ったお店を選ぶことをおすすめします。
こちらもバッテリー本体代と同じく、アイドリングストップ搭載車は工賃が高くなる傾向があります。物によっては5,000円以上かかる場合もあるので、電話やホームページで事前に調べることで、安心して店を選べます。
交換したバッテリーの廃棄料
使わなくなったバッテリーを引き取ってもらう際にも、お金が発生する場合があります。一般的には無料から1,000円ほどかかります。業者やバッテリーも一緒に購入することで無料で引き取ってくれる場所もあるため、バッテリー購入と一緒に交換することをおすすめします。
自分でバッテリーを交換する場合は、不用品回収業者に頼む必要があります。料金は1,000円程度なので、自分で電話して取りに来てもらいましょう。
依頼できる業者の種類と費用の相場
バッテリー交換を依頼できる業者と、一般的な費用相場をまとめました。バッテリー本体代は選ぶ物によって変わってくるのと、車によって値段に違いがあります。自分の車に適した物を選びましょう。
業者 | バッテリー本体代 | 交換工賃 | バッテリーの廃棄費用 |
自動車用品店 | ~20,000円 | ~1,000円 | ~1,000円 |
ガソリンスタンド | ~20,000円 | ~3,000円 | 無料 |
整備工場 | ~20,000円 | ~3,000円 | 無料 |
ディーラー | 20,000円~ | 3,000円~5,000円 | ~1,000円 |
自分で交換 | 4,000円~40,000円 | 0円 | 1,000円 |
この中では自分で交換する方が工賃がかからず、安くすみます。しかし自分で取り付けたくない場合や安心できない場合は、お店に頼むといいでしょう。その中でもバッテリーを購入したお店で交換すると、手間暇もかからず安くすむ傾向があります。
バッテリー交換は自分でもできる?
バッテリー交換には意外とお金がかかることが分かりました。なるべく安く交換したい方におすすめな方法が、自分で交換することです。
バッテリーは正しい知識をつけて順序を守ることで、安全に交換可能です。必要な道具や手順を解説するため、自分にもできそうかを判断する材料にしてください。
実際に交換作業をする場合には、安全に気をつけて行ってください。
必要な道具は?
必要な道具は以下の通りです。
- ゴム手袋
- スパナ
- 保護めがね
- 紙やすり
意外と用意するものは少ないです。保護めがねや手袋は自分の安全を守る物なので、しっかりしたものを使いましょう。
上記以外にも、メモリーバックアップがあると便利なのでおすすめです。メモリーバックアップはバッテリーを外した際に時計やナビの設定がリセットされることを防ぐものです。
また、バッテリーを交換している間にも、仮の電力を供給してくれる優れものです。
適合するバッテリーを選ぶ
まずは自分の車に合うバッテリーを選びましょう。
アイドリングストップ搭載車やハイブリッド車は専用のバッテリーがあるので、選び間違いに注意しましょう。
ほかにもバッテリーの型式、性能ランク、サイズがあります。特にサイズは記号で表されることが多いため、見間違いに注意してください。
自分の車にあったバッテリーを選ばないと故障の原因になるため、専門店で聞きながら選ぶと安心です。
バッテリーの交換手順
自分でバッテリー交換をする際の手順の説明に入ります。ここでお伝えする内容は、あくまでも一般的な交換方法なので、実際に検索して動画を見ながら行うことをおすすめします。
手順の簡単な流れは以下の通りです。
- 30分以上バッテリーを休ませる
- バッテリーカバーを外す
- バッテリーの固定器具を外す
- バッテリーの端子を外す
- バッテリーを持ち上げて取り外す
- 新しいバッテリーを取り付ける
- 古いバッテリーは処分する
これらの手順について詳しく説明します。
- 30分以上バッテリーを休ませる
走行直後にバッテリーを交換すると、バッテリーの中に溜まったガスが爆発する可能性があります。エンジンをかけずに、バッテリーを30分以上放置して内部が落ち着いた状態で作業を開始しましょう。 - バッテリーカバーを外す
バッテリーの位置を確認して、バッテリーカバーを外します。スパナなどの工具が必要になるので、準備しておきましょう。元に戻すことも考えて取り外すときの動画を撮っておくと、つけるときに簡単です。 - バッテリーの固定器具を外す
スパナ等を用いて、バッテリーを固定している金具を外します。メモリーバックアップを使用する際はバッテリーを外す前に利用しましょう。 - バッテリーの端子を外す
外す順序に気をつけてください。最初はマイナス端子からです。プラス端子から外してしまうと、車本体などの金属部分に触れるとショートするためです。 - バッテリーを持ち上げて取り外す
手袋をして慎重に取り出します。物によっては重いものもあるので、足下や指先などに注意して作業しましょう。 - 新しいバッテリーを取り付ける
外したときと逆手順で取り付けます。この際に注意することは、端子はプラスから取り付けることです。それ以外は、外した際の手順や撮った動画を参考にすると、作業効率があがります。 - 古いバッテリーは処分する
バッテリーには鉛や希硫酸が含まれているため、家庭ゴミとして処分しないよう気をつけましょう。地方自治体のルールに従って処分してください。
バッテリーが購入できる店でも回収を行っているため、有料で引き取ってもらっても良いです。
自分でバッテリー交換する際の注意点
作業手順の中で簡単に触れた、注意点について詳しく説明します。自分で交換するときは、1つ1つ丁寧にやることで失敗を防げます。焦らずに作業できる時間を確保しましょう。
メモリーバックアップを取っておくと安心
バッテリー交換中は電気機器が全て停止し、カーナビやラジオの設定がリセットされます。バックアップ電源には2種類あり、クリップで繋げるタイプとシガーソケットに差し込むタイプです。
どちらも2,000円程度で手に入るため、再設定がめんどくさい方におすすめです。
バックアップする際に注意することは、使用手順です。小さくても電気に関わる機械なので、安全確認と説明書をしっかり熟読しましょう。バッテリーの交換と同じく端子のつなぎ方外し方にルールがある場合が多いので、気をつけてください。
外したバッテリーの廃棄方法
自治体によっては、古いバッテリーを回収してもらえない場合があります。その場合は、新しいバッテリーを購入したお店に持って行くと無料で回収してくれる場合があるため、おすすめです。通販で購入した場合も、受け取り対応可能な場所もあるので、確認しましょう。
古いバッテリーから液が漏れていると、やけどをする場合があるので注意して扱いましょう。
エンジンは必ず停止しておく
バッテリーを交換する際は必ずエンジンを停止させて、鍵を抜いた状態で行いましょう。また、車のライトなども消しておきましょう。
万が一エンジンをかけた状態でバッテリーを外すと、電圧異常により電子機器にダメージが入ります。端子がボディに触れただけでも火災に繋がるため、必ずエンジンは切って作業してください。
端子の接触によるショートに気を付ける
バッテリー交換でよくあるミスが端子の接触です。原因としては工具で触れてしまったり、プラス端子から外してしまったりがよくあるミスです。マイナス端子を外している際に、スパナの先がプラス端子に当たってショートする場合があります。
順番を間違えてマイナス端子から外すと、工具が電気を帯びるため他の金属に触れた際にショートしますのでくれぐれも気をつけましょう。
プラス端子マイナス端子の間違いに気を付ける
プラス端子とマイナス端子を間違えて取り付けると、故障の原因に繋がります。何度も確認して取り付ける際は十分注意して作業しましょう。
HV・EV車のバッテリー交換はプロに頼む
HV・EV車のバッテリーは交換方法が難しい場合が多いので、プロに依頼するのが安心です。プロでも交換に時間がかかる場合がほとんどです。
火気のある場所や密閉空間はさける
バッテリーは電気機器です。火気のある場所や密閉空間での作業はやめましょう。万が一取り付けに失敗してバッテリーからガスが漏れた場合、ガスに引火したり逃げられなくなります。
事故の可能性も考えて、作業スペースを確保しましょう。
まとめ
今回は車のバッテリー交換のタイミングや、自分で交換する場合の作業手順をお伝えしました。
車のバッテリーには定期的な交換が必要です。バッテリーの劣化は目でみて音で聞いて分かることが多いです。少しでもいつもと違う異変を感じたら、点検を受けることをおすすめします。
バッテリー交換をする場合は店によって値段や作業時間に違いがあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、自分で作業する場合には、周りの環境に注意して手順を守って行うことで安全作業ができます。
劣化する前に定期的にバッテリーを交換して、愛車の寿命を長く保ちましょう。
中古車をさらにおトクに買うならモビリコ!