クルマを運転するには、定期的に車検を通す必要があります。
車検は通常、自分でディーラーなどの業者に依頼して行うのが一般的ですが、「ユーザー車検」をされる方もいらっしゃいます。
車検は費用がかさむため負担に感じる方も多いと思いますが、ユーザー車検なら費用を抑えて車検を受けられます!
しかし、メリットがある反面、いくつかのデメリットや注意点もあるので、しっかりと確認しておくことが重要です。
そこで今回は、ユーザ車検について詳しくご紹介!
ユーザー車検とはなにかということから、内容や費用、メリット・デメリットなども解説します。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
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目次
ユーザー車検とは?その内容や費用からご紹介
まずは車検とはなんなのかについて、確認していきましょう。
車検とは、クルマの安全や環境基準が適合しているか、定期的に検査する制度のこと。
正式には「自動車継続検査」といいます。
車検は法令で義務付けられており、公道を走行する場合は必ず受けなくてはいけません。
車検には有効期間があり、自家用乗用車の場合は、初回の検査は新車登録から3年間、それ以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。
検査で保安基準に適合していることがわかれば、自動車検査証と検査標章(ステッカー)が交付されます。
ユーザー車検とは
車検は必ず受けなくてはいけないものですが、費用がかかるため、車検の時期は気が重くなるという方も多いのではないでしょうか。
車検は通常、クルマをディーラーや整備工場などの業者に料金を支払って行います。
その一方で、自ら車検を行う「ユーザー車検」というものがあります。
ユーザー車検は、クルマの所有者が全国にある運輸局にクルマを持っていき、自分で点検したり検査項目をチェックしたりして、車検を行うというもの。
ユーザー車検は通常の車検と違い、自分で車検を行うので、作業工賃が発生しない分安く済ませることができるのです。
では、ユーザー車検と通常の車検の費用では、どのくらい費用に差があるのでしょうか。
まず、車検にかかる費用には大きく分けて「法定費用」と「車検基本料」があります。
法定費用の内訳と金額
法定費用とは法律で金額が決まっている費用で、「自賠責保険料」「自動車重量税」「印紙代」3つの費用を指します。
法定費用はユーザ車検も通常の車検も同じ金額がかかります。
■自賠責保険料
自動車事故による第三者の損害賠償責任を補償する保険料で、すべての自動車に加入が義務付けられています。
契約期間24カ月の自賠責保険料は、自家用乗用自動車が17,650円、軽自動車(検査対象車)が17,540円です。
※2023年4月時点
■自動車重量税
クルマの重量に応じて課せられる税金で、クルマの年式やエコカーかどうかによって費用が異なります。
※2年自家用乗用車の場合
※2023年4月時点
なお、エコカーはエコカー減税が適用されるため、この費用より安くなります。
エコカー減税については「エコカー減税とは?対象の期間・車種、税制改正の内容を解説!」もご参考ください。
■印紙代
車両検査を実施する検査機関に支払う手数料です。
継続検査の場合、普通自動車が2,300円、軽自動車が2,100円です。
※2023年4月時点
車検基本料の内訳と金額
次に、車検基本料について解説していきます。
車体基本料はユーザー車検と通常の車検は異なります。
車体基本料には、以下の費用が含まれています。
- 基本点検料
- 整備費用
- 事務手数料
車体基本料は、車検を依頼するお店に支払う費用で、ディーラーや整備工場など車検を受ける場所によっても金額が異なります。
自分で車検を行うユーザー車検では、車体基本料は発生しません。
車体基本料の目安の金額を、車検を行う場所別に見ていきましょう。
- ユーザー車検:0円
- ディーラーでの車検:約28,000~100,000円
- 整備工場での車検:約20,000~80,000円
- ガソリンスタンドでの車検:約15,000〜60,000円
これらの金額は、車両の大きさや部品交換が必要かどうかによっても異なります。
ユーザー車検も部品交換が必要であれば部品代はかかりますが、何も問題がなければ車体基本料は無料です。
車検はいつ受けるのが良い?
車検には有効期限がありますが、有効期限の前日や当日に車検を受けるのは避けましょう。
有効期限ギリギリでも、車検を受けることはできますが、予約が混み合っている場合は車検を受け付けてもらえない可能性もありますし、クルマが保安基準に適合していない場合は車検が切れてしまう可能性もあるでしょう。
ただし、有効期限を過ぎないようにと、有効期限の1カ月以上前に車検を受けるのはおすすめしません。
というのも、有効期限の1カ月以上前に車検を受けると、次回の車検の有効期限が早まってしまうからです。
例えば、車検の満了日が2023年5月31日で、車検を2カ月前の2023年3月31日に受けた場合、次回の車検は2025年3月31日と2カ月早まります。
車検の有効期限が2カ月早まるということは、2カ月分の自動車重量税を損しているということになります。
そこで、車検を受けるのにおすすめなのが、有効期限の1カ月前!
実は有効期限前の1カ月以内に車検を受けると、次回の車検は本来の有効期限が適用されるという特例があるのです。
例えば、車検の満了日が2023年5月31日で、車検を満了日1カ月以内の2023年4月30日〜2023年5月31日に受けた場合、次回の車検は2025年5月31日となりますよ。
少しでも損をすることなく、余裕を持って車検を受けたいという方は、満了日の1カ月前に受けるようにしましょう。
中古車の通常の車検については、「中古車の車検は何年ごとに受ける?車検表示の違いやかかる費用も確認」でも詳しくご紹介していますので、あわせてチェックしてくださいね。
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ユーザー車検を行うメリット・デメリット(注意点)も確認!
ユーザー車検は費用が抑えられるなどさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットや注意点もあります。
メリットとデメリットを確認しましょう。
ユーザ車検のメリット
まずはユーザー車検のメリットをご紹介します。
車検費用を抑えられる
ユーザー車検の一番のメリットは、車検費用を節約できること!
先ほどご紹介したように、部品交換がなければ車検基本料は0円で済むので、法定費用だけで行うことができます。
車検基本料は、ディーラーであれば28,000〜100,000円ほどかかります。
その費用がかからないとなれば、非常に大きなメリットとなるでしょう。
クルマの状態を把握できる
ユーザー車検はクルマの所有者自身で点検を行います。
そのため、自分のクルマの状態を一つひとつしっかり確認することができるので、クルマがどんな状態なのか、自分の目で見て確認することができますよ。
車検の知識が身に付く
自分で車検を行うごとに、車検やクルマについての知識が身につきます。
クルマの税金や保険についても自分で対応することになるため、よりクルマに詳しくなるでしょう。
ユーザー車検のデメリット・注意点
次に、ユーザー車検のデメリットや注意点をご紹介します。
整備の知識が必要
ユーザー車検はクルマの所有者が自分で整備・点検を行います。
そのため、整備や点検の知識がなければユーザ車検はできません。
知識に不安がある状態で点検を行うと、クルマの安全性への不安は拭い切れないでしょう。
なお、ユーザー車検では運輸支局の検査コースを走行しますが、もしそこで不適合となった場合は、再度整備する必要があります。
車検ができる日時が限られている
通常の車検は基本的には土日も行うことができたり、ガソリンスタンドであれば店舗によっては夜間に行なったりすることも可能です。
しかし、ユーザー車検は運輸支局で行うため、平日の日中しか対応していません。
平日が仕事の方は、休みをとる必要があるでしょう。
24カ月点検の整備費用が発生する可能性がある
クルマは車検とは別に、24カ月点検と呼ばれる法定点検整備を行う必要があります。
通常の車検であれば、車検と一緒に24カ月点検も行なってくれますが、ユーザー車検では自分で24カ月点検も行わなくてはいけません。
しかし、24カ月点検はエンジンやブレーキなどクルマの重要な部分の検査を行うため、自分で行うのはなかなか難しいでしょう。
自分でできない場合は、整備費用を支払ってディーラーなど業者にお願いすることになります。
ユーザー車検のチェック項目や必要書類、行う流れもチェック
ユーザー車検をしたいと思っている方は、行う流れや必要書類などを事前に把握しておくと安心です。
しっかり確認した上で、自分でも対応できそうか検討してみましょう。
ユーザー車検の流れは次の通りです。
【事前準備の流れ】
- 24カ月点検を行う
- ユーザー車検の予約をする
- 必要書類を用意する
【ユーザー車検当日の流れ】
- 運輸支局の窓口に受付をする
- 検査を受ける
- 自動車検査票を受付に提出する
それぞれの内容について、詳しくご紹介します。
事前準備の流れ
ユーザー車検を受ける前に、事前に準備しておくことがいくつかあります。
しっかり準備をしておくことで、検査当日をスムーズに迎えることができますよ。
①点検整備記録簿に記入する
ユーザー車検を受ける前に、まずは24カ月点検を行いましょう。
自分で行う場合は、クルマの点検と整備を行い、点検整備記録簿(メンテナンスノート)に記入します。
自分で行うのが難しい場合は、ディーラーや整備工場など業者に依頼しましょう。
②ユーザー車検の予約をする
ユーザー車検は事前予約制です。
ユーザー車検の予約は、基本的には2週間前から受付しています。
予約方法は、普通乗用車は予約サイト「自動車検査インターネット予約システム」で、軽自動車はインターネット予約サイト「軽自動車検査予約システム」または電話ですることが可能です。
2023年4月現在、普通乗用車はインターネット予約のみですのでご注意ください。
③必要書類を用意する
ユーザー車検ではいくつか書類を用意する必要があります。
■車検証
自動車が保安基準に適合していることを証明する書類で、クルマに関する情報が記載されています。
■自動車損害賠償責任保険証明書(新旧2枚)
自賠責保険の保険証です。
検査前に自賠責保険の継続手続きを済ませ、自動車損害賠償責任保険証明書は新旧2枚用意しましょう。
■自動車税納税証明書
自動車税の納付が完了したことを証明する書類です。
普通乗用車の車検の際は、「車検が継続検査」「自動車税を滞納していない」「納税から2〜4週間経過している」という3点の条件をクリアしていれば、提出の省略が可能です。
ただし、軽自動車は提出が必要ですので、ご注意ください。
■定期点検整備記録簿
24カ月点検(または12カ月点検)の法定点検の内容を記録したもの。
車検前に点検整備を依頼する場合のみ必要となります。
また、クルマの所有者の認印も必要ですので、忘れずに持っていきましょう。
ユーザー車検当日の流れ
次に、ユーザー車検を受ける当日の流れを見ていきましょう。
①運輸支局の窓口に受付をする
予約当日に運輸支局に行き、窓口で受付をします。
事前に用意した必要書類を提出するほか、窓口にある「自動車検査票」「自動車重量税納付書」「継続検査申請書」に記入して提出します。
②検査を受ける
受付で指示された検査ラインの列に並び、検査を受けます。
検査員や検査ラインの機械で、下記の項目を点検します。
- 車両と書類の同一性
- 外観
- サイドスリップ
- ブレーキ
- スピードメーター
- ヘッドライト
- 排気ガス
- 下廻り(エンジン、クラッチ、排気装置、燃料装置など)
ユーザー車検では不合格だったとしても、1回の受付で3回まで検査を受けることができます。
③自動車検査票を受付に提出する
ユーザー車検の検査に合格したら、窓口に自動車検査票を提出し、新たな車検証と検査標章を受け取ります。
これでユーザー車検は完了です。
まとめ
クルマの安全や環境基準が適合しているか、定期的に検査する制度を車検といいます。
車検には有効期間があり、自家用乗用車の場合は、初回の検査は新車登録から3年間、それ以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。
車検は満了日を迎える1カ月前には完了していると安心です。
車検にはディーラーや整備工場で行う通常の車検のほかに、クルマの所有者が自ら運輸支局にクルマを持って行って点検・整備をするユーザー車検があります。
ユーザー車検と通常の車検では、費用が大きく異なります。
車検にかかる費用には大きく分けて「法定費用」と「車検基本料」があり、それぞれ次の費用が発生します。
【法定費用】
- 自賠責保険料
- 自動車重量税
- 印紙代
【車検基本料】
車体基本料には、「基本点検料」「整備費用」「事務手数料」が含まれています。
車体基本料は、車検を依頼するお店に支払う費用で、ディーラーでは約28,000~100,000円、整備工場では約20,000〜80,000円、ガソリンスタンドでは約15,000〜60,000円と、車検を受ける場所によっても金額が異なります。
ユーザー車検は自分で車検を行うので、車体基本料は0円です。
ユーザー車検には、車検費用を抑えられたり、クルマの状態を把握できたり、車検の知識が身についたりといったメリットがあります。
しかし、整備の知識が必要であったり、車検が平日の日中しかできなかったりと、いくつかのデメリットや注意点もあるので、ユーザー車検をする前にしっかり検討することをおすすめします。
ユーザー車検を受ける前に、事前準備や当日の流れについても確認しておきましょう。
なお、中古車の購入を検討している方は、クルマに車検がついているかどうかも確認を。
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