プリウス30とは、トヨタ自動車が2009年5月から販売開始した3代目のプリウスです。

ハイブリッドカーとして世界トップとなる燃費性能38.0km/L（10・15モード）を実現し、さらなる燃費性能と走行性能の高さを実現した車です。

販売期間は2009年5月〜2015年12月で、マイナーチェンジにより前期と後期に分かれています。

プリウス30は依然として中古車市場で人気が高く、ハイブリッド車を求める人におすすめの車といえるでしょう。

今回はプリウス30について、前期と後期の違いや基本スペック、燃費性能を解説します。

中古車の購入を検討している人で、燃費性能の高い車やハイブリッドカーを検討している人はぜひ参考にしてください。

プリウス30とは

プリウス30とは、トヨタ自動車が製造したハイブリッドカー「プリウス」の3代目モデルのこと。

2009年5月に登場して以来、ハイブリッドカーとして燃費の良さを追求してきました。

プリウス30の特徴は、従来の内燃エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用している点。

ハイブリッドシステムのおかげで世界トップとなる燃費性能38.0km/Lと、2.4L車並の動力性能を実現しています。

エコモードやエコモニターなど、運転者が燃費を意識しながら運転するための機能も充実しているため、環境に配慮した運転を目指す人におすすめの車です。

またプリウス30は、洗練されたエクステリアデザインと快適性を追求したインテリアデザインだけでなく、豊富な安全装備も備えています。

衝突回避支援システムやレーンキープアシスト、パーキングサポートなどの先進的な安全技術は、トヨタ自動車の中でも安全面で高い評価を受けています。

プリウス30の前期と後期の違いを解説

プリウス30が販売された期間は、2009年5月〜2015年12月です。

ただ、その期間の途中である2011年12月にはプリウス30のマイナーチェンジが行われ、インテリア・エクステリアともに一部のデザインが変更されています。

前期と後期のプリウス30にはどんな違いがあるのでしょうか。

ここからはプリウス30の前期と後期のデザインの違いを、下記の5つのカテゴリに分けて解説します。

プリウス30の前期と後期のデザインの違い

• エクステリアの違い
• インテリアの違い
• ボディカラーの違い
• 安全性能や機能性の違い
• プリウス後期では新しいグレードS“ツーリングセレクション・G’s”が追加

それぞれ詳しく見ていきましょう。

プリウス30の前期と後期のエクステリアの違い

プリウス30の前期と後期におけるエクステリアの違いは以下のとおり。

変更箇所	後期の変更内容
ロアグリル	ロアグリルの面積が拡大
ウィンカーライト	形状が四角から三角に変更
テールランプ	スモールブレーキのランプがL型に変更
純正アルミホイール	デザインが変更

エクステリアデザインは、一部が変わるだけで見た目の印象がグッと変わります。

後期デザインの特徴は、リア部分のデザインの変化が大きかった点。

前期と雰囲気が変わるため、好みに合わせて前期と後期を選んでください。

プリウス30の前期と後期のインテリアの違い

次に、プリウス30の前期と後期のインテリアの違いを見ていきましょう。

変更箇所	変更内容
ハザードボタン	赤いボタンに白の三角マークに変更
エンジンスタートボタン	青いデザインに変更
ドリンクホルダー	コンソールの下に隠れるデザインから、常に見えるデザインに変更
シートカラー	ツートンシート（ブラウン＋ブルー）がオプションで追加

インテリアのデザインは、車内のアクセントカラーになるボタンの色やシートカラーが変更・追加されました。

特にシートカラーはオプションが追加されたことでアレンジを効かせやすくなったといえるでしょう。

プリウス30の前期と後期のボディカラーの違い

プリウス30の後期からは新しいボディカラーが追加されました。

追加されたボディカラーは以下の3色です。

• ボルドーマイカメタリック<3R9>
• フロスティーグリーンマイカ<781>
• ライトパープルマイカメタリック<9AE>

新色を追加したことで、プリウス30後期のボディカラーは全8色となりました。

プリウス30ボディカラー

• スーパーホワイトII<040>
• ホワイトパールクリスタルシャイン<070>
• シルバーメタリック<1F7>
• ブラック<202>
• レッドマイカメタリック<3R3>
• ボルドーマイカメタリック<3R9>
• フロスティーグリーンマイカ<781>
• ライトパープルマイカメタリック<9AE>

引用：[トヨタ自動車]

ボディカラーによって車の見た目や雰囲気が一気に変わります。

中古車からプリウス30を探す場合は、ボディカラーによって在庫数が変わることもあります。

ボディカラーの優先順位をつけて気になる車から比較してみてください。

プリウス30の前期と後期の安全性能や機能性の違い

プリウス30はエクステリアやインテリアだけでなく、細かな装備や機能面でも改良が加わっています。

全グレードと一部のグレードで設定された機能や変更点をそれぞれまとめました。

【全グレードに追加】

• 車両接近通報装置を全車標準装備
• 吸音材の追加などにより静粛性を向上
• ボディ剛性を強化し乗り心地と操縦性・走行安定性を向上

【G・G“ツーリングセレクション”に追加】

• フロントドアガラスにスーパーUVカットガラスを採用
• メーカーオプションのナビゲーションをDSSS内蔵モデルに変更
• JBLプレミアムサウンドシステムを採用したモデルを設定

引用：[トヨタ自動車]

マイナーチェンジで機能面の改良点が多いのは、G・G“ツーリングセレクション”です。

プリウス後期では新しいグレードS“ツーリングセレクション・G’s”が追加

プリウス30の後期からは、新たなグレードS“ツーリングセレクション・G’s”が追加されました。

S“ツーリングセレクション・G’s”は、プリウス30のSグレードをベースに、“ツーリングセレクション”の装備とGAZOO Racingのテストドライバーによるトータルチューニングが追加されています。

GAZOO Racingとは、トヨタ自動車の中でもモーターレースに出場するためのスポーツカーの開発を行う部門です。

S“ツーリングセレクション・G’s”には、「走りの楽しさ」「操る喜び」を追求するために、安心感・車格感の向上や操舵フィーリングと挙動の一体感にこだわった改良が行われています。

インテリア・エクステリアを踏まえた主な改良ポイントは以下のとおりです。

• コイルスプリング・ショックアブソーバーに専用チューニングを施したサスペンションを採用
• メンバーブレースの採用・スポット溶接打点の追加によりボディ剛性を向上
• 高剛性で軽量の専用18インチアルミホイール・高性能タイヤの採用でスポーティな走りを実現
• バンパー（フロント・リヤ）にG’s専用デザインを採用
• 大径マフラーを採用
• フロントフェンダー・バックドアに“G’s”エンブレムを配置
• フロントLEDイルミネーションビーム・ブラック加飾のヘッドランプ・リヤコンビネーションランプを追加
• “G’s”ロゴ入り専用シート表皮の採用
• レッドステッチを施したステアリングホイールを採用
• カーボン調加飾のインストルメントパネル・ドアトリムを採用
• アルミ製のアクセル＆ブレーキペダルに変更

引用：[トヨタ自動車]

ハイブリッド車のプリウス30ですが、スポーツカーのような走り心地や力強さを求める人はS“ツーリングセレクション・G’s”を検討してみてください。

プリウス30の基本スペックや燃費性能とは

ここからはプリウス30の基本スペックや燃費性能を解説します。

プリウス30の基本スペック

• グレード
• 基本スペック
• カタログ燃費

それぞれ詳しく見ていきましょう。

プリウス30のグレード

プリウス30は前期・後期を通して以下のグレードが設定されています。

• L
• S
• S”ツーリングセレクション”
• G
• G”ツーリングセレクション”
• G”ツーリングセレクション レザーパッケージ”

さらに特別仕様車として以下のグレードの用意もあります。

• S“ツーリングセレクション・G’s”
• Sマイコーデ
• Sツーリングセレクション・マイコーデ

全グレードのうちGグレードが上級、Lグレードがエントリーモデルです。

上級グレードは安全性能の内容や車のシートに利用されている素材、ステアリングの素材などが異なります。

グレードによって標準装備やオプションのバリエーションが異なるため、比較する際は条件を決めて確認するのがおすすめです。

プリウス30の基本スペック

プリウス30の基本スペックを表にまとめました。

	G	S	L
全長（mm）	4,480
全幅（mm）	1,745
全高（mm）	1,490
室内長（mm）	1,905
室内幅（mm）	1,470
室内高（mm）	1,225
総排気量（L）	1,797
最低地上高（mm）	140

引用：[トヨタ自動車]

表を見て分かるように、プリウス30はグレードごとのボディサイズや排気量の違いはありません。

基本的に違いが出るのは、車の安全装備や先進技術が標準装備になっているかどうか。

たとえば、以下の機能はグレードごとに装備されている内容が異なります。

	G	S	L
フロントガラス	スーパーUVカットグリーンガラス	UVカットグリーンガラス	UVカットグリーンガラス
フロントフォグランプ	標準装備	メーカーオプション	–
クルーズコントロール	標準装備	–	–

引用：[トヨタ自動車]

機能面の違いを把握したうえで、自分に合ったグレードを決めましょう。

プリウス30のカタログ燃費

次に、プリウス30のカタログ燃費を比較します。

トヨタ自動車の情報によると、プリウス30のカタログ燃費は以下のとおり。

グレード	G			S		L
特別仕様車	ツーリングセレクション・レザーパッケージ	ツーリングセレクション		ツーリングセレクション
JC08モード（km/L）	30.4					32.6
10・15モード（km/L）	35.5					38.0

引用：[トヨタ自動車]

GとSグレードは同じ燃費性能であることが分かりました。

どのグレードもハイブリッド車として高い燃費性能を発揮しているため、車の維持費を抑えられるというメリットがあります。

特別仕様車のグレードでも燃費性能は変わらないため、燃費の良し悪しでグレードを決めたい人は、Lグレードか、G・Sグレードかで比較してみてください。

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プリウス30の5つの魅力を解説

プリウス30は2代目と比較して、さらに改良が加えられています。

ここではプリウス30の魅力を5つ紹介します。

プリウス30の魅力

• ボディデザインの追求で世界トップレベルの燃費性能を実現
• 室内空間をさらに快適に改良
• エアコン機能を改善
• ハイブリッドシステムの軽量化
• タッチトレーサーディスプレイによる操作性の向上

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ボディデザインの追求で世界トップレベルの燃費性能を実現

プリウスのボディラインは、空気抵抗をなくすために設計されており、トライアングルシルエットと名付けられています。

プリウス30はトライアングルシルエットをさらに改良し、世界トップレベルの燃費性能を実現しました。

2代目から3代目プリウスの、具体的な変更点は以下のとおりです。

• フロントピラーを25mm前だし
• ルーフピークの位置変更
• 後席ヘッドクリアランス45mm

引用：[トヨタ自動車]

世界トップレベルの燃費性能を実現しているだけでなく、平成17年基準排出ガス75％低減レベルの認定も獲得しています。

燃費性能が高い車であれば、中古車として購入しても車の維持費を抑えられるでしょう。

室内空間をさらに快適に改良

プリウス30は2代目のプリウスと比較して、室内空間の快適性も高めています。

ボディサイズ、室内サイズの具体的な改良箇所は以下のとおりです。

プリウス30の改良箇所

• フロントトレッド20mmUP（1,525mm）
• 全幅20mmUP（1,745mm）
• リアトレッド40mmUP（1,520mm）
• 室内長15mmUP（1,905mm）
• 乗降時のヒップポイント高のUP
• 後部座席のひざ元スペースが20mmUP（690mm）

※Sグレードの数値

引用：[トヨタ自動車]

特に後部座席のひざ元スペースが改良され、車で過ごす快適度が高まっています。
燃費性能が高いだけでなく車での居心地が良くなれば、車で旅行する時間や、車の中で過ごす時間が増えるのではないでしょうか。

エアコン機能を改善

プリウス30が2代目から改善された項目はエアコン機能です。

世界初、プリウスに装備されたエアコン機能は以下のとおり。

• ソーラーベンチレーションシステム
• リモートエアコンシステム

ソーラーベンチレーションシステムとは、プリウスのルーフ部分に設置しているソーラーパネルで発電した電力を使った、駐車中の換気を行うシステムです。

夏に炎天下で車を停めたときに、車内温度が上がり過ぎるのを防げるため、車を発進する際のエアコンの酷使を防ぐことにつながります。

夏場・冬場の車内の快適度を高めるには、リモートエアコンシステムを組み合わせるのが効果的です。

リモートエアコンシステムを活用すれば、換気するだけでなく車外にいる間に車のエアコンをつけることが可能です。

ソーラーベンチレーションシステムで換気、リモートエアコンシステムでエアコンを始動させることで、効率的に車内の温度を調整できます。

ハイブリッドシステムの軽量化

プリウス30ではハイブリッドシステムの小型化・軽量化が実施されています。

ハイブリッドシステムの改良で行ったポイントは以下のとおり。

ハイブリッドシステムの改良ポイント

• 約10％の燃費向上を実現
• ハイブリッドユニットの90％以上を新たに設計
• 世界初の冷却構造を開発して約40％小型化を実現
• ハイブリッドシステム全体で約20％の軽量化

ハイブリッドシステムが軽量化することで、車の重量も変化します。

重量が軽くなることで燃費性能も向上し、車の維持費も抑えられる点が魅力です。

タッチトレーサーディスプレイによる操作性の向上

運転時の快適度を上げるための改善も組み込まれています。

運転席の機能の改善ポイントは、タッチトレーサーディスプレイです。

タッチトレーサーディスプレイとは、ステアリングに設定されたスイッチの操作画面をセンターメーターに表示できる機能のことです。

メーターで自分の操作状況を把握できれば、手元のスイッチを見るよりも視線の移動範囲を減らせるため、よそ見運転や脇見運転を防げるでしょう。

プリウス30のカスタムパーツとは？

プリウス30はカスタム次第で自分好みの見た目や乗り心地に変化させることが可能です。

内装や外装それぞれでカスタムできるパーツの例は以下のとおりです。

【内装・インテリア】

• ステアリングカバー
• ラゲッジマット
• シフトノブ
• シート
• ルームランプ

【外装・エクステリア】

• フロントバンパー
• タイヤ
• ホイール
• テールランプ

カスタムパーツを購入するには、カスタムパーツの専門店や楽天市場などのオンラインサイト、オークションサイトなど選択肢はさまざま。

プリウス30のカスタムに対応しているか、カスタムにどのくらい手間がかかるかなどを踏まえて検討してみてください。

プリウス30の中古車価格

ここからはプリウス30の中古車価格を見ていきましょう。

複数の中古車サイトのデータをもとに、プリウス30の中古車平均価格や価格帯をまとめました。

	中古車平均価格	中古車価格帯
グーネット	157.3万円	9.4~576万円
カーセンサー	68.9万円	–

引用：[グーネット],[カーセンサー]

中古車価格を見ると、プリウス30の中古車価格は70〜150万円ということが分かります。

中古車価格帯には幅があることもあり、中古車販売店や中古車サイトなど中古車を取り扱うサイトの情報を詳しく調べれば、状態の良いプリウス30をお手頃価格で購入できるかもしれません。

 

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プリウス30に関するよくある質問

ここではプリウス30に関するよくある質問に回答します。

• プリウス30のグレードは前期と後期で違うの？
• プリウス30をお得に買うには？

それぞれ詳しく見ていきましょう。

プリウス30のグレードは前期と後期で違うの？

プリウス30の前期・後期それぞれで販売されたグレードをまとめました。

【前期（2009年〜2011年11月）】

• Ｌ
• Ｓ
• Ｓツーリングセレクション
• Ｇ
• Ｇツーリングセレクション
• Ｇツーリングセレクション・レザーパッケージ
• ＥＸ
• Ｓ ＬＥＤエディション
• Ｇ ＬＥＤエディション

【後期（2011年12月〜2014年8月）】

• Ｌ
• Ｓ
• Ｓツーリングセレクション
• Ｇ
• Ｇツーリングセレクション
• Ｇツーリングセレクション・レザーパッケージ
• Ｓツーリングセレクション・Ｇ’ｓ
• Ｓツーリングセレクション・マイコーデ
• Ｓマイコーデ
• Ｓ ＬＥＤエディション
• Ｇ ＬＥＤエディション

プリウス30は後期になり、グレードが新たに追加されています。

Ｇ’ｓやマイコーデなどのグレードが欲しい人は後期のプリウス30を検討してください。

プリウス30をお得に買うには？

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まとめ

今回は3代目のプリウスである「プリウス30」について、前期と後期のデザインの違いやプリウス30の基本スペック、中古車価格まで詳しく解説しました。

2023年10月現在、トヨタ自動車では5代目となる新型プリウスが販売されていますが、3代目プリウスは中古車市場でも需要が依然として継続しています。

歴代のプリウスは徐々にデザインが変わっており、3代目プリウスのデザインを好む人もいるからかもしれません。

実際にプリウス30を購入する場合は、前期か後期かを確認しましょう。

デザイン面の特徴や機能面の違いを理解したうえで、自分の納得できるプリウス30を手に入れてください。

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