日本を代表する高級セダンとして、長きにわたり多くのドライバーに愛されてきたトヨタ・クラウン。その15代目にあたる「220系クラウン」は、2018年に新世代プラットフォーム「TNGA」を採用して登場し、スポーティなデザインと高い走行性能で注目を集めました。
現在、220系クラウンは中古車市場で非常に魅力的な選択肢となっていますが、検討時に多くの人を悩ませるのが「前期型と後期型の違い」そして「複雑なグレード・オプション体系」です。
本記事では、公表されているスペックやデータに基づき、前期・後期の違いから詳細な装備の比較、さらには購入後の維持費までを徹底的に解説します。
目次
1. 【基本編】220系クラウンの歴史と前期・後期の概要

220系クラウンは、販売期間中に一度の大きなマイナーチェンジを実施しています。まずは、モデルの歩みと大枠の違いを把握しましょう。
220系クラウンのモデル年表
| 時期 | 出来事・変更内容 |
| 2018年6月 |
15代目(220系)フルモデルチェンジ(前期型発売) TNGAプラットフォーム採用、コネクティッド機能の標準化。 |
| 2020年4月 | 一部改良。ナビゲーションにApple CarPlay / Android Auto対応追加(※それ以前のモデルもアップデートで対応可能)。 |
| 2020年11月 |
マイナーチェンジ(後期型発売) 内装デザインの大幅変更(12.3インチディスプレイ採用)、安全装備(Toyota Safety Sense)の機能向上。 |
| 2022年7月 | 生産終了。16代目(クロスオーバー等)へフルモデルチェンジ。 |
前期・後期の主な違い一覧表
| 比較項目 | 前期型(2018年6月~2020年10月) | 後期型(2020年11月~2022年7月) |
| ナビ・ディスプレイ | 8インチ+7インチ ダブルディスプレイ | 12.3インチ ワイドタッチディスプレイ |
| インパネ周りのデザイン | 物理ボタンが少なくフラットな意匠 | エアコン操作パネル等が物理ボタンとして独立 |
| ステアリング周辺 | – | ステアリング加飾の変更、ホーンパッドの質感向上 |
| 予防安全装備(TSS) | 第2世代 Toyota Safety Sense | 交差点右左折支援、ドライバー異常時対応システム等を追加 |
| リアコンビネーションランプ | メッキ加飾 | スモークメッキ加飾(RS系)、内部意匠の変更 |
2. 【内装・インフォテインメント編】最大の違いはディスプレイ
前期型と後期型を比較する際、最も明確な違いが現れるのが内装、特にインストルメントパネル周りのデザインとナビゲーション画面です。日常の運転における使い勝手に直結する部分のため、しっかりと確認が必要です。
前期型:ダブルディスプレイの特徴

前期型は、インパネ中央に上下2つの画面を配置した「ダブルディスプレイ(遠視点8インチ+操作用7インチ)」を採用しています。
-
メリット: ナビゲーションの地図を上部の8インチ画面に表示したまま、下部の7インチ画面でエアコン操作やオーディオ設定、車両設定などを独立して行うことができます。情報を分割して表示できる機能性が魅力です。
-
留意点: 画面が2つに分かれているため、1つの大画面を好む方には視覚的に手狭に感じられる場合があります。また、エアコンの風量や吹き出し口の調整などの多くを下部タッチパネルで行うため、物理ボタンに慣れている方は操作に慣れが必要です。
後期型:12.3インチワイドディスプレイの特徴

後期型では、インパネの意匠が大きく変更され、ダッシュボード上部に「12.3インチワイドタッチディスプレイ」が1画面で配置されるオーソドックスかつモダンなスタイルに変更されました。
-
メリット: 横長の大画面により、地図の視認性が大幅に向上しました。特にApple CarPlayやAndroid Auto等のスマートフォン連携機能を使用する際、大画面をフルに活かした表示が可能です。
-
メリット(操作性): ディスプレイの変更に伴い、エアコンの操作系(温度調節、風量、シートヒーター等)がディスプレイ下の物理ボタンとして独立しました。これにより、運転中も視線を大きく外さずに直感的な操作が可能となっています。
中古車をさらにおトクに買うならモビリコ!
- モビリコは中間業者を通さない個人売買のため、中間コストは大幅削減、消費税がかかりません。なので、買う人は安く買えて、売る人は高く売れます。
- 面倒な作業が多くなりがちな車の個人売買ですが、面倒な作業はすべてディーラーにお任せできます。
3. 【先進安全装備編】Toyota Safety Senseの進化

220系クラウンは全車に「Toyota Safety Sense(第2世代)」を標準装備しており、高い安全性能を誇ります。後期型では、このシステムがさらにアップデートされました。
前期・後期共通の主な安全機能
-
プリクラッシュセーフティ: 歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼)を検知し、衝突回避または被害軽減をサポート。
-
レーントレーシングアシスト(LTA): 高速道路等で車線中央を走行するようステアリング操作を支援。
-
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付): 先行車との車間距離を保ちながら追従走行を支援。
-
オートマチックハイビーム / アダプティブハイビームシステム: 夜間の視界確保をサポート(※グレードにより装備が異なります)。
後期型で追加・強化された主な機能
後期型のマイナーチェンジにより、以下の機能が追加され、日常運転でのサポート領域が拡大しました。
-
交差点右左折支援機能: プリクラッシュセーフティの検知範囲が拡大し、交差点右折時の対向直進車や、右左折時に前方から来る歩行者の検知に対応しました。
-
ドライバー異常時対応システム: レーントレーシングアシスト制御中に、ドライバーの無操作状態が継続した場合、音と表示で警告し、最終的には自車線内に減速停車して異常を知らせる機能です。
-
カーブ速度抑制機能: レーダークルーズコントロール使用時、AIが前方のカーブを認識し、ステアリングの切り始めに合わせて速度を抑制する機能が追加されました。
4. 【エクステリア・デザイン編】スポーティな「RS」と気品ある「標準」
220系クラウンのエクステリアは、大きく分けてスポーティ仕様の「RS」系と、ラグジュアリー志向の「標準仕様(G・S系)」の2つの顔が存在します。
「RS」系と「標準仕様」の外観比較
| 部位 | RS系(スポーティ仕様) | 標準仕様(G・S系ラグジュアリー仕様) |
| フロントグリル | メッシュパターン(黒塗装)+専用メッキモール | 横桟(よこざん)パターン |
| フロントバンパー | 専用エアロデザイン | 標準デザイン |
| リアバンパー/マフラー | 専用バンパー+左右4本出しエキゾーストテールパイプ | リアバンパーロアモール+左右2本出しマフラー |
| アルミホイール | 18インチ専用アルミホイール(スパッタリング塗装等) | 17インチまたは18インチ(切削光輝+ダークグレーメタリック等) |
| サイドガーニッシュ | メッキ加飾 | – |
前期と後期のエクステリアの違いは微小ですが、後期型ではリアコンビネーションランプのメッキリングがスモーク調(RS系)になるなど、質感を高める細かな変更が施されています。
5. 【パワートレーン・走行性能編】3つの選択肢
220系クラウンには、用途と好みに応じて選べる3種類のパワートレーンが用意されています。パワートレーンのスペックは前期・後期で基本的に共通です。
パワートレーンスペック比較(公表値)
| エンジン種類 | システム最高出力 | 駆動方式 | WLTCモード燃費 | 特徴・おすすめの用途 |
| 2.0L 直噴ターボ(ガソリン) | 180kW (245PS) | 2WD (FR) | 12.4 km/L | 軽快な吹け上がりとダイレクトな加速感。高速道路での伸びやかな走りを好む方。 |
| 2.5L ハイブリッド | 166kW (226PS) | 2WD (FR) / 4WD (E-Four) | 18.2〜20.0 km/L | 優れた燃費性能と静粛性。街乗りから長距離ドライブまでバランス良くこなす主力モデル。降雪地域向けの4WDも選択可能。 |
| 3.5L V6 ハイブリッド | 264kW (359PS) | 2WD (FR) | 16.0 km/L | マルチステージハイブリッドシステム搭載。V6ならではの滑らかさと、圧倒的な動力性能を求める方向けの最上級仕様。 |
※燃費数値はグレードや車両重量、オプション装備により異なります(公表値)。
6. 【グレード体系とシート・内装色編】

220系クラウンのグレード選びにおいて、シート表皮と内装色は重要なポイントです。各グレードのキャラクターに応じた素材が設定されています。
主要グレードの内装素材と特徴
| グレード名 | シート表皮 | 主な標準装備・特徴 |
| RS Advance | ファブリック+合成皮革(※本革はオプション) | RSのスポーティな外観に、高度な先進装備や後席の快適装備をプラスした上級スポーツグレード。 |
| RS | ファブリック | スポーティな走りと外観を楽しめる標準的なRSグレード。 |
| G Executive | 本革 | 木目調パネル、後席パワーシート、後席シートヒーターなどを備える最上級のラグジュアリーグレード。 |
| G | 本革 | 本革シートを標準装備し、上質な内装と充実した快適装備を持つ標準系の上級グレード。 |
| S Cパッケージ | ファブリック | Sグレードをベースに、ブラインドスポットモニター等の安全装備や快適装備を充実させたモデル。 |
| S | ファブリック | クラウンの基本性能をしっかり備えたスタンダードグレード。 |
7. 【オプション・パッケージ編】中古車選びで必須の確認項目
中古車を選ぶ際、購入後にディーラー等で後付けできない「メーカーオプション」の有無は必ず確認すべき項目です。
単独で設定される主要メーカーオプション
-
マイコン制御チルト&スライド電動ムーンルーフ: 車内に自然光を取り入れ、開放感を高めます。中古市場でも人気の高い装備です(※実車で天井のガラスルーフの有無を確認)。
-
トヨタプレミアムサウンドシステム: 16個のスピーカーと専用アンプを搭載し、臨場感あふれる音響空間を提供します。音楽鑑賞を重視する方に適しています。
-
寒冷地仕様: バッテリー容量の最適化、フロントガラスの熱線、リアフォグランプ等が追加されます。降雪地域で使用される方には実用性の高い装備です。
難解な「パッケージオプション」の解明
複数の装備がセットになったパッケージオプションは、グレードによって設定の有無や標準化されている内容が異なります。
| パッケージ名 | 含まれる主な装備(抜粋) | 狙い目のユーザー |
| レザーシートパッケージ | 本革シート、前席シートベンチレーション(送風機能)、助手席肩口パワーシートスイッチ | 「RS」系グレードを選びつつ、本革の質感と夏場のシートの快適性(ベンチレーション)を求める方。 |
| アドバンスドパッケージ | カラーヘッドアップディスプレイ、パノラミックビューモニター、デジタルインナーミラーなど | 車両周辺の死角を減らし、駐車時の安全性や運転中の視線移動を最小限に抑えたい方。 |
| リアサポートパッケージ | 電動リアサンシェード、後席シートヒーター、後席オートエアコン、後席オーディオコントロールなど | 後部座席に家族やゲストを乗せる機会が多く、後席の快適性を最大限に高めたい方。 |
8. 【実用・維持費編】購入後のランニングコスト目安

車を長く大切に維持するためには、購入後のランニングコスト(税金やメンテナンス費用)を把握しておくことが重要です。公表されている排気量や車重に基づく基本的な維持費の目安を整理します。
自動車税(種別割)と自動車重量税の比較
排気量と車両重量によって法定費用が異なります。(※税額は2026年現在の一般的な自家用乗用車の目安です。登録時期やエコカー減税の適用等により変動する場合があります。)
| パワートレーン | 排気量区分 | 自動車税(年間)の目安 | 車両重量区分(目安) | 自動車重量税(車検時2年分)の目安 |
| 2.0L ターボ | 1.5L超~2.0L以下 | 36,000円(※2019年10月以降登録車) | 1.5t超~2.0t以下 | 32,800円 |
| 2.5L ハイブリッド | 2.0L超~2.5L以下 | 43,500円(※同上) | 1.5t超~2.0t以下 | 32,800円(※免税・減税適用前) |
| 3.5L ハイブリッド | 3.0L超~3.5L以下 | 57,000円(※同上) | 1.5t超~2.0t以下 | 32,800円(※免税・減税適用前) |
メンテナンスにおける実践的な留意点
高級車であるクラウンは、消耗品の品質にも高い基準が求められます。定期的なメンテナンス費用を見込んでおくことが、長期的な車両コンディションの維持に繋がります。
-
タイヤの交換費用:
-
RS系に装着される18インチタイヤ(225/45R18)は、一般的なコンパクトカー等と比較して単価が高くなります。クラウンの高い静粛性や操縦安定性を維持するためには、メーカー指定サイズに適合する品質の高いタイヤを選択することが推奨されます。
-
-
ハイブリッドモデルのメンテナンス:
-
ハイブリッド車(2.5L / 3.5L)は、エンジンオイルに加えて、インバーター冷却水の管理や補機バッテリー(トランクルーム等に設置)の定期的な点検が必要です。
-
-
定期点検・車検:
-
220系クラウンには高度な電子制御ブレーキや先進安全機能のセンサー類が多数搭載されています。車検や整備の際は、これらの電子デバイスの診断ツール(エーミング機器等)を備えた整備工場にご相談いただくことをおすすめします。点検・整備の具体的な内容については、専門の整備士にご確認ください。
-
9. 【結論】あなたに最適な前期・後期×グレードの選び方
これまでの公表スペックや装備の違いに基づき、重視するポイント別の選び方をまとめました。
① 価格を抑えつつ、クラウンの走りと質感を堪能したい方
-
おすすめの選択肢:前期型 ×「RS」または「S Cパッケージ」
-
理由:前期型は中古車市場での流通量が多く、比較的手頃な価格で検討しやすくなっています。TNGAプラットフォームによる走行性能は後期型と遜色ないため、ダブルディスプレイの操作感に馴染める方であれば、非常に経済性の高い選択となります。
② 最新のナビ画面と、より進化した先進安全装備を重視する方
-
おすすめの選択肢:後期型 ×「RS Advance」または「G」
-
理由:12.3インチのワイドディスプレイによる視認性の高さとスマートフォンの連携しやすさは、日常的な使い勝手を大きく向上させます。また、交差点での支援機能が追加された安全装備は、日々の運転での安心感をさらに高めてくれます。
③ 後部座席の快適性と最上級のラグジュアリーを求める方
-
おすすめの選択肢:前期・後期問わず「G Executive」
-
理由:運転手だけでなく、同乗者にも最高のおもてなしを提供するなら、本革シートや木目調パネル、後席の電動調整機能が標準装備される最上級グレード「G Executive」が適しています。
まとめ
220系クラウンは、スポーティな外観と卓越した走行性能、そしてクラウン伝統の快適性を兼ね備えた魅力的なセダンです。
-
前期型(2018年〜)は、ダブルディスプレイを採用し、価格と性能のバランスに優れています。
-
後期型(2020年〜)は、12.3インチディスプレイと安全機能(TSS)のアップデートにより、実用性と安心感が高まっています。
-
中古車を選ぶ際は、ムーンルーフや各種パッケージ(レザーシート、アドバンスドなど)といった後付けできないオプションの有無を必ず実車で確認することが重要です。
ご自身のライフスタイルや予算、維持管理の計画と照らし合わせ、豊富な選択肢の中から最適な1台を見つけてください。
中古車をさらにおトクに買うならモビリコ!
- モビリコは中間業者を通さない個人売買のため、中間コストは大幅削減、消費税がかかりません。なので、買う人は安く買えて、売る人は高く売れます。
- 面倒な作業が多くなりがちな車の個人売買ですが、面倒な作業はすべてディーラーにお任せできます。