軽自動車を購入した翌年の5月に軽自動車税の納付書が届きますが、一体どのようなものなのか詳しくない方も少なくありません。

軽自動車税とは、簡単に言うと「税金」を指しており、軽自動車を所有する方は納税の義務があるのです。また、支払い方法や支払い期限は自治体によって異なってきますが、現金払い以外にクレジットカードやスマートフォン決済などがあります。

本記事では、軽自動車税の納付の仕方や支払い方法、そして軽自動車税に含まれている税金について詳しく紹介しているので、軽自動車税への理解を深めることができます。

さらに軽自動車税の種類によって、税金の金額も変わってくるのです。表にしてまとめているので、該当しているか確認してみてください。

 

目次

軽自動車税とは?

軽自動車税とは、地方税に含まれます。自動車を所有する方が住民票を置いている市区町村へ納める税金です。

毎年、4月1日時点で軽自動車を所持している方に自動でかかってきます。自動車以外では、原付やオートバイなどにも軽自動車税が適用されるのです。

また、軽自動車税の支払いを怠ると延滞金が発生し、車検に通せなくなります。さらに滞納が続けば督促状が届き差し押さえなどの可能性もあるため、きちんと支払いましょう。

 

軽自動車税が適用される範囲

軽自動車税が適用される範囲を表にまとめました。

種類 範囲
軽自動車
  • 四輪以上で、総排気量660cc以下
    (乗用・貨物用、営業用・自家用の区別あり)
  • 三輪で総排気量660㏄以下
    (利用目的による区別なし)
二輪軽自動車 総排気量125㏄超~250㏄以下
二輪小型自動車 総排気量250㏄超
(車検対象車両)
原付
  • 総排気量50㏄以下
  • 総排気量50㏄超~90㏄以下
  • 総排気量90㏄超~125㏄以下
  • 三輪以上で総排気量20㏄超~50㏄以下
    (ミニカー)
小型特殊自動車
  • 農耕作業用
  • その他

購入もしくは所持する自動車や二輪軽自動車が該当しているか、表を参考にしてみてください。
該当している場合は、軽自動車税の支払い義務が生じてきます。

 

支払うタイミングと納付期限は?

軽自動車税の納付書は、通常であれば4月の中旬〜5月の上旬に車検証に記載された住所へ送付されます。ただし、自治体によって届く時期には差が出てくるため注意しましょう。

納付書に記載された支払い期限は、5月末までとありますが自治体によって異なってくるので必ず確認することがおすすめです。期日までに支払えば納付完了となるため、土日祝日でも時間を問わないので自分のタイミングで支払いに行けます。

また、納付時期に軽自動車を購入する場合は、車検証の登録日を調整すると良いです。4月1日時点での所有者が納税対象となるので、4月2日以降に車検証の登録日を調整すると軽自動車税を1年分節税できます。

 

支払い方法

軽自動車税の支払い方法は自治体によって異なってきます。しかし、一般的な支払い方法は下記です。

  • 銀行
  • 郵便局
  • コンビニ
  • クレジットカード
  • 電子マネーなどのスマートフォン決済

基本的には現金払いの支払い方法になります。自治体で支払い方法も異なる場合があるため、事前に納付書を確認しておきましょう。

また自治体によって支払期限を過ぎてしまうと、クレジットカードやスマートフォン決済での支払いができなくなる可能性があります。軽自動車税の支払いは、期日に余裕を持って支払いに行きましょう。

 

軽自動車税の金額はいくら?

総務省より、平成28年から軽自動車税の税率が変更され、新しい制度が発表されています。
四輪・二輪の軽自動車税の金額は下記表です。

四輪軽自動車等についてはこちらです。

車種区分 標準税率
旧税率 新税率
三輪 3,100円 3,900円          
四輪以上 乗用 自家用 7,200円 10,800円     
営業用 5,500円 6,900円          
貨物用 自家用 4,000円 5,000円      
営業用 3,000円 3,800円     

(引用:総務省|地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わりますhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/102384.html

二輪車等についてはこちらです。

車種区分 新税率
原動機付自転車 50cc以下 2,000円
50cc超90cc以下 2,000円
90cc超125cc以下 2,400円
ミニカー 3,700円
軽二輪(125cc超250cc以下) 3,600円
小型二輪(250cc超) 6,000円

(引用:総務省|地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わりますhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/102384.html

四輪以上は乗る目的別で、二輪は総排気量によって軽自動車税の金額が変わってきます。
表を参考にして、事前に金額を把握しておきましょう。

 

軽自動車税を安く抑えるには?

基準を満たす軽自動車は軽自動車税・自動車重量税が安くなります。
軽自動車税が安くなるので、下記の利用がおすすめです。

  • エコカー減税
  • グリーン化特例

安くなる仕組みや理由を詳しく説明していきましょう。

 

エコカー減税

エコカー減税とは、燃費・排気ガス性能に優れた自動車の性能に応じて、初回車検の際などにかかる自動車重量税の倍率を減免する制度のことです。燃費が良いということは、使うガソリンが少なく済むことでもあります。

さらには二酸化炭素の排出量も減り、環境に優しいということで減税の対象となるのです。また、エコカー減税は令和5年4月末までの期限のある措置になります。

燃費基準は、令和2年度燃費基準+20%以上など、年に応じて異なるのです。

 

グリーン化特例

グリーン化特例とは、環境性能に優れている自動車を普及させるために設けられたものです。2023年3月末までに新車の登録をされた自動車の、翌年度分の自動車税を軽減する制度になります。
グリーン化特例によって軽減される税率は下記です。

対象車 内容
電気軽自動車等 税率を概ね75%軽減
H32年度燃費基準+20%達成車 税率を概ね50%軽減
H32年度燃費基準達成車 税率を概ね25%軽減

(引用:総務省|地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わりますhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/102384.html

軽減例は下記です。

車種区分 軽課
25%軽減 50%軽減 75%軽減
四輪以上 乗用 自家用 8,100円 5,400円 2,700円
営業用 5,200円 3,500円 1,800円

(引用:総務省|地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わりますhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/102384.html

グリーン化特例を利用すると金額も大きく変わってくるので、2023年3月末までに購入する方はぜひ利用しましょう。

 

13年を超えた軽自動車は税金が上がるってほんと?

軽自動車を購入した日から13年が経過した場合、自動車税や軽自動車税の税金の額が重くなります。なぜなら車の排出ガスが多くなり続け、地球環境に大きな悪影響を与えてしまうからです。

しかし、電気自動車などのエコカーは対象外になります。

13年経過した軽自動車は、ハイブリッド車を除くガソリン車・LPガス車の場合、各排気量の約15%の自動車税が上乗せされるのです。

また、13年経過した自家乗用車の軽自動車税は、12,900円と約2倍の金額を払う必要があります。さらに18年経過するとさらに税額が上がるので注意が必要です。

エコカーは増額の対象外となります。

古い軽自動車を所有する方は、愛着を持ち長く乗り続けることも素敵ですが、自動車税・軽自動車税の支払い金額が上がる前に買い替えることも検討しましょう。また、13年経過しても対象外のエコカーへの買い替えが無難です。

 

軽自動車の税金の注意点

軽自動車の税金の注意点は下記です。

  • 還付金を受け取れる
  • 滞納をした場合は延滞金が加算される
  • スマホ決済はポイント付与の対象外

どのような点に注意すればいいのか、詳しく説明していきます。

 

抹消登録時には還付金を受け取れる

抹消登録とは、廃車の意味であり抹消登録を行った場合、自動車税の還付金を受け取ることが可能です。受け取れる還付金の金額は、抹消登録を行った翌月から年度末までの月割り額となります。

年度末とは3月末を指しているので、たとえば5月に抹消登録を行うと6〜3月までの期間分の自動車税の金額を受け取れるのです。

また、基本的には軽自動車は月額課税ではないので、還付金の受取りはできません。しかしディーラーが店独自で余剰支払い分を査定金額に組み込んでくれることもあるので、確認しておくと良いでしょう。

軽自動車を廃車にすると還付金が発生する条件もお教えします。

  • 車検の残存期間が1か月以上ある
    車検の残存期間が1か月未満の場合、還付金を受け取れません。
  • 自動車リサイクル法で廃車を行う
    還付金制度は、自動車リサイクル法に基づいて廃車を行った場合と規定されています。自動車リサイクル法で行われる廃車とは、認可を受けた登録事業者により解体処理されることです。
    また、車の所有者がリサイクル料金を負担することも含まれます。車の購入時などにリサイクル料金が支払われていることをリサイクル券の所持で証明できるのです。
  • 還付手続きを行う
    還付金制度では、解体届と同時に還付申請を行う必要があります。軽自動車の場合「軽自動車検査協会窓口」で申請手続きを行えるのです。
    還付申請の手続きを忘れてしまうと、還付金の受け取りができないため注意してください。

自動車税を滞納すると延滞金が加算される

自動車税の納付をしなければ、滞納として延滞金が発生します。自動車税に加算される利率は下記です。

  • 納付期限の翌日から延滞期間が1か月未満の場合は2.4%
  • 1か月を超えた場合は8.7%

自治体からの催促に応じることなく滞納を続けた場合は、口座などの差し押さえの可能性があるので、督促状が届いた時点で早めに納付しましょう。

さらに、車検を通す際に「自動車税納付証明書」の提出を求められるので、滞納したままの場合は車検を受けられません。基本的に払い忘れがないようにしましょう。

 

自動車税のスマホ決済はポイント付与対象外が多い

自動車税の支払いは、自治体によって異なりますがスマホ決済でも可能です。しかし税金の支払いなのでスマホ決済のサービス内でポイントが付与されるわけではありません。

スマホ決済のサービスによってはポイントの付与対象となったり、一部付与などサービスによって対応が様々なので事前に確認しておくと良いでしょう。

また、スマホ決済のサービスでは納税する時期に合わせたキャンペーンも行う場合もあるため、随時サービス内で確認して情報を集めることも大切です。

 

軽自動車にかかる他の税金

軽自動車税にかかる、他の税金は下記になります。

  • 自動車重量税
  • 環境性能割
  • 消費税

詳しく説明していきます。

 

自動車重量税

自動車重量税とは、国に納める国税です。新車の購入時や車検時に、車検証の有効期間分を納付しています。

自家用車の軽自動車を購入した場合は、最初の車検までの有効期間を3年・事業用の軽自動車の場合は有効期間を2年としているのです。また、車検は継続検査にあたるので、車種を問わず有効期限は2年となるので、2年分の重量税を納めます。

 

環境性能割

環境性能割とは、自動車の燃費性能に応じて自動車を取得したときに課税される税金を指します。以前は「自動車取得税」の名前で税金が課せられていましたが、2019年10月に消費税増税に伴い廃止されたのです。

環境への負荷軽減に応じて4段階に区分されます。

  • 非課税
  • 1%
  • 2%
  • 3%

また、新車や中古車で購入した場合も、環境性能割の税率は同じですが、取得価額を算出する方法が異なり税額がかわってきます。

2021年4月1日〜2021年12月31日の間に取得した自家用乗用車は、税率が1%軽減されるのです。

軽自動車の場合、環境性能割として取得価格の0〜2%が課税されます。しかし燃費性能が良いほど税金の金額は安くなるのです。

 

消費税

2019年10月の増税に伴い、消費税率も10%に上がっています。しかし、登録車に課税されていた金額が廃止されているのです。

軽自動車には2%が自動車取得税として課税されていましたが、廃止のため支払う必要はありません。

また、軽自動車を購入した年には消費税がかかります。車両の本体価格以外にカーナビやマットなどのオプションや付属品にも課されるのです。

福祉車両に関しての車両やオプション、付属品の一部を除いて非課税の対象となります。

 

軽自動車の税金はクレジットカードで支払うべき

クレジットカードは税金を払える他に、どのような点がおすすめとなるのか、クレジットカードで支払うべきポイントを紹介していきます。

また軽自動車税の支払いにクレジットカードがおすすめの理由も合わせて解説していきましょう。

 

クレジットカードで支払うメリット

クレジットカードで支払うメリットはこちらです。

  • ポイントが貯まる
    税金でもクレジットカードのポイントがつくのでお得です。
  • いつでも支払いが可能
    現金での支払いの場合は5月末までの期限がついていますが、クレジットカードであれば24時間365日、いつでも支払いができます。ただし、引き落としが1か月後なので残高に注意が必要です。
  • 分割払いもできる
    手元にお金がない場合は、翌月以降の支払いを分割やリボ払いができるので、負担も分散できます。

現金払いとは違い、クレジットカードだけのメリットが十分にあるので、クレジットカードを所有している方はぜひ利用しましょう。

 

使えるクレジットカードの種類

基本的にはどの種類のクレジットカードでも支払いができます。ただし、支払う場所によっては取り扱っている種類が異なるので、事前に確認しておくことがおすすめです。

また、ネットで支払い手続きも行えるので、専用サイトで手続きができます。加入しているクレジットカード会社のサイトなどで、確認しておきましょう。

 

手数料とポイント還元率に注意

クレジットカードを利用する際は、手数料がかかるため軽自動車税にプラスした金額を用意しておきましょう。また、手数料は自治体によって異なりますが、手数料の基本金額は330円(税込)となります。

そして、クレジットカードのポイント還元率は一般的に0.5%です。クレジットカードを使う場合は、7万5,500円の車でなければ手数料が上回ってしまいます。

クレジットカード会社が行うキャンペーンなどによって、還元率も変わってくるのでキャンペーンを利用したり、高い還元率のクレジットカードを利用しましょう。

 

まとめ

軽自動車税について、軽自動車税の納付書の送付時期や支払い方法の種類、また注意点や軽自動車税に含まれている税金について詳しく説明しました。

軽自動車に該当する四輪や二輪を購入する場合は、車検証の登録日を調整すると大きな節税へと繋がります。また、クレジットカードで支払う場合は還元率も気にしておくと、お得に支払えるのです。

本記事を参考にして、軽自動車の購入を検討してみてくださいね。