トヨタのフラッグシップセダンであるクラウン。その中でも、専用のエクステリアやチューニングが施され、スポーティな走りとデザインを楽しめるのが「RS」シリーズです。
購入を検討する際、ベースとなる「RS」と、上級装備を備えた「RS Advance(アドバンス)」のどちらを選ぶべきか迷う方は少なくありません。本記事では、両グレードの公表スペックに基づく外装・内装・安全装備の違いに加え、購入後に直面する維持費や、中古車市場での評価(リセール)の違いを徹底的に比較します。
ご自身のライフスタイルや求める実用性に照らし合わせて、最適な一台を見つけるための参考にしてください。
目次
1. クラウンRSとRSアドバンスの基本スペックと価格差

まずは、両グレードの基本的な諸元とパワートレインの選択肢を確認します。
パワートレイン別・新車時価格と基本諸元表
クラウン(220系)のRSシリーズでは、グレードによって選択できるエンジンの種類が異なります。以下の表は、各パワートレインの基本スペックです。(※価格や数値は販売当時のメーカーカタログ公表値に基づく目安です)
| パワートレイン | 駆動方式 | クラウン RS 新車時価格帯 | クラウン RS Advance 新車時価格帯 | WLTCモード燃費 |
| 2.0L ガソリンターボ | 2WD | 約500万円~ | 約550万円~ | 12.4km/L |
| 2.5L ハイブリッド | 2WD | 約520万円~ | 約580万円~ | 20.0km/L |
| 2.5L ハイブリッド | 4WD | 約540万円~ | 約600万円~ | 18.2km/L |
| 3.5L ハイブリッド | 2WD | 設定なし | 約690万円~ | 16.0km/L |
実用面でのポイント:3.5Lハイブリッドの有無
最大の違いは、V型6気筒エンジンを搭載する「3.5L ハイブリッド」モデルが、RSアドバンスにのみ設定されている点です。より高い動力性能と余裕のある走りを求める場合は、必然的にRSアドバンスの3.5Lモデルが選択肢となります。
一方で、日々の燃料代など維持費と環境性能のバランスに優れる2.5Lハイブリッドや、軽快な吹け上がりが特徴の2.0Lガソリンターボは、両グレードで選択可能です。
2. 【外装・エクステリア】デザインと装備の違い

RSとRSアドバンスのエクステリア(外観)は、スポーティな専用エアロバンパーや4本出しエキゾーストテールパイプなど、基本的な造形は共通しています。違いは細部の加飾にあります。
エクステリア装備比較表
| 装備項目 | クラウン RS | クラウン RS Advance | 違いの解説 |
| アルミホイール | 18インチ | 18インチ | サイズ・デザインは共通(専用スパッタリング塗装) |
| ヘッドランプ | 3眼LEDヘッドランプ | 3眼LEDヘッドランプ | 両グレードともに標準装備。夜間の視認性を確保。 |
| シーケンシャルターンランプ | フロント・リア標準装備 | フロント・リア標準装備 | いわゆる「流れるウインカー」。両グレード共通。 |
| ドア外側ハンドル | カラード(ボディ同色) | メッキ加飾 | アドバンスはメッキ加飾が施され、高級感が向上。 |
| アウトサイドドアハンドル照明 | 非設定 | 標準装備 | アドバンスは夜間の乗降時に足元を照らす照明付き。 |
エクステリアの実用的な違い
外観上の大きな違いは「ドアハンドルのメッキ加飾」程度であり、どちらを選んでもRS特有のスタイリッシュな外観を楽しむことができます。洗車やボディコーティングのメンテナンス手間に関しても、両グレードで大きな差はありません。夜間に車を利用する機会が多い方は、ドアハンドル照明があるRSアドバンスの方が利便性を感じやすいでしょう。
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3. 【内装・インテリア】質感と快適装備の違い


グレード間の価格差(約50万〜60万円)が最も大きく表れるのが、インテリアの素材と快適装備です。
インテリア・シート装備比較表
| 装備項目 | クラウン RS | クラウン RS Advance |
| シート表皮 | ファブリック+合成皮革 | 本革 |
| 前席シートベンチレーション | 非設定 | 標準装備 |
| 後席シートヒーター | 非設定 | 標準装備 |
| ステアリングヒーター | 非設定 | 標準装備 |
| インテリアオーナメント | ジオメトリックパターン | カーボン調 / 幾何学柄など |
| 助手席肩口パワーシートスイッチ | 非設定 | 標準装備 |
内装の実用的な違いとメンテナンス
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シート表皮の違いと手入れ:
RSのファブリックシートは通気性に優れ、温度変化に強い特性があります。日常的な清掃は掃除機掛けがメインとなり、手軽に維持管理が可能です。一方、RSアドバンスの本革シートは高級感がある反面、長期間放置すると乾燥によるひび割れや色移りが発生する留意点があります。実用的な対策として、数ヶ月に一度、自動車用の本革専用クリーナーと保湿クリームを使用したケアを行うことで、しなやかな質感を長く保つことができます。
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空調・快適装備の実用性:
RSアドバンスは、夏場に背中や蒸れを防ぐ「シートベンチレーション(前席)」や、冬場に嬉しい「ステアリングヒーター」「後席シートヒーター」が標準装備されています。特に後部座席に家族やゲストを乗せる機会が多い方にとって、後席シートヒーターの実用性は高く、同乗者の快適性に大きく寄与します。
4. 【安全・先進機能】駐車支援と安全装備の違い
先進安全パッケージ「Toyota Safety Sense」の基本機能(プリクラッシュセーフティ、レーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロール等)は両グレードに標準装備されていますが、運転をサポートする周辺機能に違いがあります。
先進機能・安全装備比較表
| 装備項目 | クラウン RS | クラウン RS Advance |
| ブラインドスポットモニター | オプション設定 | 標準装備 |
| パーキングサポートブレーキ(後方接近車両) | オプション設定 | 標準装備 |
| カラーヘッドアップディスプレイ | 非設定またはオプション | 標準装備 |
| パノラミックビューモニター | オプション設定 | 標準装備 |
| インナーミラー | 自動防眩インナーミラー | デジタルインナーミラー |
駐車支援機能と運転サポートの実用性
クラウンは全長約4,910mm、全幅約1,800mmという堂々たるボディサイズを持ちます。そのため、車両の周囲を上から見下ろしたような映像を表示する「パノラミックビューモニター」や、車線変更時に死角の車両を検知する「ブラインドスポットモニター」が標準化されているRSアドバンスは、狭い駐車場での取り回しや日常的な運転において、実用上の安心感が一段と高まります。
RSグレードでもオプションで追加可能な機能が多いですが、中古車を探す際は、これらのオプションが装着されているか個別に確認する必要があります。
5. 維持費とメンテナンスから見る違い

ここからは、購入後に長く乗り続けるための「維持費」の観点から両グレードを比較します。
年間の自動車税比較表(2026年時点の制度に基づく目安)
| エンジン排気量 | 自動車税(年額目安) | 搭載グレード |
| 2.0Lターボ (1,998cc) | 36,000円 | RS / RS Advance |
| 2.5Lハイブリッド (2,487cc) | 43,500円 | RS / RS Advance |
| 3.5Lハイブリッド (3,456cc) | 57,000円 | RS Advanceのみ |
維持費の面では、グレードの違い(RSかRSアドバンスか)よりも、選択するエンジンの排気量によって自動車税が決まります。3.5Lハイブリッドを選択した場合、自動車税の負担は2.0Lや2.5Lモデルよりも高くなります。
タイヤサイズと消耗品コスト
両グレードともに「18インチアルミホイール」を採用しており、指定のタイヤサイズ(225/45R18)は共通です。したがって、消耗品であるタイヤの交換費用については、RSとRSアドバンスで差はありません。メーカーの指定空気圧を守り、定期的な空気圧点検とローテーションを行うことが、タイヤの偏摩耗を防ぎ、寿命を延ばす実用的なメンテナンスとなります。
6. クラウンRSとRSアドバンスの中古市場での評価

車の乗り換えを視野に入れる際、将来の売却額(リセールバリュー)を気にする方も多いでしょう。ここでは、一般的な中古車市場におけるクラウンRSシリーズの評価傾向を事実に基づいて解説します。
両グレードのリセール傾向と要因
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全体的な傾向:
クラウンのスポーティグレードである「RS」シリーズは、標準の「G」や「S」グレードと比較して、専用のエクステリアデザインが評価されやすく、中古市場でも人気が安定している傾向があります。
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RSとRSアドバンスの差:
本革シートやパノラミックビューモニターなどの高級装備・安全装備が充実している「RSアドバンス」は、中古車を探すユーザーからの需要も高く、ベースの「RS」よりも査定時の評価が高くなりやすい傾向にあります。特に、サンルーフ(ムーンルーフ)付きの車両は市場での引き合いが強い要素の一つです。
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注意点: 将来の売却額は、売却時の市場の動向、車両の状態(走行距離、修復歴の有無、内外装の綺麗さ)、ボディカラーなどにより大きく変動します。したがって、特定のグレードを選べば将来の買取額が保証されるものではありません。あくまで「装備が充実しているグレードの方が、次の中古車購入者からの人気を集めやすい」という事実としてご認識ください。
7. 用途別・クラウンRSとRSアドバンスの選び方
優劣をつけるものではなく、それぞれの公表スペックと装備内容から、ご自身の用途に合ったグレードをご検討ください。
- クラウン RSが適している用途
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車両本体価格を抑えつつ、RSのスポーティな走りを楽しみたい方。
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先進安全装備(パノラミックビューモニターなど)は、自分が必要とするものだけをオプションで選別し、初期費用を調整したい方。
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本革シートの定期的な保湿ケアなどのメンテナンス手間を省き、手軽に扱えるファブリック調シートを好む方。
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- クラウン RS Advanceが適している用途
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後席を含めた同乗者の快適性を重視する方(後席シートヒーターの活用など)。
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駐車時の取り回しや車線変更をサポートするパノラミックビューモニター、ブラインドスポットモニターなどの先進装備を、最初から全て完備しておきたい方。
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3.5Lハイブリッドの圧倒的な動力性能を求める方(3.5LはRSアドバンスのみの設定)。
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8. まとめ
クラウンRSとRSアドバンスの最大の違いは、「内装の快適装備(本革シート・ヒーター類等)」、「先進安全・駐車支援機能の標準化」、そして「3.5Lハイブリッドの選択可否」にあります。
外観上のスポーティさや基本的な走行性能、そしてタイヤ等の消耗品にかかる基本的なメンテナンス費用に大きな違いはありません。日々の運転で駐車支援機能をどの程度重視するか、同乗者の快適性をどこまで追求するか、実用的な観点からご自身に合った一台をご選択ください。
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