2015年から2022年まで販売されたトヨタの「50系プリウス」。低燃費と走行安定性を兼ね備えた大ヒットモデルであり、現在の中古車市場でも非常に人気の高い車種です。

50系プリウスの購入を検討する際、多くの方が直面するのが「前期型(2015年12月〜2018年12月)」と「後期型(2018年12月〜2022年12月)」の違いです。

デザインの変更はもちろんのこと、内装の質感、安全装備の進化、コネクティッド機能の有無、カスタマイズパーツなど、多岐にわたる変更が行われました。

本記事では、50系プリウスの前期型と後期型の違いについて、外装・内装・安全装備・オプション(モデリスタ)・燃費・維持費・グレード構成に分けて詳細に比較解説します。

目次

50系プリウス前期型・後期型の基本情報と主な違い一覧

まずは、50系プリウスの前期型と後期型の基本的な販売期間やモデルチェンジの概要を整理します。

50系プリウスの基本モデル情報

項目 前期型(1期) 後期型(2期)
販売期間 2015年12月 〜 2018年12月 2018年12月 〜 2022年12月
プラットフォーム TNGA(GA-Cプラットフォーム) TNGA(GA-Cプラットフォーム)
全高・全幅・全長 全長 4,540mm × 全幅 1,760mm × 全高 1,470〜1,475mm 全長 4,575mm × 全幅 1,760mm × 全高 1,470〜1,475mm
乗車定員 5名 5名
駆動方式 2WD(FF) / E-Four(電気式4WD) 2WD(FF) / E-Four(電気式4WD)
通信機能 オプション設定 DCM(専用通信機)全車標準装備

2018年12月に行われたマイナーチェンジにより、全長が35mm延伸し、内外装デザインの刷新と安全装備の標準化、コネクティッドサービスの強化が実施されました。

外装(エクステリア)の違い

50系プリウスのマイナーチェンジにおいて、最も大きな変更点の一つが外装(エクステリア)デザインです。前期型と後期型では、フロントマスクやランプ類の形状が大きく異なり、車体全体の印象が変わっています。

外装デザインの変更点比較

構成部位 前期型(2015年12月〜2018年12月) 後期型(2018年12月〜2022年12月)
フロントマスク 鋭く突き出たノーズと独特の三角形フォグランプカバー ワイド感と低重心を強調した落ち着きのあるデザイン
ヘッドランプ 縦方向にシャープに伸びる個性的なLEDヘッドランプ 横方向に伸びるクリーンな薄型Bi-Beam LEDヘッドランプ
リアコンビネーションランプ 縦長に長く伸びる個性的なLEDリアランプ 横基調に広がるグラフィックのLEDリアランプ
フロントバンパー 複雑な造形のエアロダイナミクス形状 上下グリルが統合された水平基調のデザイン
アルミホイール 15インチ・17インチともに幾何学的なツートンデザイン 17インチは樹脂加飾を施したチタン調のスポーティデザインに変更
ボディカラー設定 サーモテクトライムグリーン等、先進性を強調 グレイッシュブルーやブルーメタリック等、落ち着いた色彩を追加

1. フロントデザインとヘッドランプ

(※画像 左側は前期 右側は後期)

前期型は、歌舞伎の隈取りを連想させるような個性的でアグレッシブなフロントデザインを採用していました。先進性を強く主張するスタイリングが特徴です。

一方、後期型では万人に親しみやすい上質なデザインへと変更されました。ヘッドランプは薄型で横方向へ広がる形状に変更され、グリルやバンパー周りもワイド&ローの着地感を強調した仕上がりとなっています。

2. リアデザインとリアコンビネーションランプ

(※画像 左側は前期 右側は後期)

前期型のリアコンビネーションランプは、バンパー下部まで縦に長く伸びる独特の形状をしており、夜間の遠目からでもプリウスと一目でわかる存在感がありました。

後期型では、縦長のグラフィックから横基調のクリーンなデザインに変更されました。テールランプの光り方も滑らかになり、全体のまとまり感と洗練された雰囲気が高められています。

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内装(インテリア)の違い

(※画像 左側は前期 右側は後期)

内装(インテリア)においても、使い勝手や質感の面で前期型から後期型にかけて大きな見直しが行われました。

内装インテリアの変更点比較

構成部位 前期型 後期型
センターコンソール ホワイト加飾(ホワイトパール風のパーツ) ブラック加飾を中心に変更し、上質感を向上
ステアリングホイール ホワイトの飾りが施されたアッパー加飾 ブラック基調の統一感あるデザインへ変更
シート表皮・カラー ファブリック/合成皮革(ホワイト・ブラック) ファブリック/合成皮革(ブラック・クールグレー)
おくだけ充電(Qi) トレイサイズがやや小型 大型化されたスマートフォンに対応したトレイに変更
ナビゲーション画面 7インチ・9インチ(販売店装着オプション)等 11.6インチT-Connect SDナビゲーションを上級グレードに設定
エアコン吹き出し口 ホワイトのアクセントライン メッキやブラックを基調とした質感高い仕上げ

1. 加飾パネルのカラーリング変更

前期型の最大の特徴は、センターコンソール周りやステアリング下部に配された「ホワイト加飾」です。先進的で清潔感のあるインパネデザインを目指して導入されました。

後期型では、このホワイト加飾が廃止またはブラック加飾へと変更されました。ピアノブラック調のパーツやソフトパッドを多用することで、落ち着きのある上質な室内空間を演出しています。

2. 快適装備と操作性の進化

後期型では、センターコンソールの「おくだけ充電(Qi)」スペースが拡大され、大型のスマートフォンでもスムーズに置けるよう改善されました。また、シートヒーターのスイッチ位置が見直されるなど、日常の使い勝手を高める細かな改良が施されています。

安全装備とコネクティッド機能の違い

安全装備および運転支援システム(Toyota Safety Sense)の性能や全車標準化の範囲も、前期型と後期型を比較する上で重要なポイントです。

安全装備・コネクティッド機能の比較表

装備機能 前期型(2015年12月〜2018年12月) 後期型(2018年12月〜2022年12月)
Toyota Safety Sense

Toyota Safety Sense P

 

(一部グレードに標準装備/EやSはオプションまたは未設定)

第2世代 Toyota Safety Sense

 

(全車に標準装備)

プリクラッシュセーフティ 歩行者(昼間)+車両検知 歩行者(昼夜)+自転車運転者(昼間)+車両検知
レーントレーシングアシスト(LTA) レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御付) ステアリング制御+車線維持アシスト(LTA)に進化
ロードサインアシスト(RSA) 未搭載 標準装備(標識をカメラで認識しディスプレイ表示)
リヤクロストラフィックアラート(RCTA) 一部グレードにオプション 一部グレードに設定(安全確認をサポート)
DCM(専用通信機) 一部メーカーオプション 全車標準装備(T-Connectサービスに対応)

1. Toyota Safety Senseの進化と標準装備化

前期型では予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense P」が上位グレード(A、Aプレミアム)に標準装備され、ベースグレード(E、S)ではオプション設定または非装着でした。

一方、後期型では「第2世代 Toyota Safety Sense」が全グレードに標準装備となりました。

  • 検知対象の拡大: 昼間の自転車運転者や、夜間の歩行者も検知可能となりました。

  • レーントレーシングアシスト(LTA): 高速道路などで車線の中央を走行するようステアリング操作を支援する機能が追加・強化されました。

  • ロードサインアシスト(RSA): 道路標識をカメラで読み取り、マルチインフォメーションディスプレイに表示する機能が搭載されました。

2. DCM(専用通信機)の全車標準化

後期型では、車載通信機「DCM」が全車に標準装備されました。これにより、以下のコネクティッドサービスが利用可能になりました(※契約や対応ナビが必要)。

  • ヘルプネット(エアバッグ連動タイプ): 万が一の事故時に専門のオペレーターや警察・消防へ自動通報。

  • T-Connectナビ連携: リアルタイムの交通情報に基づいた最適なルート案内。

  • マイカーサーチ: スマートフォンアプリから車のドアロック確認や位置情報の把握が可能。

オプション・モデリスタ(MODELLISTA)エアロの違い

プリウスのカスタマイズとして絶大な人気を誇る「モデリスタ(MODELLISTA)」や「TRD」のエアロパーツセットも、前期型と後期型でデザインラインナップが刷新されています。

前期型と後期型ではベース車両のヘッドランプやバンパー形状が異なるため、エアロパーツの互換性はありません。

モデリスタ エアロラインナップ比較

モデル 主なモデリスタ エアロキット デザインの特徴
前期型 UP-GRADE STYLE メッキ加飾を多用し、先進性と高級感を高めたスタイリング
ICONIC STYLE LEDイルミネーションを配し、先進的な未来感を強調したデザイン
後期型 ICONIC STYLE 先進的なLEDの輝きと、エッジの効いた造形で存在感をアピール
ELEGANT ICE STYLE シャープなラインと洗練された雰囲気を兼ね備えたスタイリッシュデザイン

1. 前期型モデリスタの特徴

前期型のモデリスタエアロは、独特のフロントマスクを引き締める効果があり、縦長リアランプとのバランスを考慮した造形が特徴です。「ICONIC STYLE」に採用されたブルーやホワイトのLEDイルミネーションは、夜間の存在感を高めるアイテムとして好評を博しました。

2. 後期型モデリスタの特徴

後期型のモデリスタエアロは、横基調になった車幅感をさらに引き立たせるロアラインのデザインが特徴です。「ELEGANT ICE STYLE」では、クロームメッキの加飾パーツをポイントに配置し、派手すぎず上品なカスタムを楽しめるデザインとなっています。

燃費性能と走行スペックの違い

エコカー減税対象

プリウスの代名詞である燃費性能についても比較します。50系プリウスは前期型・後期型ともに非常に高い環境性能を誇ります。

カタログ燃費と計測モードの比較

項目 前期型(2015年12月〜2018年12月) 後期型(2018年12月〜2022年12月)
計測モード JC08モード JC08モード / WLTCモード(2020年〜全車導入)
最高カタログ燃費(Eグレード・2WD) 40.8 km/L(JC08モード) 32.1 km/L(WLTCモード)/ 39.0 km/L(JC08モード)
主力グレード(S / A・2WD) 37.2 km/L(JC08モード) 30.8 km/L(WLTCモード)/ 37.2 km/L(JC08モード)
E-Four(4WD)モデル 34.0 km/L(JC08モード) 28.3 km/L(WLTCモード)/ 34.0 km/L(JC08モード)
エンジン型式 2ZR-FXE(1.8L 直列4気筒 DOHC) 2ZR-FXE(1.8L 直列4気筒 DOHC)
システム最高出力 90kW(122PS) 90kW(122PS)

燃費表記に関する注意点

前期型と後期型のカタログ燃費数値を比較する際、燃費測定モードの違いに注意が必要です。

  • 前期型: 主に「JC08モード」表記。

  • 後期型: より実走行に近い国際基準の「WLTCモード」表記が導入されています。

同じ走行条件・パワートレインを採用しているため、前期型と後期型で実燃費に大きな差はありません。日常的な走行での実燃費目安は、2WDモデルで22.0km/L 〜 26.0km/L程度、E-Four(4WD)モデルで20.0km/L 〜 24.0km/L程度となります(※走行環境・ドライブパターンにより変化します)。

維持費の比較(自動車税・重量税・車検・保険料)

ガソリンスタンド

50系プリウスの前期型と後期型で、年間の維持費にどのような違いが出るかをシミュレーションします。

年間維持費の項目別比較(目安)

維持費項目 前期型(中古購入・年式経過車) 後期型(中古購入・年次浅め) 条件・備考
自動車税(種別割) 年額 36,000円 年額 36,000円 1.8L排気量(1.5L超〜2.0L以下)※2019年10月以降登録車は30,500円
自動車重量税 年額 7,500円(エコカー減税適用) 年額 7,500円(エコカー減税適用) 初度登録からの経過年数・減税区分により変動あり
自賠責保険料 年額 約12,000円(24ヶ月契約換算) 年額 約12,000円(24ヶ月契約換算) 離島・一部地域を除く一律設定
任意保険料 年額 約50,000円 〜 80,000円 年額 約45,000円 〜 75,000円 車両保険の有無や安全装備割引(TSS標準装備による)の適用有無
ガソリン代 年間 約60,000円 年間 約60,000円 年間10,000km走行、ガソリン単価170円/L、実燃費23km/Lで計算
車検費用 年額 換算 約35,000円 〜 50,000円 年額 換算 約30,000円 〜 45,000円 消耗品交換費用(タイヤ・補機バッテリー等)の発生時期の差
年間維持費の合計目安 約 200,500円 〜 243,000円 約 190,500円 〜 228,500円

1. 税金関係(自動車税・重量税)

排気量は前後期ともに1,797cc(1.8L)であるため、毎年の自動車税(種別割)は同等クラスです。ただし、2019年10月1日以降に初回新車登録された後期型車両の場合、税制改正により自動車税が年額30,500円(従来より5,500円減額)が適用されます。

2. 消耗品とメンテナンスコスト

維持費の差として現れやすいのが、車齢経過に伴うメンテナンス費用です。

  • 補機バッテリー(12V): 3〜5年周期での交換が必要であり、ハイブリッド専用バッテリー(AGMバッテリー)のため交換費用が通常のガソリン車よりやや高額になります。

  • 駆動用メインバッテリー: 50系プリウスではリチウムイオン電池(一部グレードはニッケル水素電池)が採用されており、耐久性は大幅に向上していますが、走行距離15万kmオーバーの多走行車を検討する際は状態の確認が推奨されます。

  • タイヤ交換: 17インチタイヤ(Touring Selection系)は、15インチタイヤ(標準グレード)と比較して交換費用が高くなる傾向があります。

50系プリウスのグレード構成と特徴

50系プリウスのグレード体系は、前期・後期共通で基本的に「E」「S」「A」「Aプレミアム」の4種類で構成されています。

グレード構成一覧表

グレード 駆動方式 主な特徴・装備内容
E 2WD 燃費追求型のビジネス・エントリーモデル。軽量化のため燃料タンク容量が小(38L)。
S 2WD / E-Four 装備と価格のバランスが優れた一番人気の量販ベーシックグレード。
S “ツーリングセレクション” 2WD / E-Four Sグレードに17インチアルミホイール、リアバンパー加飾、合成皮革シート等を施したスポーティモデル。
A 2WD / E-Four 快適・安全装備を充実させた上級モデル。ブラインドスポットモニター(BSM)等を標準設定。
A “ツーリングセレクション” 2WD / E-Four Aグレードの上質感に17インチスポーティ装備を加えた高機能モデル。
Aプレミアム 2WD / E-Four 本革シート、ナノイー、運転席8WAYパワーシート等を備えた最上級プレステージモデル。
Aプレミアム “ツーリングセレクション” 2WD / E-Four 最上級の室内快適性と17インチ足回りを融合した50系プリウスのフラッグシップ。

特別仕様車の登場(後期型)

後期型では、スタイリッシュな内外装に仕立てた特別仕様車がリリースされました。

  • S “Safety Plus II”: 安全装備を強化した特別仕様モデル。

  • S “Black Edition” / A “Black Edition”: 17インチアルミホイールやインパネ、ブラック加飾の専用パーツを身にまとった特別仕様車。

前期型と後期型、それぞれどんな人におすすめ?

ここまでの比較を踏まえ、前期型と後期型のどちらを選ぶべきか、条件別の選び方をまとめました。

前期型がおすすめな方

【前期型が適している条件】

・購入時の中古車車両本体価格

・初期費用をできるだけ抑えたい

・個性的なフロントマスクや縦型リアコンビネーションランプのデザインが好き

・先進的な雰囲気を演出するホワイト加飾のインテリアを気に入っている

前期型は、後期型に比べて中古車市場での流通数が多く、予算を抑えて状態の整った車両を探しやすい点が魅力です。デザインにこだわりがあり、初期費用を低く抑えたい方に魅力的な選択肢となります。

後期型がおすすめな方

【後期型が適している条件】

・最新の予防安全性能(第2世代 Toyota Safety Sense)を標準で享受したい

・落ち着いた質感の高いブラック基調のインテリアや洗練された外装を好む

・コネクティッドサービス(DCM)を利用したい

・年式が新しく、消耗パーツの交換リスクが低い車両に乗りたい

後期型は、デザインの満足感だけでなく、夜間歩行者対応の予防安全性能やコネクティッド機能など、日常の安全性・安心感が大きく向上しています。長く安心して乗り続けたい方に適しています。

まとめ:違いを理解して最適な50系プリウスを選ぼう

50系プリウスの前期型と後期型の違いについて、ポイントを整理します。

まとめ一覧

  1. 外装デザイン: 前期型はアグレッシブで個性的なスタイリング、後期型は横基調で洗練されたマイルドなデザイン。

  2. 内装デザイン: 前期型はホワイト加飾で先進性をアピール、後期型はブラック加飾を中心に上質感を高めた構成。

  3. 安全性能: 前期型はTSS Pが一部設定、後期型は歩行者・自転車検知性能が高まった第2世代TSSを全車標準装備。

  4. コネクティッド: 後期型はDCM(専用通信機)を全車標準装備し、安心のネットワーク機能に対応。

  5. 燃費・維持費: 実燃費や毎年の維持費に大きな差はないが、後期型の一部(2019年10月以降登録)は自動車税の引き下げ対象。

デザインの好みや予算のバランス、必要な安全装備のレベルを考慮しながら、ご自身のカーライフに合った1台を選んでみてください。

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