2000年から着用が義務化されたチャイルドシート。何歳まで着用が義務化されているかご存知ですか?違反した場合に罰則はあるのでしょうか。

チャイルドシートは、6歳未満の子どもに着用が義務付けられています。ただし、身長が低いとシートベルトを正しく着用できず安全に乗車できないため、6歳を過ぎても身長が140cmに満たない場合は、着用するのがおすすめです。

この記事では、チャイルドシートの着用年齢や種類、違反した場合の罰則について詳しく解説していきます。大事な子どもの命を守るためにも、チャイルドシートの種類や選び方についてチェックしてみてください。

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目次

チャイルドシート着用は何歳まで?

チャイルドシートは何歳まで着用しなければならないのでしょうか。

ここでは、道路交通法で定められている年齢や罰則・シートベルトの想定身長について紹介していきます。

道路交通法での義務付け年齢

道路交通法では、6歳未満の幼児を車に乗せる際はチャイルドシート、もしくはジュニアシートの使用が義務付けられています。

2000年の道路交通法改正により定められたため、それ以前から車に乗っている方には馴染みのない方もいるでしょう。お子さまの安全を守るためにも、6歳未満の幼児にはチャイルドシートを着用させましょう。

シートベルトの想定身長は140cm以上

シートベルトは、身長140cm以上を想定して設計されています。そのため、6歳を超える場合でも身長が140cmに満たないのであれば、チャイルドシートやジュニアシートを着用させるのが安心です。

エアバッグやシートベルトなどを搭載し、衝突事故が起こった際の被害を少しでも軽減させようと、多くのメーカーが努力を続けています。
しかし、140cm以下の身長では、シートベルトを着用していても、エアバッグが作動しても、十分な安全を確保できません。

6歳になったからチャイルドシートを外すのではなく、シートベルトを着用できる身長になったらチャイルドシートを卒業するという認識でいるほうが安全です。

シートベルトは140cm以上の方に設定して作られているため、身長が満たない方は、何かしらの方法で補うことが必要です。6歳以降になっても身長が140cmに満たない子どもには、ジュニアシートを検討してみましょう。

罰則はある?

チャイルドシートの着用義務に違反したドライバーには、罰則や罰金・反則金は科せられません。

チャイルドシートの着用義務に違反した場合には、違反点数が1点加算されます。幼児用補助装置使用義務違反に該当するためです。

反則金がないため、チャイルドシートの義務化を気軽に考える方もいるかもしれませんが、お子さまの命を守るためにも規則は守りましょう。

チャイルドシートの種類

チャイルドシートは大きくわけて

  • ベビーシート(乳児用)
  • チャイルドシート(幼児用)
  • ジュニアシート(学童用)

の3種類です。

10歳までが対象のジュニアシートは、100cm以上の子どもが着用できます。このように、それぞれのシートには適した年齢や身長・体重があるため、適切なシートを選ぶのが大切です。

ここでは、それぞれのシートの特徴や対象年齢などを詳しく紹介していきます。

乳児用ベビーシート

ベビーシートは、体重13kg未満・身長70cm以下の新生児〜1歳ほどの乳児が対象です。

ベビーシートとチャイルドシートが兼用できる商品もありますが、ベビーシートとして利用する場合は座席に対して後ろ向きに取り付けてください。

乳児は頭が重く首の骨が未発達なので、前向きに乗車した状態で衝撃を受けると、身体や首へ負担がかかり怪我をする恐れがあります。

後ろ向きに座らせれば、衝撃を背中で受け止めて分散させ、怪我のリスクを減らすことが可能です。

付け替えが面倒な方は、レバーで回転させて前後を変えられる回転式タイプのシートがおすすめです。

幼児用チャイルドシート

チャイルドシートは体重9〜18kg・身長65〜100cmの1歳〜4歳ほどの幼児が対象です。

1歳を過ぎ、腰や首がすわって自分で座れるようになってから使用しましょう。よく動く子どもの場合、しっかりベルトを付けていないと自力で抜け出してしまう可能性があります。

ベルトは子どもの腰の高さに合わせ、しっかり固定するようにしましょう。

学童用ジュニアシート

ジュニアシートは、体重15〜36kg・身長135cm以下の4〜10歳ほどの学童が対象です。6歳以上で身長が140cm未満の子どもは、ジュニアシートを利用しましょう。

ジュニアシートは、シートベルトを正しく安全に着用できるよう、足りない身長を補うことを目的にして作られました。座高を上げ、腰ベルトの位置が子どもの臀部に合うようになっています。

身体をホールドするサイドサポートや、側面の衝撃から頭部を守るサイドヘッドレストなどを搭載しているシートなど種類も豊富です。

また、成長に合わせて高さを調整できたりシートバックを取り外しできたりと、長期間使用できる設計のモデルも存在します。

1〜2万円ほどで機能性が高いシートを購入できるので、ぜひ検討してみてください。

ブースターシートと呼ばれる背もたれがない形状で、座席に載せる椅子のようなタイプもあります。コンパクトで取り外しが楽なうえ、リクライニングも使用できるのがメリットです。

しかし頭部を守れる形状ではないため、6歳未満のお子さまに使用するのはおすすめしません。成長に合わせて背もたれが取り外せるタイプのものもあります。

チャイルドシートの選び方

子どもの安全を守るためには、子どもに合ったチャイルドシートを選ぶのが大切です。安全なチャイルドシートを選ぶには、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。

ここでは、チャイルドシートの選び方を紹介していきます。子どもに合ったチャイルドシートが選べるよう、参考にしてみてください。

対象年齢・身長・体重

前述の通り、チャイルドシートは3種類あり、年齢や身長によって使い分ける必要があります。子どもの成長に合わせて、適したチャイルドシートを選ぶようにしましょう。

チャイルドシートの対象年齢・身長・体重をチェックし、現状の体格に合ったものを選んでください。成長を見越して大きめのものを購入したり、成長しても小さいサイズのものを使用したりするのは危険ですので避けましょう。

新生児から身長が140cmになるまで、3種類のシートを買い替え続けるのが難しい場合は、レンタルを利用するのもおすすめ。レンタル相場は1週間で3,000円~4,000円ほどです。

また、自治体によっては補助金が出る場合や割引レンタル・リサイクルを行っている地域もあります。

年齢や身長に合わせてサイズが変更できたりパーツを付け替えたりでき、長期間使用可能になっているモデルも販売されているため、そちらの購入も検討してみてください。

シートタイプ

チャイルドシートには、回転式と固定式の2種類のシートタイプがあります。

回転式は座席部分が回転し方向転換できるのが特徴です。乗り降りやお世話がしやすいため、車内が狭い軽自動車やコンパクトカーなどにおすすめです。

また、乳児から幼児になるタイミングで、座席の向きを変えなければならなくても取り外す必要がなく、回転するだけで切り替えできます。固定式に比べると本体サイズが大きく、車内が狭くなることや、扱いにくいのがデメリットです。

固定式は座席部分が固定されているため、回転できません。

安全性能

安全性能をチェックするには、Eマークの有無を確認してください。Eマークとは国が定めた安全基準をクリアしているマークです。Eマークの丸の中に書いてある数字は認可をとった国の番号で、日本で認可を取った場合は43と記載されます。

また、Eマークの上に記載されている英数字は安全基準の名称です。前方または後方からの衝突試験をクリアした製品にはECE R44が、前方・後方・側面からの衝突試験にクリアした製品にはECE R129と表示されています。

中古や古いチャイルドシートには、自マークがついている場合があります。このマークは2012年6月30日以前に製造されており、安全基準が古いものなので気を付けてください。

快適性・機能性

子どもが座っても不快にならないよう、快適性や機能性も選ぶポイントです。クッション性・通気性・リクライニング機能などをチェックしましょう。

子どもは体温調整が苦手なため、通気性の悪いシートに長時間座っていると汗をかいて蒸れてしまう可能性があります。夏場など熱気を帯びたシートに座ると汗をかく場合もあるため、吸水速乾性に優れたシートもおすすめです。

また、カバーを外して洗えるものなら、子どもが食べ物や飲み物をこぼしても洗いやすいため衛生的にも良いでしょう。

シートの取り付け方法

シートのタイプによっては自分の車に設置できない可能性もあるため、購入前にチェックしておきましょう。

シートのタイプは、主にシートベルト固定タイプとISOFIX(アイソフィックス)タイプの2種類です。自身の車がISOFIX対応車であればISOFIXタイプを、そうでなければシートベルト固定タイプを選びましょう。ISOFIXは専用金具が付いた車でないと取り付けることができません。

ISOFIXタイプは、シートベルトを使用せず、チャイルドシートの金属製バーコネクターを車両の金具に差し込んで設置します。取り付けが簡単で、適切に設置できているかもインジケータ―で確認可能です。

2012年以降に製造されたチャイルドシートは、ISOFIXの取り付け装置を標準装備することが義務付けられました。それにともない、それ以降に販売された車はISOFIX対応車となっています。

シートベルトに固定するタイプのシートは正しい取り付けが難しく、安全性が補償されない可能性もあります。安全性を確保するためには、ISOFIXタイプのシートがおすすめです。

チャイルドシートの着用が免除されるケースとは

6歳未満の用事が義務化されているチャイルドシートの着用ですが、免除されるケースもあります。判断に迷った場合は、警察署などに確認するのがおすすめです。

子どもがチャイルドシートを嫌がる場合は、着用免除の対象にはなりません。また、ジュニアシートの代わりにクッションや座布団で高さを出すのもやめましょう。不安定で座席からズレる可能性があるため危険です。

では、どんな場合にチャイルドシート着用は免除されるのでしょうか?道路交通法施行令第26条3の2の第3項で定められている、着用が免除されるケースは以下の通りです。

いざというときに役立つ可能性もあるので、それぞれ詳しく紹介していきます。

チャイルドシートを固定できない場合とは

チャイルドシートを固定できない場合は、着用義務は免除されます。

チャイルドシートを固定できない場合とは、座席にシートベルトが付いていない・シートベルトが特殊(2点式・4点式)などのケースです。

たとえば、幼稚園の送迎バスなどは着用義務が免除されます。座席がそもそも幼児用に設計されているため、チャイルドシートを固定できないことが理由です。

ただし、座席が一般車仕様になっておりチャイルドシートが固定できる場合は、免除の対象にはなりません。

チャイルドシートを使用すると全員が乗車できなくなる場合とは

乗車定員内で、チャイルドシートを使用すると全員が乗車できなくなる場合に着用義務は免除されます。

子どもの乗車定員は、12歳未満の子ども1.5人で大人1人分の計算です。つまり、8人乗りの車に大人が2人乗った場合の子どもの定員は9人となります。実質11人乗車していることになり、子どもが6歳未満でもチャイルドシートを設置すると全員の乗車は困難になるでしょう。

このようなケースでは、チャイルドシートの設置は免除されます。ただし、子どもが多く安全な走行が難しくなる場合は、人数の調整を検討することをおすすめします。

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病気や怪我に悪影響が出る場合

病気や怪我が理由で、チャイルドシートを着用すると健康に悪影響が出てしまう場合は、免除されます。

体型が理由で適切に利用できない場合

肥満など、身体の状態が理由でチャイルドシートを適切に利用できない場合、着用義務は免除されます。身長が理由でサイズが合わないなら、ジュニアシートの利用を検討してみましょう。

授乳など乳幼児の世話ができない場合

同乗者が授乳やおむつ替えなど、チャイルドシートを着用したままではできない乳幼児の世話をする場合、着用義務は免除されます。

ただし、チャイルドシートを着用したままではできないお世話をする際は、停車して行う方が安全です。

バス・タクシーに乗る場合

バスやタクシーでは、チャイルドシートの着用は免除されます。

緊急時の場合

病気や怪我で病院に向かう場合や、迷子を保護した場合は、チャイルドシートの着用義務は免除されます。

許可された自家用運送車の場合

道路運送法第78条の2項と3項に該当する許可された自家用運送者では、チャイルドシートの着用義務は免除されます。

チャイルドシートを着用しないとどんなリスクがある?

チャイルドシートを着用しなかった場合のリスクは以下の通りです。

警視庁の情報によると、チャイルドシート未着用の致死率は、適切に使用していた場合に比べて約5.3倍になるといわれています。

チャイルドシートを付けたからといって、使用方法が間違っていては意味がありません。不十分な固定や不適切な使用では、リスクは無くなりません。安全性を高め子どもの命を守るためには、チャイルドシートを適切に使用しましょう。

また、140cm未満の子どもがシートベルトを着用すると、肩ベルトは首に腰ベルトはお腹の位置にきます。その状態で事故に遭ってしまうと、首や内臓に衝撃が加わり損傷してしまう可能性が高く危険ですので、しっかりと対策をとることが大切です。

チャイルドシートを使用する際の注意点

チャイルドシートは、適切に使用しなければ安全性が保証されません。チャイルドシートを使用する際、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。

ここでは、チャイルドシートを使用する際の注意点について紹介していきます。

後部座席に取り付ける

年齢にかかわらず、チャイルドシートは後部座席に取り付けることをおすすめします。助手席に設置すると、エアバッグが作動した際に大けがをしてしまう可能性があります。

エアバッグは、事故の被害を軽減するために大切な装置ですが、成人の体型を前提にして設計されているため、子どもには適切に機能しない場合や被害が大きくなる場合があるのです。

どうしても助手席に設置しなければならないなら、エアバッグを解除しておいてください。解除できないタイプの車なら、座席を後ろに下げるなどして対策しましょう。

しっかり取り付ける

チャイルドシートは、取扱説明書に従いしっかりと固定しましょう。

前向きのチャイルドシートの場合、上端部に前方向の力を加えても大きく動かないのがしっかり固定されている目安です。

チャイルドシート固定機能付シートベルトが付いている車は、チャイルドシートを取り付けた後にシートベルトをすべて引き出し、ALR機能を作動させてください。

お下がりを利用する場合

チャイルドシートのお下がりを利用する場合、以下の点に気を付けましょう。

適切な角度にする

チャイルドシートを後ろ向きで使用する場合、リクライニングの角度を45度にしましょう。事故による衝撃から守り、子どもに負担のかかりにくい角度です。

寝かせすぎや起こしすぎは、子どもに負担がかかってしまいます。特に長時間乗車する場合は、角度に気を付けましょう。

また、子どもの身体が大きくなってからも、寝かせすぎには要注意です。リクライニングを倒しすぎると、シートベルトを正しく着用できなくなります。

どうしても倒さなければならないときは、説明書などをよく読み、問題のない範囲で倒すようにしましょう。

着座時の火傷に注意

炎天下で駐車していると車内の温度はとても高くなり、チャイルドシート本体やバックル・ベルトなどの金属部分も高熱になってしまいます。

火傷する恐れがあるため、子どもが座る前に手で触れて確認するようにしましょう。

チャイルドシートのおすすめメーカー

チャイルドシートは、赤ちゃん用品専門店やカー用品店・ディーラー・インターネットなどで購入可能です。

チャイルドシートはさまざまなメーカーから発売されており、それぞれ特徴や種類も豊富にあります。

赤ちゃん用品店は、最新モデルから型落ちモデルまで、幅広いメーカーの商品を取り揃えているのが特徴です。また、カー用品店やディーラーなら、種類は少なくとも高品質な商品を購入できるでしょう。
ネット通販には人気メーカーからノーブランドまで種類が豊富なので、自身に合った商品を見つけやすいのがメリットです。

たくさんの商品からチャイルドシートを選ぶのに迷ってしまうという方は、メーカーで選ぶのもいいでしょう。ここでは、おすすめのメーカーをいくつか紹介していきます。

Combi(コンビ)

さまざまな機能性を持った製品が販売されているため、特徴からチャイルドシートを選べるでしょう。

衝突事故の約8割が正面からの衝突といわれているため、背面を広くし衝撃を受け止め分散させる設計になっています。

Aprica(アップリカ)

0か月から使用できるチャイルドシートから、10歳頃まで使用できるジュニアシートまで豊富に取り揃えています。

まだ首がすわっていない乳児にぴったりの、ベッド型チャイルドシートも販売しています。赤ちゃんの呼吸を楽にし、車の中でも家で寝ているような快適環境を実現しました。

Pigeon(ピジョン)

「赤ちゃん1人1人が持っている輝きを育む」をコンセプトに、さまざまな赤ちゃん用品を販売しているメーカーです。

オーソドックスなモデルのSALVAJETRESは、成長に合わせて3段階のモードが選べます。軽量で取り付けやすいのも嬉しいポイントです。

GRACO(グレコ)

グレコは1942年創業の、歴史ある育児ブランドです。3輪ベビーカーや12年間使用できるチャイルドシートなど、他のメーカーにはない「あったらいいな」を解決するベビー用品を販売しています。

チャイルドシートは10段階に調整できるヘッドレストを搭載しています。ジュニアシートに変化するため、12年間買い替え不要です。

LEAMAN(リーマン)

チャイルドシートのラインナップが豊富なので、希望に沿った製品が見つかるでしょう。

新生児から使えるタイプ・1〜11歳まで使えるタイプ・3〜10歳まで使えるタイプに大きく分けられます。

まとめ

チャイルドシートについて解説してきましたが、いかがでしたか?

チャイルドシートは、6歳未満の子どもに着用が義務付けられています。違反しても罰則はありませんが、子どもの安全のために必ず守りましょう。

チャイルドシートにはさまざまなタイプが販売されています。この記事を参考に所有している車種のタイプや、お子さんの年齢に合う製品を見つけてください。

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