トヨタが販売するコンパクトカーの中でも、最も小さなサイズで作られているクルマがパッソです。
パッソはトヨタとダイハツ工業との共同開発で誕生しています。
初代と2代目のパッソはダイハツが開発、トヨタが企画とマーケティング、販売を担っており、パッソにはダイハツとトヨタの魅力が詰め込まれています。
何度もマイナーチェンジを繰り返してきたパッソは、発売以来不動の人気を誇っていますが、惜しまれつつも2023年9月下旬をもっての生産終了が発表されました。
そんなパッソについて、その年式や歴史、魅力を知りたいという方もいるでしょう。
そこで今回は歴代パッソについて詳しく解説していきます。
初代から3代目までのそれぞれのモデルについて、外観や内装、スペックなど魅力をたっぷりお伝えします!
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目次
パッソの年式と歴史
パッソは、2004年6月に初代が発売されて以来、数々のマイナーチェンジを繰り返してきました。
マイナーチェンジだけでなくフルモデルチェンジをして大きくスペックが変わった時期もあり、2代目、3代目と進化してきています。
まずは、初代・2代目・3代目の販売されていた時期や型式などをみていきましょう。
コンパクトで取り回しが良く、室内空間を広くとっているパッソは、どの年式でも人気が高いクルマのひとつです。
価格は初代パッソの発売当初は945,000円〜1,302,000円で、購入しやすい金額でした。
3代目になると1,275,000円〜1,913,000円と、全体的に上がってきています。
※2023年6月現在
その分スペックなども変わり、フルモデルチェンジのたびに新しい顔を見せてくれるクルマです。
カラーも年式ごとに変わっています。
初代発売当初からカラー数は豊富で、全9色をラインアップ。
2022年発売の最新型では、カラーは全13色となっており、個性に合わせたカラー選びができるのも魅力のひとつ。
その他にもさまざまな違いがあるので、まずは初代から詳しく見ていきましょう。
初代 パッソ AC10型(2004年~2010年)
初代パッソは、2004年~2010年にかけて製造・販売されました。
ダイハツのスモールカーの開発・生産力とトヨタの企画・マーケティング・販売力を合わせることで誕生。
両社の共同開発は「トヨタパッソ」「ダイハツブーン」が初めてで、国内市場でも共同開発車としては初めてのもの。
販売開始から予想を大きく上回る売れ行きでした。
価格は945,000円〜1,302,000円で、カタログ燃費は18.0〜21.0km/Lと燃費性能もかなり良いものでした。
コンパクトカーなので小回りも効き、扱いやすいクルマとして人気を集めました。
パッソは、トヨタが販売する中で最も小さなクルマですが、全高は高く、車内は広めのつくりとなっています。
エンジンは、1,000ccの直列3気筒と1,300ccの直列4気筒が使用され、フルタイム4WD車もラインアップされています。
パッソは、ロングホイールベース&ワイドトレッドによるタイヤが四隅でしっかり踏ん張るフォルム。
また、ホイールアーチと一体化した円筒形状のバンパーが特徴的な独特のスタイルも人気の理由のひとつといえるでしょう。
グレードは上級の「G」とスタンダードの「X」、盗難防止システムやジュニアシート、キーフリーシステムをセットにした「Fパッケージ」、装備の一部を簡略化させてその分販売価格を抑えた「Vパッケージ」が設定されています。
全車、NOx(窒素酸化物)、NMHC(非メタン炭化水素)排出量が国内最高水準の「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」のクルマとして国土交通省から認定を受けています。
2004年(平成16年)の12月には、グレードに「レーシー」が追加。
基本的な部分や性能は変わりませんが、スポーティーなエクステリアが特徴です。
その他、以下のような専用装備が付けられています。
- 専用エアロカラードバンパー
- サイドマッドガード
- 専用タコメーター
- 専用スピードメーター
また、車内のシートには専用色ブラックのシート表皮などを採用。
エクステリアだけでなくインテリアもスポーティーな仕上がりに。
2005年(平成17年)4月には、特別仕様車の「HID Limited」が発売されました。
スタンダードグレードの「X」をベースにしたモデルで、ディスチャージヘッドランプが特別装備されています。
カラーは、ブラックマイカメタリックが追加設定されました。
専用シート表皮はグレーで、「レーシー」とはまた違った魅力があるクルマです。
2005年(平成17年) 12月には、マイナーチェンジがされています。
特別仕様車だけのカラーだったブラックマイカメタリックが他のグレードでも選べるように。
コラムメーターの視認性向上、キーフリーシステム電子カードが防水化するなど、使用性が高まりました。
その他、以下の部分に変更が加えられて販売が開始されました。
- フロントシートのヘッドレストのデザインを変更
- ディスチャージヘッドランプにオートレベリング機能付
2006年(平成18年)6月には、特別仕様車「アドバンスドエディション」が販売。
予防安全装備と衝突安全装備が強化されたモデルで、「より安全に運転したい」「子どもを乗せたい」という方には特におすすめのモデルです。
2006年(平成18年)12月にも、マイナーチェンジが行われ、下記の点が変更されています。
- フロントのバンパー・グリルとリヤのコンビネーションランプのデザインを変更(レーシーを除く)
- Xグレードの電動格納式リモコンカラードドアミラーの設定拡大
- サイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラーの標準装備
- Gに用意されるFパッケージはフロントベンチシートを装備
- シート表皮やインストルメントパネルのデザインを変更
- オーディオにはメモリー機能を内蔵
- ミュージックサーバーの採用
また、特別仕様車「アドバンスドエディション」には車内を消臭するためのプラズマクラスターが装備されています。
2008年(平成20年)2月には、特別仕様車「プチトマコレクション」が生産・販売されました。
グレード「X」「G」がそれぞれベースになった2種類が販売されています。
特徴は名前の通り「プチトマト」をイメージした外観と内装です。
特に内装のシート表皮やフロアマットにはプチトマトマークが織り込まれているのが、かわいらしさを演出しています。
さらに2008年11月には、新色である「シャンパンゴールドメタリック」も選べるようになりました。
2009年(平成21年)4月に発売された特別仕様車「irodori(イロドリ)」はグレード「X」をベースに作られています。
くつろげる空間をイメージして作られたクルマで、フロントベンチシートなどが特別装備されました。
ラベンダーメタリックオパールが特別色として加わり、全11色の展開に。
そのほか、クッションパッドやオーディオなども特別装備されています。
初代パッソは、販売が好調のまま、2016年にその役目を終えました。
2代目 パッソ AC30型(2010年~2016年)
2代目パッソは、2010年から販売を開始。
女性目線で開発されたコンパクトカーで、開発スタッフにも多くの女性が参加しています。
2代目もまた、ダイハツとの共同開発されたクルマです。
2代目パッソは、環境対応車普及促進税制に適合しています。
さらに、フルモデルチェンジの際には、多くの女性スタッフが参加してデザインや使い勝手の良さを追求した結果、フロントピラー形状が変更されました。
初代よりも視界が良好になり、運転席から手の届く範囲に収納スペースがあるなど、ドライバーの居住性が向上しています。
エンジンは、1,000ccの直列3気筒(69馬力)と1,300cc直列4気筒(95馬力)の2機種があります。
2代目パッソには全車にフロアシフトの自動無段変速機CVTが組み合わされています。
グレードは初代と変わらずベーシックモデルの「X」と上級モデルの「G」があります。
その上で特別仕様車やレーシーをなくし、代わりに「X」をベースにした上質なモデルである「+Hana(プラスハナ)」が設定されました。
「+Hana」には専用装備がいくつか作られ、専用フロントバンパーやアウトサイドドアハンドル、ドアミラーがシャンパン塗装となっているなど、「X」をより魅力的に演出しています。
また「+Hana」には「Lパッケージ」と「Cパッケージ」が設定され、「Lパッケージ」にはキーフリーシステムやオートエアコンが装備されています。
反対に「Cパッケージ」では装備が一部簡略化。
予算や目的に合わせて自分に合ったクルマを選ぶことができるでしょう。
2010年(平成22年)9月には、ゆっくりくつろげることを目的としたベンチシートを全席に設置した特別仕様車「Yururi(ユルリ)」が発売されました。
イモビライザー機能付きのキーフリーシステムが採用されているため、ドアの施錠や開錠、エンジンの始動が楽に行えます。
イモビライザー機能付きのキーフリーシステムは、「+Hana」でもオプションで選択できるようになっています。
カラーには専用色であるアズキマイカが設定され、全部で9色から選べるのも魅力といえるでしょう。
2011年(平成23年) 6月に発売されたのは、「+Hana」をベースにした「Apricot Collection(アプリコット コレクション)」です。
この特別仕様車は、トヨタカローラ店チャネル創立50周年記念として販売されたもので、インテリアに専用色であるアプリコットカラー加飾が施されているのが特徴です。
また、インサイドドアハンドルやレジスターリングにも専用色であるチョコカラー加飾がされ、かわいらしい空間を演出しました。
専用シートには、チョコモノトーンシート・アプリコットカラーパイピングが入り、おしゃれさを増しています。
2代目パッソでは、その他2012年(平成24年) 6月に販売された「X クツロギ(Kutsurogi)」、2015年(平成27年)4月に販売された「+Hana Gパッケージ(+Hana G package)」が特別仕様車として販売されています。
それぞれに特別限定色が設定されていて、快適性を向上、もしくは安全性能を向上させています。
2014年(平成26年)4月には、2代目パッソのマイナーチェンジが行われています。
グレードに変わりはありませんが、より低燃費を目指した装備に切り替えているのが特徴といえるでしょう。
1Lモデル2WD車ではガソリン車でもトップの燃費を実現させています。
カタログ燃費では、19.0〜27.6km/Lです。
燃費は駆動方式や排気量によっても違いますが、エコな走り方をすることで、より低燃費を目指せます。
低燃費を目指すための改良点には、以下のものがあります。
- 圧縮比の向上
- 低フリクション化
- バルブタイミングの最適化
- クールドEGRを採用
- エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用
- アイドリングストップ機能の装備
さまざまな燃費向上技術を採用することで、優れた低燃費を実現。
さらにデザインもまた改良し、個性を際立たせています。
「X」と「G」では、シャープな印象のヘッドランプや低重心のフロントバンパーを採用することで、端正なフロントビューとなっています。
一方で「+Hana」では、丸いモチーフのアッパーグリルを採用してかわいらしさを演出しています。
フォグランプとロアグリルが連続している個性的なデザインが人気で、カラーには新色「サクラパールマイカ」が設定されました。
その他にも、オート電動格納式ドアミラー、スーパーUVカット、IRカット機能付フロントドアガラスなどが新装備されています。
3代目 パッソ M700A型(2016年~)
2016年(平成28年)4月には、2代目パッソの生産・販売が終了し、3代目パッソの販売が始まりました。
フルモデルチェンジが行われたのは、約6年ぶりのこととなります。
3代目パッソは、開発から生産までをすべてダイハツが行なっています。
「街乗りスマートコンパクト」をコンセプトに開発され、エンブレムが専用エンブレムからトヨタのCIマークに変更されています。
グレードには「X」「X S」「X Lパッケージ」「X Lパッケージ・S」「X Gパッケージ」に加えて「モーダ」「モーダS」「モーダS Gパッケージ」を設定。
2代目まで設定されていた上級グレードの「G」と「+Hana」が廃止となりました。
価格は、3代目2016年式で1,150,200円〜1,830,600円となり、全体的に少し高めの設定となりました。
搭載されているエンジンは1,000cc直列3気筒エンジンで、2代目までは2種類あったものが1種類に変更されています。
トランスミッションはCVTを組み合わせています。
2WD・4WDのどちらも低燃費を実現し、カタログ燃費で2WD車は28.0km/L、4WD車は24.4km/Lとなっています。
足回りを強化するだけでなくボディもより軽量化され、安心感のある走りを実現しています。
3代目パッソには、安全対策としてドライバーをサポートできる衝突回避支援システム「スマートアシストⅡ」も搭載されることになりました。
エクステリアはバンパー下部に重心を置いた八の字の台形シルエットで、どっしりとした構えに。
たくましさが出るかと思いきや、そこはパッソ。
パッソならではのぽってりとした愛らしいフォルムも相まって、親しみやすく安心感のあるデザインとなっています。
3代目から登場したモーダ系グレードには、上質感を演出できるLEDのロー&ハイビームとクリアランスランプを組み合わせたBi‐Beam LEDヘッドランプが標準装備。
室内空間は、水平基調のインストルメントパネル採用によってより広さを感じるようになっています。
また、モーダ系グレードにはインテリアの専用アクセントカラーにマゼンタを採用し、オーディオクラスターやイドレジスターリング・シート表皮などに使用することによってより上質さを表現しました。
モーダ系グレードにはオプションで選べる全18色が用意され、そのほかのグレードにおいては、全部で12色が用意されています。
2018年(平成30年)10月にはマイナーチェンジを行い、安全性能の向上とデザインの質感の向上を行なっています。
特に安全性能においては、歩行者を検知する機能やオートハイビームなどが加えられた衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が設定されました。
また、カラーにおいてもモーダ系グレードには新色「ブリリアントカッパークリスタルマイカ」が新しく用意されています。
2019年(令和元年)10月には、消費税の変更に伴って価格変更を行いました。
また、価格を変更するだけでなく安全装備に前後方向の障害物を検知する「コーナーセンサー」を加え、パノラミックビュー対応ナビレディパッケージも新しく設定されています。
3代目の初めての特別仕様車は、モーダ系グレードをベースにした「モーダ チャーム」。
2020年(令和2年)4月に発売され、価格は1,617,000円〜1,793,000円。
周囲の安全性を視認できるパノラミックビュー対応ナビレディパッケージだけでなく、快適装備のスーパーUVカットパッケージも装備されました。
特別仕様車の限定色として、かわいらしい「ジューシーピンクメタリック」も設定され、これまで以上におしゃれ感やかわいらしさを増しています。
3代目で最新の2021年(令和3年) 4月に販売された新型パッソにおいては、これまで以上に安全装備が強化。
また、ドレスアップパッケージが新設定され、おしゃれでありながら上質感を求める顧客のニーズにこたえる形となっています。
特別仕様車の「モーダ チャーム」は、ホイールキャップのデザインとライトのレバーが変更されています。
カラーには新色の「ターコイズブルーマイカメタリック」が用意され、全部で13色から選べるようになりました。
2022年(令和4年)8月発売モデルでは、「モーダ Gパッケージ」が1,913,000円と、これまでで最も高価格に。
これまでより高価格帯ながら、15インチのアルミホイールや、フォグランプベゼルに配したLEDイルミネーション、本革巻きシフトノブなど、エクステリアもインテリアも上質さを全面に押し出した仕様になっています。
安全性能も充実しており、衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」と前後方向の障害物を検知する「コーナーセンサー」を標準装備しています。
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パッソの各モデルのスペックを比較!
パッソの歴代モデルの変遷を紹介してきましたが、より分かりやすくするために各モデルの人気グレードを数値を表で比較してみましょう。
表からわかる通り、初代から3代目にかけてのサイズの違いはわずか。
「トヨタ最小コンパクトカー」の名の通り、コンパクトで小回りの良さを提供し続けてくれています。
グレードの違いによるパッソの比較は、下記のコラムも参考にしてみてくださいね。
パッソのグレードごとの比較!違いとそれぞれがおすすめな人
パッソの燃費をグレードごとにご紹介!年間の維持費も確認
年式が異なるパッソを選ぶ際の注意点
パッソは年式によってサイズが大きく異なることはなく、どの年式・グレードも人気の高いクルマばかりです。
ただし、マイナーチェンジやフルモデルチェンジによって、装備や機能が異なる可能性もあるので、選ぶ際には注意が必要です。
カラーやデザインに違いがある
パッソは豊富なカラー展開にも定評がありますが、年式が違うものによっては扱いがないカラーもあります。
自分が欲しい色が決まっているのであれば、色展開のある年式のものを探す必要があります。
機能や装備が異なる可能性がある
同じモデルのパッソでも、年式の違いによっては機能や装備に違いが出る可能性も。
たとえば2016年4月発売モデルでは、衝突回避支援システムは「スマートアシストⅡ」ですが、2018年10月発売モデル以降は、「スマートアシストⅢ」へと変更になっています。
いずれも同じ3代目モデルですが、年式の違いにより違いが生じています。
パッソを賢く購入する方法
パッソの歴代の変遷や、各モデルの代表的なグレードのスペックを確認してきました。
パッソの魅力を知り、改めて購入したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
また、2023年9月には生産終了となるため、今後パッソが欲しいのであれば中古車市場での取引も増えるでしょう。
ここからは賢いパッソの買い方を紹介していきます。
一般的には、クルマを購入するためには主に以下の2つの方法が考えられます。
- ディーラーで新車を購入する
- 中古車販売店で中古車を購入する
今回はこの2つと異なる、3つ目のクルマの購入方法を紹介していきます。
それが、「個人売買でクルマを購入する」というものです。
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まとめ
今回は、パッソの年式や歴代モデルの変遷、スペックの違いなどを紹介してきました。
トヨタとダイハツが共同開発し、トヨタの販売する中でも最小のコンパクトカーであるパッソは、多くのモデルチェンジを経てきました。
パッソは、マイナーチェンジやフルモデルチェンジを繰り返してきたにもかかわらず、基本的な部分はそのままです。
安全性能やかわいらしいデザインなどは、初代から3代目にかけてより進化しています。
現行の3代目モデルを最後に、2023年9月に生産終了することが発表されているため、今後は中古車市場での取引がメインとなるでしょう。
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