トヨタのプレミアムSUV「ハリアー」。都市に映える洗練されたスタイリングと上質な室内空間で、長年にわたり圧倒的な支持を集めています。
しかし、購入を検討する際に多くの方が直面するのが「現行型(80系)と前型(60系)のどちらを選ぶべきか」という悩みです。特に、クーペフォルムを強めた現行型は「荷室が狭くなったのでは?」と懸念される声も少なくありません。
本記事では、ハリアーの要となる「荷室(ラゲージスペース)」に焦点を当て、80系と60系の寸法・容量の違い、ゴルフバッグやキャンプギアの積載能力、車中泊での快適性まで、公表データを基に徹底的に比較・解説します。ご自身のライフスタイルに最適なハリアー選びの参考にしてください。
目次
1. 【新旧比較】ハリアー80系と60系の荷室容量と基本デザインの違い

ハリアーは、2020年のフルモデルチェンジ(60系から80系へ)において、デザインの方向性が大きく進化しました。それに伴い、荷室のスペックやパッケージングにも明確な違いが生じています。
1-1. 新旧ハリアー 荷室スペック比較表
まずは、両モデルの基本となる荷室容量と特徴を比較します。
| 比較項目 | 現行型ハリアー(80系:2020年〜) | 前型ハリアー(60系:2013年〜2020年) |
| 荷室容量(通常時) | 約409L(デッキボックス含む) | 約456L(アンダーボックス含む) |
| ボディ形状の特徴 | リヤガラスの傾斜が強い流麗なクーペフォルム | リヤの傾斜が比較的立っているスクエアなSUV形状 |
| 荷室空間の強み | 横幅の張り出しが少なく、床面が低くフラットで出し入れが容易 | 天井が高く、四角い大きな荷物を上まで積み上げやすい |
| 適したユーザー像 | 日常の使い勝手と最新のスタイリングを重視する方 | 積載量を最重視し、高さのある荷物を頻繁に積む方 |
※数値はトヨタ自動車公表の社内測定値です。
1-2. なぜ80系は容量が減少したのか?
公表値を見ると、現行型(80系)は前型(60系)に比べて通常時の容量が約47L減少しています。これは、80系が「より美しく、よりエモーショナルなデザイン」を追求し、リヤピラー(後部ガラス周辺)を大きく寝かせたクーペスタイルを採用したためです。
しかし、これは単なる「改悪」ではありません。80系は高さを抑えた代わりに、タイヤハウス周辺の張り出しを最小限に抑え、「実際に荷物を置くフロア面の有効面積」を使いやすく整理する工夫が施されています。
2. ハリアーの荷室寸法詳細とシートアレンジ別の広さ比較

次に、具体的なメジャー寸法(長さ・幅・高さ)と、シートを倒した際の変化を新旧で比較してみましょう。
2-1. 荷室各部の寸法比較表
| 計測箇所 | 80系(現行型) | 60系(前型) | 違いのポイント |
| 荷室長(通常時) | 約985mm | 約1,000mm | ほぼ同等。日常の買い物袋やスーツケースを置くには十分な奥行き。 |
| 荷室長(後席前倒し時) | 約1,805mm | 約1,850mm | 60系の方がやや長いが、どちらも大人が横になれるほどの空間を確保。 |
| 荷室幅(最大部) | 約1,265mm | 約1,340mm | 60系の方が最大幅は広いが、えぐり部分の形状によるもの。 |
| 荷室幅(最狭部) | 約1,000mm | 約1,130mm | サスペンション構造の変更等により、80系は最狭部がややタイトに。 |
| 荷室高さ | 約715mm 〜 750mm | 約760mm 〜 780mm | クーペフォルムの80系は、リヤに向かって天井が低くなる特徴がある。 |
※グレードや装備(スペアタイヤの有無、パノラマルーフ等)により寸法は異なります。
2-2. 6:4分割可倒式シートの使い勝手
両モデルともに、後席(セカンドシート)には「6:4分割可倒式」が採用されています。乗車人数や積み込む荷物の長さに応じて、柔軟にアレンジが可能です。
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通常状態(5人乗車):日常の買い出しや、ベビーカーを載せたままのファミリードライブに。
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片側前倒し(3〜4人乗車):釣り竿、ラグマット、スノーボードなどの長尺物を載せる際に便利です。
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両側前倒し(2人乗車):荷室長が約1,800mm以上に拡張され、大型家具の運搬や車中泊に対応します。
80系はシートを倒した際のフロアとの段差が滑らかに処理されており、荷物を奥へ押し込む際のスムーズさが向上しているのが特徴です。
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3. 【ゴルフ・レジャー】シーン別の積載能力を60系・80系で比較

※画像は60系ハリアーです。
ハリアーの購入層に多い「ゴルフ」や「家族旅行」のシーンで、具体的にどれだけの荷物が載るのかを検証します。
3-1. ゴルフバッグの積載能力比較
ゴルフバッグ(9.5インチの一般的なキャディバッグ)を載せる場合、新旧で積み方のコツが異なります。
| モデル | 最大積載数(後席使用時) | 積載のコツと特徴 |
| 80系(現行型) | 最大3個 | 荷室奥のくぼみを利用して1〜2個目を横置きし、3個目を上に重ねます。幅の最狭部が1,000mmのため、長尺のドライバーを入れたバッグは斜めに工夫する必要があります。 |
| 60系(前型) | 最大4個 | 横幅と高さにゆとりがあるため、横置きで2個、さらにその上に2個を重ねて積むことが可能です(バッグの形状による)。4人でゴルフに行く機会が多い方に適しています。 |
※バッグのサイズやクラブの長さにより積載状況は異なります。店頭での確認をおすすめします。
3-2. ベビーカーやスーツケースの積載
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旅行用スーツケース:どちらのモデルも、機内持ち込みサイズのスーツケースであれば4個並べて積載可能です。大型(90Lクラス)の場合は、80系は平積みで2個+上部にソフトバッグ、60系なら工夫次第で縦置きできる場合もあります。
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ベビーカー:一般的な折りたたみタイプのA型・B型ベビーカーであれば、どちらも横向き・縦向きに無理なく収納できます。床面の滑りやすさは80系の方が優れており、出し入れの引っかかりが少ない傾向にあります。
4. アウトドア・キャンプでのパッキングのコツと違い
ハリアーを相棒にしてキャンプを楽しむ場合、400L台の荷室容量をいかに効率よく使うかが鍵となります。
4-1. 荷室形状によるパッキングの違い
| パッキングの観点 | 80系(現行型)の場合 | 60系(前型)の場合 |
| ボックス類の配置 | 頑丈な収納ボックスは幅50cm程度のものを下段に並べます。高さが抑えられているため、ボックスの重ねすぎには注意が必要です。 | 天井が高いため、収納ボックスを2段重ねにしても後方視界を確保しやすい利点があります。 |
| 隙間の有効活用 | 左右のタイヤハウス周辺の形状が滑らかなため、シュラフやマットなどのソフトギアを隙間に詰め込みやすい設計です。 | 空間が四角いため、クーラーボックスなどの大型で角張ったギアをパズル感覚で配置しやすくなっています。 |
| バックドアの干渉 | バックドアガラスが大きく傾斜しているため、手前(手前上方)に背の高い荷物を置くとドアが閉まらなくなる点に注意。 | バックドアの傾きが少ないため、手前側ギリギリまで荷物を積み上げることが比較的容易です。 |
4-2. 荷室を保護する必須アイテム
キャンプで頻繁に使用する場合は、泥汚れや水濡れから内装を守る対策が必要です。トヨタ純正の「ラゲージソフトトレイ」や、車種専用設計のラバーマットを敷くことで、高級感のあるハリアーのフロアカーペットを綺麗な状態に保つことができます。両モデルとも専用アクセサリーが豊富に揃っているため、購入時の同時装着を強くおすすめします。
5. ハリアーで車中泊は可能?60系・80系の快適性と必須マナー
アウトドアブームにより、ハリアーの広い荷室を利用して車中泊や仮眠を行う方が増えています。新旧モデルでの快適性の違いと、安全に関する重要なルールを確認しましょう。
5-1. フル・フラット具合と居住性の比較
後席をすべて倒し、車中泊スペースとして利用する場合の違いは以下の通りです。
| 比較ポイント | 80系(現行型) | 60系(前型) | 対策・共通の工夫 |
| 荷室長(奥行き) | 約1,805mm | 約1,850mm | どちらも成人男性が横になれる長さを確保。フロントシートとの隙間はクッションや荷物で埋めることで拡張可能。 |
| 段差と傾斜 | フロアと背もたれの段差は少なく滑らかだが、前方への傾斜はやや強め。 | 傾斜は比較的緩やかだが、可倒部分のヒンジ周辺の凹凸が気になる場合あり。 | 厚さ5〜10cmの車中泊専用ウレタンマットやインフレーターマットを敷くことで、段差や傾斜を吸収し、快適に就寝できます。 |
| 室内高(圧迫感) | 天井が低く、起き上がって座る際には頭上がタイトに感じる。 | 天井が高く、車内で着替えたり座ってくつろぐ際の圧迫感が少ない。 | 就寝時のスペースとしてはどちらも十分ですが、車内での「居住性」を重視するなら60系が有利です。 |
5-2. 車中泊・休憩時の必須マナーと安全配慮
車中泊や公共の休憩施設を利用する際は、周囲への配慮と自身の安全確保が最優先となります。以下の事項を必ずご確認の上、ルールを守ってご利用ください。
- 【車中泊の前に必ずご確認ください】
就寝時はエンジン・ハイブリッドシステムを必ずOFFにしてください。アイドリングや空調目的のシステム ON状態での就寝は、一酸化炭素中毒・バッテリー上がり・騒音・条例違反の原因となります。
道の駅・SA/PAは休憩施設であり宿泊施設ではありません。仮眠と宿泊を区別し、各施設のルールを必ずご確認ください。
積雪時はマフラー埋没による排ガス逆流に注意し、定期的に換気してください。車内での火気使用は避けてください。
ごみの持ち帰り、騒音・場所取りへの配慮など、周囲へのマナーを守ってご利用ください。
6. 荷室の利便性を高める快適装備と収納(80系・60系)

ハリアーはプレミアムSUVにふさわしく、荷室周りの機能や装備も充実しています。ここでは両モデルに共通する、または進化を見せた便利な機能を紹介します。
6-1. 利便性を高める主要装備
| 装備・機能名 | 特徴と実用性 |
| 床下収納(アンダーボックス) | フロアボードの下に隠された収納スペース。洗車用具や三角表示板、普段使わない常備品をすっきり収納できます。60系・80系ともに実用的な深さを備えています。 |
| パワーバックドア | スイッチ操作でバックドアを自動開閉。80系では挟み込み防止機能がアップデートされ、動作のスムーズさが向上しています。 |
| ハンズフリー機能 | スマートキーを携帯し、リヤバンパー下に足を出し入れするだけでドアが開閉(80系の一部グレード等に設定)。両手が荷物で塞がっているキャンプや買い物時に非常に便利です。 |
| アクセサリーコンセント | HV/PHEV車に設定(AC100V・1500W)。荷室のコンセントから家電製品に給電でき、災害時やアウトドアでの活用幅が大きく広がります。 |
6-2. トノカバーの活用と防犯対策
荷室の荷物を外から見えなくするための「トノカバー」は、防犯対策として非常に有効です。80系・60系ともに巻き取り式のトノカバーが設定されており、使用しない時はコンパクトに収納するか、床下収納スペース等に格納(仕様による)することが可能です。特にキャンプ道具やゴルフバッグなど高価なアイテムを積んだままにする際は、トノカバーを必ず活用しましょう。
7. 総評:あなたのライフスタイルには80系・60系どちらのハリアーが合う?
ここまで、ハリアーの80系と60系の荷室をあらゆる角度から比較してきましたが、最後に「ご自身の使い方に合わせた選び方の基準」をまとめます。
- 前型(60系)がおすすめな方
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「積載量」と「高さ」を最重視する方
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4人でゴルフに行く機会が多く、キャディバッグを4つ積みたい方
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車中泊時に、車内で座って過ごす際の頭上のゆとり(居住性)が欲しい方
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スクエアで力強いSUVらしいデザインが好みの方
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60系は、約456Lのゆとりある容量と高い天井が魅力です。荷室の絶対的な広さや、大きな箱を積み上げるような使い方においては、依然として非常に高い実用性を誇ります。
- 現行型(80系)がおすすめな方
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「日常の使い勝手」と「最新のデザイン」を両立させたい方
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荷物の出し入れのしやすさ(フラットな床面)を重視するファミリー層
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ゴルフは3人以下で行くことが多く、3個積載できれば十分な方
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最新の予防安全機能や、ハンズフリーパワーバックドア等の先進装備を求める方
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80系は、数値上の容量こそ減少したものの、床面を低くフラットに設計し直したことで「重い荷物を滑らせて奥に入れる」といった日常動作の負担を軽減しています。クーペフォルムの美しさに惚れ込んでいる方でも、日常使いや2〜3人でのレジャーであれば、容量不足を感じる場面は少ないはずです。
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