トヨタが販売するコンパクトカーの中でも、特に小さなサイズで作られている車がパッソです。パッソはトヨタとダイハツ工業との共同開発で誕生しています。初代と2代目のパッソはダイハツが開発、トヨタが企画とマーケティング、販売を担っています。
そのため、パッソにはダイハツとトヨタ、両者の魅力が詰め込まれています。何度もマイナーチェンジを繰り返してきたパッソは、発売以来不動の人気を誇っています。
そんなパッソについて、その歴史と魅力を知りたいという方もいるでしょう。そこで本記事では歴代パッソについて詳しく解説していきます。初代から3代目までのそれぞれのモデルについて、外観や内装、スペックなどをみていきましょう。
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目次
パッソの歴史
パッソは、2004年6月に初代が発売されて以来、数々のマイナーチェンジを繰り返してきました。
もちろんマイナーチェンジだけでなくフルモデルチェンジをして大きくスペックが変わった時期もあり、2代目、3代目と進化してきています。まずは、初代・2代目・3代目の販売されていた時期や型式などをみていきましょう。
初代 | AC10型 | 2004年~2010年 |
2代目 | AC30型 | 2010年~2016年 |
3代目 | M700A型 | 2016年~ |
コンパクトで取り回しが良く、室内空間を広くとっているパッソは、どの年代も人気が高い車のひとつです。価格は初代パッソの発売当初は945,000円〜1,302,000円で、購入しやすい金額でした。3代目になると1,265,000円〜1,903,000円と、全体的に上がってきています。
その分スペックなども変わり、フルモデルチェンジのたびに新しい顔を見せてくれる車です。カラーも年代ごとに変わっています。
当初からカラー数は豊富で、うち有料カラーが1色ありました。2021年発売の最新型では、カラーは11色あり、その中で有料カラーは5つとなっています。
その他にもさまざまな違いがあるので、まずは初代から詳しくみていきましょう。
初代 パッソ AC10型(2004年~2010年)
初代パッソは、2004年~2010年にかけて製造・販売されました。グレードは8種類です。価格は945,000円〜1,302,000円で、カタログ燃費は18.0〜21.0km/Lとかなりいいものでした。コンパクトカーなので小回りも効き、扱いやすい車として人気を集めました。
初代パッソは、ダイハツのスモールカーの開発・生産力とトヨタの企画・マーケティング・販売力を合わせることで誕生しました。両社の共同開発は「トヨタパッソ」「ダイハツブーン」が初めてで、販売開始から予想を大きく上回る売れ行きでした。
パッソはトヨタが販売する中で最も小さな車ですが、全高は高く、車内は広めの作りとなっています。エンジンは1000ccの直列3気筒で1300ccの直列4気筒が使用され、フルタイム4WD車もあるのが特徴です。
ロングホイールベース&ワイドトレッドによるタイヤが4隅でしっかり踏ん張るフォルムになっています。また、ホイールアーチと一体化した円筒形状のバンパーが特徴的な独特のスタイルも人気の理由のひとつといえるでしょう。
グレードは上級の「G」とスタンダードの「X」、盗難防止システムやジュニアシート、キーフリーシステムをセットにした「Fパッケージ」、装備の一部を簡略化させてその分販売価格を抑えた「Vパッケージ」が設定されています。
パッソはトヨタ車の中でも特に安全性能が高く作られています。
また、全車、NOx(窒素酸化物)、NMHC(非メタン炭化水素)排出量が国内最高水準の「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」の車として国土交通省から認定を受けている車種です。
2004年(平成16年)の12月には、グレードにレーシーが追加されています。基本的な部分や性能は変わりませんが、レーシーはスポーティーなエクステリアが特徴です。その他、以下のような専用装備が付けられています。
- 専用装備
- 専用エアロカラードバンパー
サイドマッドガード
専用タコメーター
専用スピードメーター
また、それだけではなく、車内のシートには専用色ブラックのシート表皮などを採用しました。レーシーはエクステリアだけでなくインテリアもスポーティーに仕上がっています。
2005年(平成17年)4月には、特別仕様車の「HID Limited」が発売されました。スタンダードグレードの「X」をベースにしたモデルで、ディスチャージヘッドランプが特別装備されています。
さらに、カラーにブラックマイカメタリックを選ぶことが可能です。専用シート表皮はグレーで、レーシーとはまた違った魅力がある車です。
2005年(平成17年) 12月には、マイナーチェンジがされています。特別仕様車だけのカラーだったブラックマイカメタリックが他のグレードでも選べるようになり、コラムメーターは視認性が向上しました。キーフリーシステム電子カードは防水化していて使用性が向上しています。その他、以下の部分に変更が加えられて販売が開始されました。
- フロントシートのヘッドレストのデザインを変更
- ディスチャージヘッドランプにオートレベリング機能付
2006年(平成18年)6月には、特別仕様車「アドバンスドエディション」が販売されています。予防安全装備と衝突安全装備が強化されたモデルであり、「できるだけ安全運転したい」「子供を乗せたい」という方には特におすすめのモデルです。
2006年(平成18年)12月にも、マイナーチェンジを行っています。変更箇所は以下の通りです。
- 変更箇所
- フロントのバンパー・グリルとリヤのコンビネーションランプのデザインを変更(レーシー以外)
Xグレードの電動格納式リモコンカラードドアミラーの設定拡大
サイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラーの標準装備
Gに用意されるFパッケージはフロントベンチシートを装備
シート表皮やインストルメントパネルのデザインを変更
オーディオにはメモリー機能を内蔵
ミュージックサーバーの採用
また、特別仕様車「アドバンスドエディション」には車内を消臭するためのプラズマクラスターが装備されています。
2008年(平成20年)2月には、特別仕様車「プチトマコレクション」が生産・販売されました。グレード「X」・「G」がそれぞれベースになった2種類が販売されています。特徴は名前の通り「プチトマト」をイメージした外観と内装です。とくに内装のシート表皮やフロアマットにはプチトマトマークが織り込まれているのが、かわいらしさを演出しています。さらに2008年の11月には、新色である「シャンパンゴールドメタリック」も選べるようになりました。
2009年(平成21年)4月に発売された特別仕様車「irodori」はグレード「X」をベースに作られています。くつろげる空間をイメージして作られた車で、フロントベンチシートなどが特別装備されました。
ラベンダーメタリックオパールが特別色として加わり、全11色を展開することとなりました。そのほか、クッションパッドやオーディオなども特別装備されています。初代パッソは、販売が好調のまま、2016年にその役目を終えました。
2代目 パッソ AC30型(2010年~2016年)
2代目パッソは、2010年から販売を開始されました。女性目線で開発されたコンパクトカーで、開発スタッフにも多くの女性が参加しています。2代目もまた、ダイハツとの共同開発された車です。
2代目パッソは、環境対応車普及促進税制に適合しています。また、フルモデルチェンジの際には、多くの女性スタッフが参加してデザインや使い勝手の良さを追求した結果、フロントピラー形状が変更されました。
初代よりも良好になった視界や、運転席から手の届く範囲にある収納スペースなどがあります。運転のしやすさや使い勝手が変わり、初代より運転がしやすくなりました。エンジンは、1Lの直列3気筒(69馬力)と1.3L直列4気筒(95馬力)の2機種があります。
2代目パッソには全車にフロアシフトの自動無段変速機CVTが組み合わされています。グレードは初代と変わらずベーシックモデルの「X」と上級モデルで1.3L直列4気筒(95馬力)のエンジンを使った「G」があります。
そのうえで特別仕様車やレーシーをなくし、代わりに「X」をベースにした上質なモデルである「+Hana(プラスハナ)」が設定されました。「+Hana(プラスハナ)」には専用装備がいくつか作られ、専用フロントバンパーやアウトサイドドアハンドルやドアミラーがシャンパン塗装となっているなど「X」をより魅力的に演出しています。
また「+Hana(プラスハナ)」には「Lパッケージ」と「Cパッケージ」があり、「Lパッケージ」にはキーフリーシステムやオートエアコンが装備されています。逆に「Cパッケージ」の装備は一部簡略化されているので、予算や目的に合わせて自分に合った車を選ぶことができるでしょう。
2010年(平成22年)9月には、ゆっくりくつろげることを目的としたベンチシートを全席に設置した特別仕様車「Yururi(ユルリ)」が発売されました。イモビライザー機能付きのキーフリーシステムが採用されているため、ドアの施錠や開錠、エンジンの始動が楽にできます。
カラーには専用色である「アズキマイカ」が設定され、全部で9色から選べるのも魅力といえるでしょう。「+Hana(プラスハナ)」でもイモビライザー機能付きのキーフリーシステムがオプションで選べるようになり、選択の幅が広がっています。
2011年(平成23年) 6月に発売されたのは、プラスハナをベースにした「Apricot Collection(アプリコット コレクション)」です。この特別仕様車は50周年記念として販売されたもので、インテリアに専用色であるアプリコットカラー加飾が施されているのが特徴です。
また、インサイドドアハンドルやレジスターリングにはこちらも専用色であるチョコカラー加飾がされ、かわいらしい空間を演出しました。専用シートには、チョコモノトーンシート・アプリコットカラーパイピングが入っていておしゃれさを増しています。
2代目パッソで販売された特別仕様車はほかには、2012年(平成24年) 6月に販売された「X クツロギ(Kutsurogi)」、2015年(平成27年)4月に販売された「プラスハナ Gパッケージ(+Hana G package)」があります。それぞれに特別限定色が設定されていて、快適性を向上、もしくは安全性能を向上させています。
2014年(平成26年)4月には、2代目パッソのマイナーチェンジを行っています。グレードに変わりはありませんが、より低燃費を目指した装備に切り替えているのが特徴といえるでしょう。
1Lモデル2WD車ではガソリン車でもトップの燃費を実現させています。カタログ燃費では、19.0km/〜27.6km/Lです。燃費は駆動方式や排気量によっても違いますが、エコな走り方をすることで、より低燃費を目指せるでしょう。低燃費を目指すための改良点には、以下のものがあります。
- 変更点
- 圧縮比の向上
低フリクション化
バルブタイミングの最適化
クールドEGRを採用
エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用
アイドリングストップ機能の装備
さまざまな燃費向上技術を採用することで、優れた低燃費を実現しました。さらにデザインもまた改良し、個性を際立たせています。「X」と「G」では、シャープな感じのヘッドランプや低重心のフロントバンパーを採用することで、端正なフロントビューとなっています。
「プラスハナ(+Hana)」では、丸いモチーフのアッパーグリルを採用してかわいらしさを演出しています。フォグランプとロアグリルが連続している個性的なデザインが人気で、カラーには新色である「サクラパールマイカ」が設定されました。
その他にも、オート電動格納式ドアミラー・スーパーUVカット・IRカット機能付フロントドアガラスなどが新装備されています。
3代目 パッソ M700A型(2016年~)
2016年(平成28年)4月には、2代目パッソの生産・販売が終了し、3代目パッソの販売が始まりました。フルモデルチェンジが行われたのは、約6年ぶりのこととなります。3代目パッソは、開発から生産までをすべてダイハツが行っています。
「街乗りスマートコンパクト」をコンセプトに開発され、エンブレムが専用エンブレムからトヨタのCIマークに変更されています。
グレードには上級グレードの「G」と「プラスハナ」がなくなり、「X」・「X S」・「X Lパッケージ」・「X Lパッケージ・S」・「X Gパッケージ」に加えて「モーダ」・「モーダS」・「モーダS Gパッケージ」が設定されています。
価格も1,150,200円〜1,830,600円となり、全体的に少し高めの設定となりました。搭載されているエンジンは1L 直列3気筒エンジンで、2代目までは2種類あったものが1種類に変更されています。
トランスミッションはCVTを組み合わせています。2WD・4WDのどちらでも低燃費を実現し、カタログ燃費で2WD車は28.0km/L、4WD車は24.4km/Lとなっています。
足回りを強化するだけでなくボディもより軽量化され、安心感のある走りを実現しています。3代目パッソには、安全対策としてドライバーをサポートできる衝突回避支援システム「スマートアシストⅡ」も搭載されることになりました。
エクステリアは親しみやすく安心感のあるデザインを採用しています。3代目から登場したモーダ系グレードには、上質感を演出できるLEDのロー&ハイビームとクリアランスランプを組み合わせたBi‐Beam LEDヘッドランプが標準装備されています。室内空間は、水平基調のインストルメントパネル採用によってより広めに演出しています。
また、モーダ系グレードには専用アクセントカラーにマゼンタを採用し、オーディオクラスターやイドレジスターリング・シート表皮などに使用することによってより上質さを表現しました。モーダ系グレードにはオプションで選べる有償色を含めて全18種ものカラーが用意されました。そのほかのグレードにおいては、全部で12色が用意されています。
2018年(平成30年)10月にはマイナーチェンジを行い、安全性能の向上とデザインの質感の向上を行っています。特に安全性能においては、歩行者を検知する機能やオートハイビームなどが加えられた衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が設定されました。また、カラーにおいてもモーダ系グレードには新色「ブリリアントカッパークリスタルマイカ」が新しく用意されています。
2019年(令和元年)10月には、消費税の変更に伴って価格変更を行いました。また、価格を変更するだけでなく安全装備に前後方向の障害物を検知する「コーナーセンサー」を加え、パノラミックビュー対応ナビレディパッケージも新しく設定されています。
3代目の初めての特別仕様車は、モーダ系グレードをベースにした「モーダ チャーム」です。2020年(令和2年)4月に発売され、価格は1,617,000円〜1,793,000円です。3代目の特別仕様車には、おしゃれな装備が充実しています。
また、周囲の安全性を視認できるパノラミックビュー対応ナビレディパッケージだけでなく、併せて快適装備のスーパーUVカットパッケージも装備されました。
特別仕様車の限定色として、かわいらしい「ジューシーピンクメタリック」も設定され、これまで以上におしゃれ感やかわいらしさを増しています。
3代目で最新の2021年(令和3年) 4月に販売された新型パッソにおいては、これまで以上に安全装備が強化されています。また、ドレスアップパッケージが新設定され、おしゃれでありながら上質感を求める顧客のニーズにこたえる形となっています。
特別仕様車の「モーダ チャーム」は、ホイールキャップのデザインとライトのレバーが変更されています。カラーには新色の「ターコイズブルーマイカメタリック」が用意され、全部で13色から選べるようになりました。
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各モデルのスペックを比較
パッソの歴代モデルの変遷を紹介してきましたが、より分かりやすくするために各モデルの人気グレードを数値を表で比較してみましょう。
初代(レーシー) | 2代目(プラスハナ) | 3代目(モーダGパッケージ) | |
ボディサイズ | 3630×1665×1550mm | 3650×1665×1535mm | 3660×1665×1525mm |
室内サイズ | 1830×1400×1275mm | 1830×1420×1280mm | 1975×1420×1270mm |
タイヤサイズ | (前)175/65R14 82S(後)175/65R14 82S | (前)165/70R14(後)165/70R14 | (前)165/65R14(後)165/65R14 |
エンジンタイプ | K3-VE型 1.3L 水冷直列4気筒DOHC | 1NR-FE型 1.3L 直列4気筒DOHC | 1KR-FE型 1.0L 直列3気筒DOHC |
排気量 | 1297cc | 1329cc | 996cc |
最高出力 | 92ps(68kW)/6000rpm | 95ps(70kW)/6000rpm | 69ps(51kW)/6000rpm |
最大トルク | 12.5kg・m(123N・m)/4400rpm | 12.3kg・m(121N・m)/4000rpm | 9.4kg・m(92N・m)/4400rpm |
車両重量 | 940kg | 940kg | 910kg |
価格 | 1,407,000円 | 1,470,000円 | 1,657,800円 |
パッソを賢く購入する方法
パッソの歴代の変遷や、各モデルの代表的なグレードのスペックを確認してきました。パッソの魅力を知り、改めて購入したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
ここからはそんな方々のために賢いパッソの買い方を紹介していきます。一般的には、車を購入するためには主に以下の2つの方法が考えられると思います。
- ディーラーで新車を購入する
- 中古車販売店で中古車を購入する
今回はこの2つと異なる、3つ目の車の購入方法を紹介していきます。それが、「個人売買で車を購入する」というものです。
最近ではSNSやフリマアプリなどでも車の販売はされていて、販売者と購入者の意思が一致すれば売買は成立します。
しかし、「知らない人と高額の取引をするのは怖い」と感じる方もいるでしょう。そんなときは、安心して個人売買ができるサイト「mobilico」を利用してみることをおすすめします。
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まとめ
本記事では、パッソの歴代モデルの変遷やスペックの違いなどを紹介してきました。トヨタとダイハツが共同開発し、トヨタの販売する中でも最小のコンパクトカーであるパッソは、多くのモデルチェンジを経てきました。パッソは、マイナーチェンジやフルモデルチェンジを繰り返してきたにもかかわらず、基本的な部分はそのままです。
安全性能やかわいらしいデザインなどは、初代から3代目にかけてより進化しています。3代目の発売開始から年数が経ち、4代目の発売にも期待が高まっています。パッソの魅力を知り、お得に購入したいと考えているならぜひ、「mobilico」をのぞいてみてください。好みに合った素敵な車と出会えるでしょう。
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- 面倒な作業が多くなりがちな車の個人売買ですが、面倒な作業はすべてディーラーにお任せできます。