自動車検査証

クルマは車体番号やエンジン型式など、数字やアルファベットでさまざまなものが管理されていますが、その中の1つに「型式」があります。

「型式とはなんだろう」「型式はどこで調べるの?」など、疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

今回はクルマの型式の調べ方や型式からわかることなどを徹底解説します!
誰でも簡単に調べられる型式からは、クルマの細かな情報が含まれています。
型式について気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

車の型式とは?車種や車名との違いも解説!

クルマの型式とは、車両を識別し分類するための識別記号です。
一般的にアルファベットと数字の組み合わせで表され、車種やモデルによって異なる識別記号が割り当てられます。

型式はクルマの構造・装備・性能が同一である車両同士を分類し、各車種やモデルに対して細かく設定されています。
クルマの製造年月やエンジンの種類・ボディタイプ・車両のグレードなどの詳細な情報を含んでいますよ。

そのため、クルマ新規登録や車検の際には、正確な型式を提出することが重要
任意保険の契約においても、クルマの細かな仕様がわかる型式は非常に重要な情報です。

また、クルマ購入者目線での型式は、車両の特徴や性能を把握するための参考情報として役立ちます。

 

クルマの型式の調べ方

クルマの型式を簡単に調べる方法は2つあります。

1つ目は、車検証を確認することです。
車検証の左中央あたりに位置する「型式」という項目にクルマの型式が記載されています。
そこに書かれているコードやアルファベットと数字の組み合わせが、クルマの型式を示しています。

クルマの型式を調べる方法2つ目は、コーションプレートを確認することです。
コーションプレートとは、クルマのエンジン型式や車体番号・型式・カラー番号などが刻印されている金属のパネルのことです。

このコーションプレートは、クルマのドアの内側やボンネットの内部など、車種によって異なる場合に取り付けられています。

これらの方法で型式を調べられますが、もし手元に車検証やコーションプレートがない場合は、自動車メーカーや販売店に問い合わせると教えてもらえる可能性も
正確な型式を把握することで、クルマに関するさまざまな手続きや管理を円滑に行えます。

 

型式と車種・車名の違い

車種と車名は、自動車を識別し分類するために使用される用語ですが、それぞれ「型式」とは意味や用途は異なります。

 

車種

車種は、自動車全般を分類するための共通の呼称です。
クルマの構造・大きさ・機能などが同じもの、または類似しているものをまとめて車種と表現します。

普通乗用車や小型貨物車・軽自動車などが一般的な車種の例です。

さらに、普通乗用車の中でも、セダンやステーションワゴン・ミニバンなどのボディタイプで分類されることもあります。

 

車名

一方で車名は、各自動車メーカーが独自に命名したクルマの名称です。

車名は、特定の車種やモデルを識別するために使用されます。
自動車メーカーは、車名を選ぶ際にブランドイメージや市場戦略を考慮し、独自の名前を付けています。

例えばトヨタの「プリウス」などは、メーカーが自社の車種に付けた車名です。
車種と車名の関係は、車種が広い範囲のクルマを分類するのに対して、車名は特定のクルマを個別に識別するための名称となります。

 

型式と型式指定番号の違い

トヨタなどの自動車メーカーがクルマを開発し市場で販売する前には、国土交通省の認可を受ける必要があります。

販売予定のクルマが保安基準への適合性を認められたあと、国道交通省から認可を受ける際に与えられる番号が「型式指定番号」となります。

型式指定番号は5桁の番号で管理されることが一般的で、この番号によってどのメーカーのクルマであり、どのようなエンジンやグレードを持つクルマかが特定が可能。
そのため、故障やメンテナンスの際に必要になる適正部品を用意する際や、購入時の取得税を調べるためにも利用されます。

また、エコカー減税を調べる際に型式や型式指定番号が必要となります。

エコカー減税について知りたい方は「エコカー減税とは?対象の期間・車種、税制改正の内容を解説!」もご参考にください。

 

車の型式の見方は?型式からわかること、不明の場合も

クルマの「型式」は、排出ガス規制の識別記号メーカーが決めた記号の組み合わせで、次のように構成されています。

【型式=△△△ー〇〇〇〇〇】

型式の最初の部分「△△△」は「排出ガス規制の識別記号」と呼ばれており、クルマがどのような排出ガス規制基準に準拠しているかを示すコードのことを指します。
これによって、車両の製造時期適用される排出ガス規制基準がわかります。

型式の最初に表記される「排出ガス規制の記号」には規則性があり、どの排出基準に準拠しているかで異なります。

排出ガス規制の標識記号は以下の通りに分けられています。

  • ABA:平成17年規制に適合させたもの
  • AAA:平成17年規制に適合させたハイブリッド車
  • CBA:平成17年基準排出ガス50%低減レベルのもの
  • DBA:平成17年基準排出ガス75%低減レベルのもの
  • CAA:平成17年基準排出ガス50%低減レベルのハイブリッド車
  • DAA:平成17年基準排出ガス75%低減レベルのハイブリッド車

このように排出規制によって細かく標識記号は決められています。

一方で「メーカーが決めた記号」には、メーカー間で決まった規則性がなく各メーカーは独自の記号体系を持ちます

この記号は同じメーカーでも異なる車種やグレードには、異なる記号が割り当てられ、次のような情報を含みます。

  •  メーカー
  •  車名
  •  車体の形状
  •  エンジンの種類や型式(排気量)
  • 駆動形式

トヨタのクルマの型式の一例を紹介します。

  • 平成26年8月発売モデルのプリウス:DAA-ZVW30
  • 平成30年5月発売モデルのヴィッツ:DBA-NSP130
  • 令和1年10月発売モデルのアクア:DAA-NHP10

このように型式は、排出ガス規制の識別記号とメーカーが決めた記号の組み合わせで構成されており、それぞれが異なる情報を表し、車両の製造時期やメーカー・車種などの情報の表現が可能です。

 

型式が不明な原因

クルマの型式が不明な場合は車検証に「不明(フメイ)」と記載されています。

型式が不明な原因は以下のようなケースが考えられます。

  • 並行輸入車
  • 年式の古いクルマ

それぞれ考えられる原因について1つずつ解説します。

 

並行輸入車

並行輸入車とは、正規ディーラーを介せずに、一般の輸入業者や個人によって輸入され販売されたクルマのこと。
正規代理店を通さずに輸入された車両は、元々の型式が明示されていない場合があります。

この場合は、車検証の型式欄に「不明(フメイ)」と記載されます。

 

年式の古いクルマ

クルマの年式が古い場合、当時の製造元やメーカーの情報が限定的になることがあります。
古いクルマは型式情報が適正に保存されていないことや、製造元が存在しないなどの理由から型式不明となるケースもあるのです。

何十年も前のクルマなど、「旧車」と呼ばれる車両では型式がわからないケースも多いです。
クルマの型式が不明であっても、車検や登録の手続きは行うことは可能ですが、車検証の型式欄には「不明(フメイ)」と記載されます。

 

車の型式によって自動車保険料も変わるって本当?

クルマは型式によって自動車保険料が変わります。

保険会社は「型式別料率クラス」という料率を参考にして、自動車保険料を定めています。

型式別料率クラスは、型式を参考にした事故実績を踏まえて算出したもので、人気車種になるほど料金は安くなりやすい傾向にあります。
そのため、等級などの条件を同一とした場合に、人気車種よりもマイナー車種の方が自動車保険料が高くなる可能性があります。

では、自動車保険の料金算出に影響する型式別料率クラスとは、どのような仕組みなのでしょうか。

 

型式別料率クラスとは

型式別料率クラスとは、各型式ごとで事故や盗難データ・損害の発生状況などを分析し、リスクの程度を評価してクラス分けしているものです。

この型式別料率クラスには「対人賠償」「対物賠償」「傷害(人身傷害・搭乗者傷害)」「車両保険」の4つの項目があり、それぞれでクラス分けされています。

車検証の用途車種の登録が自家用(普通・小型)乗用車は17段階で、自家用軽四輪乗用車は3段階の数字でクルマごとに細かく分かれています。
保険料は、数字が小さい方が安く、最も安いクラスが1、最も高いクラス17となります。
※2019年12月31日始期までの契約については9段階

型式別料率クラスは、損害保険料率算出機構が1年1回見直しを実施しながら決められている仕組み
そのため、型式以外が同条件の場合でも自動車保険は料金の差が生じます。
型式別料率クラスは、保険料の公平性と適正性を確保するための重要な指標といえるでしょう。

損害保険料率算出機構のWebサイトから確認できますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
損害保険料率算出機構「型式別料率クラス検索」

 

車の型式が由来になった「TOYOTA 86」「GR 86」とは?

GR86

TOYOTA86は、1983年に発売された「カローラレビン スプリンタートレノ」の共通車両形式番号「AE86」が名前の由来となっています。
クルマのエクステリアや走行性能からスポーツカー好きの若者から絶大な指示を得て「ハチロク」の呼称で人気を集めています。

AE86が販売終了を迎えても人気は衰えることなく、2012年4月6日にスバルと共同開発され、86として全国で販売されました。
2023年現在でも人気を集めている「ハチロク」がどのようなクルマなのか特徴を詳しく紹介します。

 

「TOYOTA 86」「GR 86」の特徴

「TOYOTA 86」「GR 86」の特徴は以下の通りです。

  • スポーティなデザイン
  • 高い走行性能
  • ドライバー重視の設計
  • 走りの安定性

それぞれの特徴を詳しく解説します。

 

スポーティなデザイン

TOYOTA86とGR86は、スポーティな外観が特徴的です。
低く構えたボディデザインやマッスルライン、大胆なフロントグリルなどが力強さとスポーティな印象を与えます。

 

高い走行性能

TOYOTA86およびGR86は、高い走行性能を実現しています。
特にエンジンの性能は注目されており、スポーツエンジンを搭載。

筒内直接噴射とポート噴射を制御するD-4Sという技術が採用されており、パワフルな加速や高回転域での力強い走りを実現しています。

 

ドライバー重視の設計

TOYOTA86およびGR86は、ドライバーの操作感に重点を置いて設計されています。

応答性の高いステアリング、適切な位置に配置されたペダル、ドライバーの身体にフィットするシートなど、運転者の感覚に合わせた設計がされているのも特徴の一つです。

 

走りの安定性

TOYOTA86とGR86は、走行安定性も高いクルマです。
ボディの剛性向上やサスペンションの最適化などが行われており、高速道路やカーブなどでの安定感を体感可能です。

 

「GR 86」の基本スペック

TOYOTA86は2021年10月28日のフルモデルチェンジを経て、「GR86」に名前が変わりました。

ここでは「GR86」の基本スペックをご紹介します。

GR86は、振動が少なく、低重心な水平対向エンジンを使用しているので、走行安定性に優れています。

また、軽量化にも成功しており、車両重量は1,260㎏です。
軽量のクルマに排気量が2,387Lとパワーのあるエンジンを搭載しているので、パワフルな加速感を体感できるでしょう。
GR86については「GR86のグレードの違いは?特徴や選ぶポイントをチェック!」のコラムで詳しくお話ししています。
あわせてチェックしてみてくださいね。

 

まとめ

クルマの型式は「排出ガス規制の識別記号」と「メーカーが決めた記号」の2つで構成されています。
排出ガス規制の識別記号には規則性があり、車両の製造時期、適用される排出ガス規制基準が記載の文字列から判断できるようになっています。

また、型式には「メーカー」や「車名」「グレード」など、クルマの詳細情報が含まれています。

全てのクルマに型式が割り振られていますが、並行輸入車などは「型式不明」のクルマも存在します。
クルマの型式はコーションプレートや車検証から調べられますよ。

型式は、新規登録や車検、任意保険の契約の際に必要となりますので、一度確認してみてくださいね。

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