トヨタ カローラは1966年に製造・販売されてから、半世紀以上長く愛されてきたロングセラーブランドです。時代の変化とともにモデルチェンジを繰り返し、成長し続けてきました。
セダンタイプの初代カローラから、コンパクトカーやステーションワゴンなど様々な生活様式に合わせて革命を続けてきたのです。歴史が長いからこそ、オジサン向けというイメージの時代もありました。しかし現在は若年層からファミリー、シニアまであらゆる世代から人気となっています。
バッテリーといえば車の基本的な消耗品の一つなので、寿命や金額などは注目すべき点です。さらに交換方法や、消耗しやすい運転方法なども気になる方が多いのではないでしょうか。
そこで本記事は、カローラのバッテリーについて徹底的に解説していきます。寿命や交換費用についても解説していくので、カローラを購入しようか考えている方はぜひ本記事を参考にしてみてください。 中古車をさらにおトクに買うならモビリコ!
目次
カローラのバッテリーの種類は?
バッテリーの役割は、エンジン始動やヘッドライト、テールライト、ワイパーなど車の利用に欠かせない電気装置に電源を供給することです。ただし、バッテリーはガソリン車とハイブリッド車では決定的な違いがあるので、注意が必要です。
まず、ガソリン車には、バッテリーが1つ搭載されており、主な目的はエンジンの始動です。一方、ハイブリッド車には、「メインバッテリー」と「補機バッテリー」2つのバッテリーを搭載する必要があります。
メインバッテリーは、走行用モーターの駆動を担っています。つまり、ガソリン車の「ガソリン」部分です。
また、補機バッテリーは、ガソリン車のバッテリーに相当します。ハイブリッドシステムを起動したり、社内機器電源を担っており、特殊な用途に使われます。
カローラのバッテリーの寿命は?
メインバッテリーは、走行距離10万kmが交換の目安です。残量が減ってくると、警告灯が点灯するので、最寄りのディーラーに問い合わせてください。
補機バッテリーは以前に比べると性能が向上していますが、それに比例して車内の電気装置も増えており、結果、平均寿命はほとんど変わっていません。バッテリーの寿命は一般的に2〜3年といわれていますが、場合によっては5年ほどもつこともあります。
走り方や車内アクセサリー、住んでいる地域などいろんな条件でバッテリーの寿命は倍にまで変わってしまいます。ガソリンのように「残量見える化」されていないので、急にエンジンがかからなくなってしまうこともあり、定期的なチェックは必須です。
ディーラーの1年点検や、ガソリンスタンドの無料点検など気軽にチェックすることができるので、ぜひ利用してみてください。
カローラのバッテリーサイズは?
バッテリーを販売店で探すと、種類の多さに驚きます。どれを選ぶのが最適なのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。まずはバッテリータイプを知ることから始めましょう。
バッテリーサイズの確認方法
バッテリーの確認方法は、まず車検証確認するのが一番の近道です。車検証4段目の「型式」にはアルファベットと数字が組み合わさった記号が記載されています。
この「型式」が分かれば、ネット上の「バッテリー適合表」や、お客様相談センターで適合するバッテリーサイズを確認することができます。
また、標準車と寒冷地仕様車では、適合バッテリーが違う場合があります。「愛車が寒冷地仕様かどうかわからない」という方も多いのですが、一般的にリヤフォグランプやウインドシールドデアイサー(フリントガラス下部の熱線)などの装備が付いていると寒冷地仕様車となります。
しかし、車検証に記載されておらず、はっきりしたことが分からない場合は、お客様相談センターに問い合わせるのが一番確実で早いです。お問い合わせの際は、先ほどの「型式」メモを忘れないようにしましょう。
カローラのバッテリーサイズ
現在販売しているカローラのバッテリー適合表は以下の通りです。
種類 | ハイブリッド車 | ガソリン車 |
排気量 | 1.8L | 1.5L |
バッテリータイプ | LN1 | LN1 |
容量(Ah) | 45Ah | 45Ah |
コールドクランキングアンペア(CCA) | 295A | 295A |
排気タイプ | 各セル排気タイプ (液栓あり) |
各セル排気タイプ
(液栓あり) |
交換する際は事前に確認するようにしましょう。
カローラのバッテリーの気になる交換費用は?
ハイブリッド車のメインバッテリーは、車種にもよりますが15〜20万円ほどかかります。走行距離10万kmが交換目安となるので、10年以上交換する必要がない車もあれば、3年で交換となってしまう車もあります。
補機バッテリーの交換費用は、カローラの場合25,000〜40,000円ほどです。ネットでの購入は安くなっていることも多いですが、中古品の場合もあり、粗悪品には注意が必要です。
せっかく安く手に入れたバッテリーも、工賃や廃棄料が加算されて「販売店舗での交換より高くついた!」ということもあるので注意が必要です。
バッテリーを消耗させやすい運転方法5選!その対策も!
先述した通り、バッテリーの寿命は2〜5年とかなり幅があります。できる限りバッテリーに優しい運転を心掛けたいと思う方が多いでしょう。
ではバッテリーの寿命を短くしてしまう運転方法とはどんなものでしょうか。ここからは代表的なバッテリーを消耗させやすい運転方法を5つ紹介していきます。参考にして、エコなカーライフを目指してみましょう。
①車を動かさず放置
バッテリーは「放電」と「充電」を繰り返しています。車が止まっているときでも常に「放電」し続けます。一方で「充電」は、走行中のエンジンの余剰電力を使って自己充電をします。つまり、走行をしなければ充電されず、充電なしで放電し続けることとなり、バッテリーは劣化してしまうのです。
これを防ぐ方法として、2週間に1度、30分間程度エンジンをかけるようにしてください。しかし、この方法はあくまで目安となるので、週に1回程度、30分〜1時間ほどの運転ができると安心です。
どうしても数か月エンジンをかけることも難しい場合は、バッテリーのマイナス端子を外しておくと自然放電を防ぐことができます。
②近距離&短時間乗り
「お買い物にちょくちょく乗ってるから大丈夫」と勘違いをしている方もいるのではないでしょうか。実は近距離&短時間のちょい乗りだと、エンジン始動時に使った電源の補充ができる前に、エンジンを止めてしまうことになってしまいます。
渋滞が少なく、信号も少なく10kmをノンストップで走れるような道がおすすめです。渋滞情報はこまめにチェックする癖をつけましょう。
③夜間走行
夜間の走行時には、ヘッドライト、テールランプを常時つけておくことになります。消費電力は、昼間の走行に比べ格段に上がります。電力を消費した分、バッテリーは劣化してしまうのです。
④アイドリングが少ない
「アイドリングストップ」というと、燃費が良くなり、排ガスも騒音も抑えられ、多くのメリットがあります。しかし、バッテリーやタイミングベルトなどの部品が早く消耗してしまうことがデメリットとして挙げられます。エンジンの始動と停止を何度も繰り返すことが、バッテリーへの負荷となってしまうのです。
バッテリーの消耗を防ぐためには、エンジンをかけてしばらくアイドリングをしてから発信するように心がけましょう。アイドリングストップはメリットとデメリットを考慮したうえで、状況に応じて適切に行うことが本当のエコにつながります。
⑤バッテリー上がり
「ヘッドライトや室内灯を消し忘れて、翌朝バッテリーが上がっていた」という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
バッテリーは寒さに弱く、寒冷地では電圧が下がってしまいます。過酷な外気温はバッテリーを疲弊させてしまい、突然エンジンがかからない事態に陥ることがあります。
一度バッテリー上がりを起こしたバッテリーは、ダメージが大きく、寿命にも影響します。ヘッドライトの消し忘れなどには十分注意しましょう。
また、寒冷地での使用の場合は、屋根付きのガレージに止めるなどの対策ができるといいでしょう。市販のバッテリー専用保温材で温めるのも1つの手です。
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バッテリーの交換時期を見極めるポイント4選
バッテリーは、ガソリンのように残量が目に見えないため、突然エンジンがかからなくなってしまうことになりかねません。しかし、そんな沈黙のバッテリーもいくつかのSOSを発信してくれています。そんなSOSをしっかりキャッチし、早めに対処できるようにしましょう。
①エンジンがかかりにくくなる
バッテリーの寿命が近づくと、エンジンの始動に時間がかかったり、きゅるんきゅるんと空回りをするようになります。
きゅるんきゅるんと音がするようになったら交換時期なので、バッテリー交換を検討するようにしましょう。
②ライトが暗い
ヘッドライトや室内灯の明るさにも注目してください。バッテリーが劣化してくると、ライトが暗くなることがあります。
走行中は電力が充電されるので十分な明るさがあっても、始動時に暗ければバッテリーの劣化を疑ったほうがいいでしょう。
しかし、現在販売中のカローラは消費電力の少ないLEDライトを採用しているため、ライトの暗さを実感するのは難しいかもしれません。
③パワーウインドのスピードが遅い
パワーウインドもバッテリーからの電力で開閉しています。「いつもより開閉が遅いな」と感じたらバッテリーが消耗しているかもしれません。
電力の過剰使用で遅くなることもあるので、一概にバッテリーの寿命が影響しているとは言えませんが、念のためバッテリーチェックをおすすめします。
④オーディオの音量が不安定
オーディオの電力もバッテリーから供給されています。音量が不安定なようならバッテリーが影響しているかもしれません。音がぶれたり途切れたりするようなら、バッテリーチェックをしてみてください。
新しいバッテリーに交換すると、音質が良くなることもあります。
バッテリーはどこで交換すべき?
ハイブリッド車のメインバッテリーは、基本的にトヨタの販売店でのみ交換が可能です。メインバッテリーは大容量の高電圧バッテリーのため、特別な講習を受けた整備士のみが取り扱えるものとなっています。
メインバッテリーが寿命を迎える際は、警告灯が点灯するので、早めにディーラーへ相談しましょう。補機バッテリーは、3つの方法で交換することができます。知識や予算などで選択しましょう。
①カーディーラーで交換する
カーディーラーには、カローラに特化した知識豊富な整備士が多いです。純正品がすぐに手に入りやすく、在庫も豊富です。
車さえ持っていけば総合的に診断して最適なバッテリーに交換してくれるので、知識がない人には大きなメリットといえるでしょう。少し高い工賃設定になっていますが、それをカバーするだけの安心感を得ることができます。
また、他の不具合にも対応してもらえ、待ち時間に試乗ができる店舗もあります。
②バッテリーを購入したカー用品店でそのまま交換する
ガソリンスタンドやカー用品店、整備工場などでバッテリーを購入し、そのまま交換してもらうことも可能です。純正品以外の取り扱いもあるので、選択肢が増えます。
バッテリー代のほかに、工賃やバッテリー廃棄料が加算されるのが一般的ですが、無料のお店もあります。ただ中には「ハイブリッド車は承れません」とアナウンスしている店舗もあるので、事前に店舗へ問い合わせてみるといいでしょう。
③自分で交換する
とにかく安く交換したい!という方や、車に詳しい方には、ネット通販やホームセンターでバッテリーを購入し、自分で交換する方法もあります。知識が必要ですが、チャレンジする価値はあります。
カローラのバッテリーを交換する方法
自分で交換するには、交換用バッテリーといくつかの工具を用意する必要があります。初めての方には少しハードルの高い作業となりますが、少しの知識で交換が可能です。しかも安くできるとなればチャレンジしたくなる方もいるのではないでしょうか。
ここではカローラのバッテリー交換方法を簡単にご紹介します。実際はバッテリー取り扱い説明書の内容に従って安全に作業を進めてください。
バッテリー交換に必要な道具を準備する
バッテリー交換に必要な道具は以下の5点です。
- バッテリー交換に必要な道具
- ・新しいバッテリー
- ・ゴム手袋(滑り止め付き)
- ・スパナ
- ・バックアップ電源
- ・絶縁保護カバー
カローラのバッテリーの場所を確認する
必ずエンジンを切ってから作業を始めましょう。万が一の感電などの事故を防ぐためです。
まずボンネットを開けて、バッテリーの位置を確認してください。
バックアップ電源を取り付ける
バックアップ電源は、バッテリー交換時に車やナビの設定が初期化されないようにする装置です。バックアップ電源に使用する乾電池は、充電式ではなくアルカリ乾電池を使用してください。充電式乾電池は電圧が弱いため、正常にバックアップされない可能性があるのです。
バッテリーのプラスターミナルに、バックアップ電源の赤クリップを、マイナスターミナルに黒クリップを挟んで固定します。
バッテリーを交換する
次は、いよいよ交換作業に入ります。軍手をして作業開始です。
手順①マイナス端子を取り外す
マイナス端子をラチェットやスパナで外します。必ずマイナス端子が先なので、注意が必要です。工具がプラス端子に触れるとショートするので、気を付けて作業をしてください。
手順②プラス端子を取り外す
次にプラス端子を外します。先ほどのマイナス端子と要領は同じです。他の金属部分に工具が触れないよう気を付けてください。取り出したプラス端子は、絶縁保護カバーに入れておきましょう。
手順③バッテリーを取り出す
バッテリーを取り外します。
バッテリーはとても重いので、落とさないよう注意が必要です。
手順④新しいバッテリーを取り付ける
向きに注意しながら、バッテリーを取り付けます。今度はプラス端子→マイナス端子の順で取り付けます。
その際、ターミナルの根元までしっかり固定をしてください。
手順⑤バックアップ電源を取り外す
必ずマイナスターミナルの黒クリップから外してください。先に赤クリップを外してしまうと、火花が出てしまうので注意が必要です。
黒クリップを外したら、プラスターミナルの赤クリップを外します。
エンジンのテスト始動をしてください。エンジンが無事かかれば、これでバッテリー交換は完了です。
バッテリーを廃棄する
バッテリーは通常ごみとして廃棄することができません。ほとんどの自治体では回収不可となっています。それではどのように廃棄したら良いのでしょうか。
結論、ガソリンスタンドやカー用品店などで廃棄を依頼することができます。廃棄料は、無料〜数百円ほどです。前もって店へ連絡してから廃棄バッテリーを持ち込むようにしましょう。
カローラのバッテリーを選ぶ際の注意点3点
ネットや販売店を見ると、多くのバッテリーが並んでいます。どのバッテリーが自分の車に合っているのか悩んでしまいます。そこでバッテリーを選ぶ際の注意点を紹介します。
注意点①サイズと容量を合わせる
バッテリーを選ぶ際は、必ずサイズと容量を合わせましょう。またカローラの場合欧州規格(EN規格)を採用している車種が多くなっています。一部JIS規格使用の車種もあるので、確認が必要です。
注意点②保証期間は十分か
ネット通販では自動車販売店やホームセンターより格段に安くバッテリーを販売しています。しかし、しっかり見極めをしないと「安かろう悪かろう」の粗悪品をつかまされることになります。
トラブルに発展しないようにするためにも、2年保証など長めの保証をつけている販売店を選ぶようにしましょう。
注意点③バッテリーのコスパが良いか
カローラのバッテリーの価格は、購入する店舗や商品によって8,000円程度のものから40,000円ほどするものまであります。高価だからといって必ずしも寿命が長いわけではありません。使用状況にあったバッテリーを選ぶようにしましょう。
低価格の商品を、2~3年でこまめに交換するほうがコストパフォーマンスがよくなる場合もあります。
カローラのバッテリーが上がってしまう原因
バッテリー上がりは、JAFの2021年出動理由TOP1となっており、全体の36%にも及びます。この数字からもいかにバッテリー上がりが身近に起こっているのかがわかるのではないでしょうか。
では、バッテリーが上がってしまう原因はどのようなものなのでしょうか。原因が分かれば、バッテリー上がりを防ぐことができるかもしれません。
原因①ライトの消し忘れ
夜間やトンネル走行のあと、ヘッドライトを消し忘れてしまうと延々と電力が消費されることになります。
また、半ドアの際も、室内灯が点灯し続け、バッテリーが上がる原因となってしまいます。
車を降りるときは、ライトやドアなど指さし確認をするようにしましょう。
原因②運転頻度が少ない
車を始動させないと、バッテリーは自然放電を続け、充電されないまま電力が減っていってしまいます。週に1回30分のドライブを心掛けましょう。
それが無理であれば、バッテリーのマイナス端子を外しましょう。次に乗るとき、マイナス端子をつなぎ忘れないように気を付けてください。
原因③停止時の電力使用
夏場などエンジンを切ってからもエアコンをつけたまま車の中で待機したり、オーディオをつけっぱなしにしていると、電力が消費されバッテリー上がりの原因になりかねません。
「放電」と「充電」のバランスを意識するといいでしょう。
カローラのバッテリーが上がってしまった際の対処法
日ごろからバッテリーチェックを行い、バッテリーに優しい運転を心掛けるようにしましょう。
それでもミスが重なってしまったり、気候が影響したりするとバッテリーが上がってしまうことがあります。そんな時前もっていくつかの対処方法を知っておくと、慌てず対処することができます。
対処法①ロードサービスを呼ぶ
JAFや任意保険でロードサービスに加入している方が多いのではないでしょうか。契約によって無料・有料とありますが、高くても1万円前後で対応してもらえます。
いざという時のためにロードサービスの受付電話番号を手元に置いておくようにしましょう。
対処法②ジャンピングスタートを行う
ジャンピングスタートとは、始動にかかる電力をほかの車から一時的に分けてもらう方法です。ブースターケーブルと、もう1台の車があればジャンピングスタートを行えます。
ジャンピングスタートを行う前に、ブースターケーブルが断線していたり劣化していないか、必ず点検をしてください。
ただ、あくまで応急処置なので、アイドリングストップをせず1時間ほどそのまま走行し充電をするようにしてください。充電が十分でない状態で一度エンジンを切ってしまうと、またエンジンがかからなくなってしまうことがあります。
対処法③ジャンプスターターを使う
ロードサービスやほかの車の力を借りず、自力でエンジンを始動するには、ジャンプスターターを使います。カー用品店では1万円ほどで購入が可能なので、いざという時のために車に積んでおくのもいいかもしれません。
まとめ
本記事では、カローラのバッテリーについてご紹介してきました。
バッテリーは消耗品であるにもかかわらず、消耗や劣化が目に見えづらく「沈黙のパーツ」といえるでしょう。日ごろの点検で突然のバッテリー上がりを防ぐことができます。
また、生活環境や外気温など防ぐことのできないものもありますが、少しの工夫で寿命を延ばすことができるのです。
本記事を参考にして、進化し続けるロングセラーブランド「カローラ」で、より充実したカーライフを送ってみてください。
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