クルマを買い替える場合は、契約しているクルマも変わるため、保険の契約内容も変更しなければなりません。
自動車保険には、「自賠責保険(強制保険)」と「任意保険」の2種類があります。

手続きを適切に行なっていないと「無保険状態」となり、補償が受けられなくなってしまう可能性があります。

今回は、クルマの買い替え時に必要な保険の手続きについて解説します。
手続きの流れや注意点なども解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

車を買い替える際には保険の変更手続きが必要

万が一の事故に備えて、クルマに乗る人が加入する自動車保険。

日本の自動車保険には、「自賠責保険(強制保険)」と「任意保険」の2種類がありますが、どちらも加入時に登録したクルマが補償の対象となります。
そのため、クルマを買い替えた際は、自賠責保険も任意保険も改めて手続きをする必要があるのです。

買い替えの際に保険を円滑に適用させるためには、正確に保険に関連する手続きを進めることが大切です。
注意不足で保険に関連した手続きを忘れてしまうと、円滑に手続きが進まなかったり補償を受けられなかったりする場合もあるため、注意しましょう。

 

車の買い替え時の「自賠責保険」と「任意保険」の手続きは別!

自動車に関係する保険は、「自賠責保険」と「任意保険」の2つに分類されています。

自賠責保険は、法律で加入することが義務付けられている保険となっています。
自賠責保険に加入していないと、公道を走行することはできません

一方、任意保険は必ず加入しないといけないわけではありません。
しかし、自賠責保険は交通事故の被害者に対する救済が目的とされている保険で、相手側の「人」に対しての被害のみが補償されることになります。
相手側のクルマや周囲の建造物などを破損させたとしても、自賠責保険では補償されません

そして、自分の怪我やクルマの破損などの補償も該当しません
万が一事故が起こった場合は、自賠責保険の補償だけでは決して十分とはいえないため、任意保険にも加入しておくことをおすすめします。

自賠責保険、任意保険の両方に加入している場合は、クルマの買い替え時にはそれぞれ手続きする必要があります。

クルマの個人売買の場合は、こちらのコラムで流れなどを詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてくださいね。
車の個人売買の流れ!必要な手続きと書類まとめ

 

車を買い替えた際の手続き|自賠責保険

自賠責保険

自賠責保険とは全てのクルマが加入しなければならない保険で、このことは「自動車損害賠償保障法」という法律によって定められています

自賠責保険が切れたままで公道を走行していると、懲役または罰金が科せられます。
さらには免許停止の処分となってしまうため、クルマの買い替え時における保険の手続きでは特に注意したいところです。

自賠責保険は、車検とセットになっています。
車検証が有効である期限までの保険料金を一括して支払い、その後は車検を受ける度に次の車検までの保険料を一括して支払う仕組みとなっています。

なお、中古車に買い替えた場合は、購入した中古車に自賠責保険の補償期間が残っていれば、名義変更手続きが必要となります。

 

自賠責保険は引継ぎができないため新規加入と解約手続きをする

保険期間がまだ残存している状態でクルマを売却・廃車にする場合は、申請することによって既に支払い済みとなっている保険料の残額が還付されます。
廃車にする際は、自分で解約する手続きをしなければ、還付金を受け取れなくなってしまうため注意しておきましょう。

クルマを売却する場合は、売却する額に還付された金額が査定額に上乗せされていることが一般的です。
そのため、還付金が含まれているかどうかをよく確かめておく必要があります。

なお、自分が加入していた自賠責保険は引き継ぐことができないため、クルマを買い替えたら新規で保険に加入する必要があるのです。

この場合は新しく買い替えたクルマの車検証と自賠責保険証明書を準備して、損害保険会社へ連絡をします。
販売店を通じて手続きすることも可能ですので、忘れずに加入するようにしましょう。

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車を買い替えた際の手続き|任意保険

任意保険

任意保険は対人・対物の補償といった相手に対する補償のほかに、人身傷害・車両保険といった自分や自分のクルマに対する補償もセットされています。
弁護士費用・他車運転といった特約を付加することによって、事故が発生した場合の損害に対する補填を幅広く確実に受けられる保険です。

任意保険は強制ではないものの、万が一交通事故に遭遇した場合に、自賠責保険のみでは補償しきれない部分が多くなっているため、実際には多くの人々が加入しています。

なお、これまで加入している保険の条件に合致しない場合は継続できないため、新規で保険へ加入しなおす必要があります。

 

車の買い替え時の任意保険は「車両入替」の手続きが必要

任意保険も、契約している人ではなくクルマに対して保険がかけられているため、「車両入替」といった手続きをする必要があります。
新しいクルマを購入してから30日以内に手続きする必要があり、仮に手続きをしないままで所定の期間を超過してしまうと、補償はゼロとなってしまいます。

 

車両入替が可能となるケース

車両入替とは今まで利用していたクルマを手放した場合に、保険を契約するクルマを変更するための手続きです。
保険会社によって異なりますが、主として以下のケースにおいて車両入替が可能となっています。

【車両入替が可能となるケース】

  • クルマを買い替えた場合に、買い替えをする前のクルマは廃車・下取り・譲渡といった理由で、既に手放している
  • 入替した後の「所有者」が入替する前と同一であるか、入替する前の記名された保険者・記名された被保険者の配偶者・同居の親族になっている、もしくは所有者がクルマのディーラーや販売会社かつ使用者が記名された被保険者本人・配偶者・同居の親族
  • 入替した前後の自動車の用途が、これまでと同一の自家用5車種※である

※自家用5車種:「自家用普通乗用車」「自家用小型乗用車」「自家用軽四輪乗用車」「自家用小型貨物車」「自家用軽四輪貨物車」に該当するもの

 

任意保険の車両入替の手続きの流れ

任意保険の車両入替の手続きは保険会社によっても異なりますが、クルマの購入が決まったら、一般的に次のような流れで行います。

 

ステップ1:保険会社へ連絡する

保険会社へ連絡します。
一般的に、クルマの納車日が決定していると手続きに進めます

手続きの方法は、保険会社によって多少異なり、ホームページなどで詳しく案内があることがほとんどなので、まずはそちらを確認しましょう。

通販型自動車保険の場合は、インターネットや電話で手続きを行うことが多いです。
代理店型自動車保険の場合は、保険代理店などに連絡をして手続きをします。

ほとんどの保険会社においては、新しいクルマを購入してから「30日以内」といったルールが設定されています。

また、このタイミングで補償内容も見直してみることもおすすめです。
クルマをぶつけてしまったときなど、修理が必要なときに修理代金を補償してもらえる車両保険は付けていないという方も多いです。
しかし、買い替え直後は新しいクルマは運転時の感覚が違うので、こすったりぶつけたりしやすくなります。

買い替え後1年間のみなど、新しいクルマの運転感覚がしっかりつかめるまでは車両保険を付けておくと安心ですよ。

 

ステップ2:必要書類を準備する

車両入替をする場合には以下の書類が必要となります。

  • 契約している保険証券
  • 新しいクルマの車検証

保険証券は、保険会社において契約者を特定するために必要となる書類です。
証券番号で契約している内容を特定できるため、事前に準備しておきましょう。

また、クルマの登録番号(ナンバープレート)や車体番号を登録するために車検証も必要となります。

手続きに必要な情報は以下の通りです。

  • 型式
  • 車名
  • 初度登録年月(初度検査年月)
  • 登録番号(ナンバープレート)
  • 車台番号
  • 所有者(使用者)

中古車の場合、変更前のナンバープレートのままになっていることがあります。
必ず変更後の登録番号で手続きを行なってください

車検証が発行されたら迅速に手続きを進めましょう。

このほか、年間の保険料算出のために、保険会社によっては積算距離計の数値を求められることもあります。
これは、年間走行距離に応じて保険料が変わる保険があるためです。
積算距離計の数値は、買い替え前と買い替え後の両方のクルマのものが必要なので、忘れずにメモをしておきましょう。
新車の場合は0km中古車の場合は自動車販売店に確認をしてください。

 

ステップ3:差額分を精算する

クルマのグレードや種類、等級により保険料が変わる場合があります。

保険料が高くなる場合には差額分の保険料の支払いをし、保険料が低くなる場合には払い戻しの手続きをします。
差額分を精算する手続きを円滑に進めていくために、事前に保険証券車検証銀行口座番号クレジットカード情報も準備しておくようにしてください。

 

ステップ4:新しいクルマの車検証を送付する

保険会社から車検証のコピーの送付を求められることがあります。
車検証は納車と同時に手元に来るため、販売店に依頼してコピーをもらっておくことをおすすめします。

インターネットで保険の手続きを行う場合は、車検証のコピーは求められないこともあります。

 

車の買い替え時に行う保険変更手続きの注意点

自動車保険の切り替えをする手続きでは、車両入替手続きのタイミング等級の引継ぎに関する疑問が多いようです。

気を付けないと保険料が大幅に上がってしまったり、事故に遭ったときに補償を受けられなくなったりしてしまうおそれも。
抜けや漏れのないようチェックしておきましょう。

 

車両入替の手続きをするタイミング

車両入替の手続きは、新しいクルマの納車前に完了しておくことをおすすめします。

手続きが完了していなかった場合、新しいクルマで事故に遭遇した場合の補償は受けられません。
納車される前であったとしても切り替える日を納車日に指定することが可能であるため、納車される前に完了しておくようにしましょう。

すでに納車済みである場合でも入替手続きは可能ですが、お伝えした通り保険会社によっては「新しいクルマの納車日の翌日から起算して30日以内」などの期限が設定されているため、速やかに手続きを済ませるようにしましょう。

また、多くの保険会社において、「車両入替における自動車担保特約」が用意されています。
これは、手続きをもし忘れてしまっても、一定の期間においては補償が受けられるというものです。
万が一、変更手続き前に事故に遭っても、この特約で期間内の事故であれば補償を受けられます

 

車両入替では等級の引継ぎを必ず行う

車両入替の手続きでは、今までの等級を引き継ぐことが可能です。

高い等級を引き継ぐことができれば、そのぶん保険料を抑えることができます。
その一方で、手続きをせずに、新規に自動車保険を契約する場合は、原則として6等級からのスタートとなります。

等級の引継ぎで注意したいのは、車両入替のタイミング
等級ダウンにつながる事故がない場合、等級の引き上げは、保険期間が満了するタイミング(1年ごと)で行われます。
車両入替を行なった場合、車両入替の適用日から1年経過後に等級が引き上げられることになります。

例えば、保険期間満期まで3カ月ある状態で車両入替を行なった場合、通常であれば等級が上がるのに3カ月しかかからないところ、1年に伸びてしまうということです。

保険期間満期までの期間が短い場合には、納車のタイミングには注意したほうが良いでしょう。

とはいえ、保険期間がもったいないからと保険に入るのを引き延ばすのはおすすめしません
万が一の交通事故に遭った場合に、多額の損害を被ることとなります。

また、軽微な事故であっても、事故の相手との示談交渉や必要書類の手配などをすべて自分で行わなければならなくなるため、任意保険未加入期間はないようにしましょう。

 

等級を引き継ぎできないケースもある!

車両入替が可能なケースでもご紹介しましたが、逆をいうと、その条件を満たしていなければ等級を引き継ぐことができません。

まずは、完全にクルマを手放せていない場合
買い替え前のクルマが自宅にあると等級を引き継げないので、買取業者などに渡したりスクラップにしたりして、完全に手放す必要があります。

次に、記名被保険者の変更があったときです。
クルマの買い替え時に記名被保険者の変更を行うと、等級が引き継ぐことができないケースもあります。

記名被保険者とは、契約車両を主に使用する人のことを指します。
記名被保険者を中心に補償範囲は決定されますが、契約車両につき1名しか設定できません

保険会社によって異なりますが、一般的に等級を引き継ぐことができる記名被保険者の範囲は次の通りです。

  • 現在の記名被保険者の配偶者
  • 現在の記名被保険者の同居の親族
  • 現在の記名被保険者の配偶者の同居の親族

配偶者、または同居であることを条件にしていることが多いため、別居している子どもや親族に記名被保険者を変更する場合には注意が必要です。

最後に、等級の引継ぎは自家用車にのみ認められています。
自家用車から事業用になる場合、等級は引き継ぐことができません。

 

まとめ

クルマを買い替えた場合には、自賠責保険・任意保険を変更する必要があります。
自賠責保険は加入することが義務付けられている保険のため、クルマを新しいものに変えた場合には新たに加入が必要です。

これに対して、任意保険は万が一事故に遭遇した場合に備えて加入する保険です。
クルマを変えた場合には「車両入替」の手続きをすることによって、買い替える前のクルマから継続して補償を受けられます。

手続きすることを忘れたり、手続きすることが遅れてしまったりすると、補償を受けられない期間が生じてしまうといった問題が発生してしまうため、納車日がわかったら保険の手続きを速やかに済ませましょう。

保険の手続きでは、車両入替のタイミングや等級の引継ぎに注意が必要です。
等級の引継ぎができなかった場合、保険料が高くなってしまうこともあります。

等級引き上げのタイミングなども踏まえて、買い替えのタイミングを検討してみてくださいね。

 

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