近年、人気の軽商用車（セミキャブオーバーバン）として活躍しているのがトヨタピクシスバンです。トヨタで初めての軽商用車で、乗り降りが楽なつくりで、荷物をたくさん積載することができます。

最大の特徴として、室内が広く使い勝手が良いということが挙げられます。スクエアなボディ形状から、室内の隅々まで荷物を積載することができます。最大でみかん箱を65箱も積載するほど、広い空間を持っているのが魅力です。また、助手席を倒せば、最大で2,630mmの長物も積載することができます。大型のグローブボックスやアンダートレイなど、大小の収納も充実しているので、使い勝手は抜群です。

そんなピクシスバンですが、「どんな内装なのか詳しく知りたい」「グレードごとに内装に違いがある？」など内装について気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ピクシスバンの内装について、運転席周りやシートをはじめ、オプションなどを詳しく紹介していきます。

ピクシスバンの内装

まずは、標準搭載されているピクシスバンの内装について以下の8つに分けて詳しく紹介していきます。

・運転席周り
・シート
・運転席・助手席
・後部座席
・ラゲージルーム
・収納
・加装パーツ
・その他の装備

まずは運転席周りから紹介していきます。

運転席周り

車を運転する上で運転席周りは装備によって運転のしやすさや快適さが変わるため、ドライバーにとって重要な箇所です。まずは運転席周りの装備について見ていきましょう。

運転席周りの装備①ステアリングホイール

ピクシスバンのステアリングホイールはグレードによる違いはなく、「ウレタンステアリングホイール」が搭載されています。ステアリングホイールとはハンドルのことで、グランエースはウレタン製のベーシックな仕上がりになっています。
ウレタン製のステアリングのメリットは、なんといってもその耐久性の高さです。比較的柔らかい材質ではあるものの、樹脂系素材であるため水や汚れにも強く、万が一傷がついても革巻きステアリングのように表皮が剝がれてしまうといったことがありません。

運転席周りの装備②ステアリングスイッチ

ステアリングスイッチはハンドルに搭載されているスイッチのことで、視線を大きく動かさず、手を離さずにさまざまな機能の操作ができます。

ピクシスバンのハンドルには、残念ながらステアリングスイッチは搭載されていません。

運転席周りの装備③シフト

ピクシスバンのシフトには「5MTインパネセンターシフト・4ATインパネセンターシフト」が搭載されています。MTとATを選択できるのが最大の特徴です。AT車は「クラッチ」というAT車にはないペダルが有り、誤発進を防ぐことができます。

また、インパネセンターシフトとは車のシフトレバーをドライバー正面のインパネ部に配置したもののことです。

運転席周りの装備④パーキングブレーキ

ピクシスバンのパーキングブレーキは手で引くタイプのレバーです。運転席の横に搭載されています。近年、電動式やフット式の車種が多い中、ピクシスバンにはレバー式が採用されました。

AT車では特にレバー式のパーキングブレーキでアクセル操作との連携がしやすく、坂道発進などでもスムーズに走り出すことが可能です。

運転席周りの装備⑤ディスプレイ

ピクシスバンには、マルチインフォメーションディスプレイが搭載されています。アイドリングストップ作動中の経過時間や積算時間のほか、平均燃費も表示することができます。これにより、エコアイドルの効果を実感できます。

エコアイドルとは、停車前、約9km/h以下で作動し、エンジンを停止させます。また、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作などの運転状況や道路勾配などを総合的に判断し、燃料消費を抑制することもできます。

シート

ピクシスバンにはシート表皮がフルファブリックとプリントレザーの2種類があります。色は黒基調のみとなっています。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

シート①フルファブリック

黒基調のフルファブリックシートは、クルーズターボ、クルーズ、デラックスに標準装備となっています。フルファブリックなので、上質感があり、撥水機能により汚れもさっと水拭きできます。

シート②プリントレザー

プリントレザーはスペシャルクリーンとスペシャルグレードに標準装備となっています。

運転席・助手席

快適に過ごせるかどうかは運転席と助手席の機能によっても変わってきます。そこで、ここではピクシスバンの運転席と助手席の機能について紹介をしていきます。

運転席・助手席・後部座席の機能①水平格納式リヤシート

水平格納式リヤシートは、簡単な操作でリヤシートを足元スペースに収めて、フラットな荷室を拡大することができます。こちらは全グレードに標準装備となっています。
クルーズターボ、クルーズはセパレートタイプです。また、デラックス、スペシャルクリーン、スペシャルはベンチタイプとなっています。

セパレートタイプでは、後席片側を格納し、2名乗車で長尺ものを積むことができます。ベンチタイプでは、後席を格納し、助手席を前倒しすると、長尺ものが最大限積めるようになっています。

これらの機能は、大きな荷物を運ぶ商用車には大変助かる機能でしょう。

運転席・助手席の機能②助手席前倒し機構

助手席前倒し機構を使えば、車内に2650mmもの大きなスペースを確保できます。

こちらは、デラックス、スペシャルクリーン、スペシャルに標準装備となっています。

ラゲージルーム

ピクシスバンのラゲージルームは、全グレード同じサイズとなっています。荷室の容量は以下のようになっています。

荷室長	2名乗車時	1820mm
	4名乗車時	1005mm
荷室幅	2名乗車時	1265mm
	4名乗車時	1410mm
荷室高		1225mm
スライドドア開口高		1190mm
バックドア開口幅		1310mm
バックドア開口高		1165mm

たっぷりと効率よく積めるラゲージルームには、みかん箱（380×310×280mm）を68箱、パンケース（680×420×100mm）を71ケース、ビールケース（445×365×315mm）を36ケース積むことができます。

クルマ側面上部の傾きを垂直に近づけ、大きなルーフサイド幅を実現させています。さらに、バックドアも垂直にすることで、十分な荷室の長さも確保されています。また、フロントのピラーを立たせることで、フロント席にもゆとりある頭上空間を実現しています。

「たくさんの荷物を積みたい」「大切な荷物を傷つけずに運びたい」といったそんな想いにお応えして、従来、凹凸のあった荷室の側面や床面をフラット化しました。これにより、無駄なく効率的に荷物を積むことができ、さらに大切な荷物も傷がつきにくくなります。

収納

商用車として活躍するピクシスバンには、さまざまな収納機能が搭載されています。ここからは、1つずつ収納についての装備を見ていきましょう。

収納の装備①オーバーヘッドシェルフ

運転席、助手席の上部にはオーバーヘッドシェルフが装備されています。ボックスティッシュやファイルなどが収納できる頭上収納で、底がメッシュ状のため中身が見え、迷わず取り出せて便利です。

こちらは、

クルーズターボ、クルーズ、デラックスに標準装備となっています。

 収納の装備②アッパートレイ

こちらは、インパネ上部の収納スペースです。伝票や筆記具、スマートフォンなどの一時的な置き場所として役立ちます。

こちらは、デラックス、スペシャルクリーン、スペシャルに標準装備となっています。

収納の装備③助手席トレイ（フック付）/センタートレイ

ワイドで間口も広く、出し入れしやすいトレイが助手席に装備されています。

収納の装備④ドアポケット&ボトルホルダー運転席/助手席）

ファイルやペットボトルが収納可能です。マップを収納することもで見知らぬ土地でも安心して走行することができます。

収納の装備⑤カップホルダー

600mlのペットボトルのほか、文具などの小物も収納できるホルダーです。こちらは、運転席、助手席に掘り込み式で搭載されています。

収納の装備⑥バニティミラー＆チケットホルダー

便利なバニティミラーとチケットホルダーを運転席サンバイザーに設定しています。こちらは、運転席に装備されます。

こちらは、クルーズターボ、クルーズに標準装備となっています。

その他の装備

上記の装備以外にも、ピクシスバンには安全性能の装備が多く搭載されています。

その他の装備①衝突警報機能（対車両・対歩行者［昼夜］）

走行中に前方の車両（二輪車、自転車を含む）や歩行者をステレオカメラが検知し、衝突の危険性があると判断した場合、ブザー音とメーター内表示で警告します。衝突の危険性がさらに高まったとシステムが判断した場合、弱いブレーキをかけます。

その他の装備②衝突回避支援ブレーキ機能（対車両・対歩行者［昼夜］）

事前ブレーキが作動している時にドライバーがブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキアシストが作動し、ブレーキ制動力を高めます。衝突が避けられないとシステムが判断した場合、強いブレーキで減速します。衝突の回避や、被害の軽減をサポートします。

その他の装備③ふらつき警報

長時間走行中、車体のふらつきを検知すると、ドライバーへブザー音とメーター内表示でお知らせします。

その他の装備④路側逸脱警報機能

約60km/h以上で走行中、車体が路側へはみ出しそうになると、ブザー音とメーター内表示でお知らせします。

その他の装備⑤車線逸脱警報機能・車線逸脱抑制制御機能

約60km/h以上で走行中にステレオカメラが車線を検知している場合、道路上の車線から逸脱しそうになると、ドライバーへブザー音でお知らせします。車体が車線をはみ出しそうになると、メーター内表示でお知らせするとともに、車線内に戻すようハンドル操作をアシストします。

その他の装備⑥ブレーキ制御付誤発進抑制機能 （前方・後方）

約10km/h以下で障害物を認識後、踏み間違い（アクセルペダルを強く踏み込んだ場
合）を判定してエンジン出力を抑制し、ブザー音とメーター内表示で警告します。さらに、障害物に衝突する危険性があるとシステムが判断するとブレーキ制御が作動します。

前方約4m以内に障害物等があることをステレオカメラまたは約2～約3m以内に障害物等があることをソナーセンサーが検知している時に、シフトポジションをCVT車ではD、B、Sに、MT車ではR以外としたままブレーキペダルと間違えるなどして必要以上にアクセルペダルを踏み込んだ場合、急発進を抑制します。後方約2～約3m先までに壁などの障害物等があることをソナーセンサーが検知している時に、シフトポジションを［R］にしたままブレーキペダルと間違えるなどして必要以上にアクセルペダルを踏み込んだ場合、急発進を抑制します。

その他の装備⑦標識認識機能（進入禁止/一時停止）

進入禁止、一時停止の標識をステレオカメラが検知するとメーター内に表示してお知らせします。道が入り組んだ住宅街や高速道路での運転時などに役立ちます。

その他の装備⑧AHB（オートハイビーム）・ADB（アダプティブドライビングビーム）

オートハイビームは、対向車のヘッドランプなど前方の明るさを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えます。先行車や対向車などがいない時はハイビームにし、遠くまで見通しを確保します。ADB（アダプティブドライビングビーム）は、ハイビームで走行中に先行車や対向車を検知した時、部分的に遮光し、先行車や対向車に配慮しながら高い視認性を確保できます。どちらも夜間走行の安心感を高めることができます。

ADBはクルーズターボ、クルーズ（CVT）、デラックス（CVT）にメーカーオプションとなっています。

内装のオプション装備

ピクシスバンに追加ができる内装のオプションについて紹介します。

オプション装備①フロアマット

フロアマットのオプションは主に3種類あります。プレミアム、ベーシック、樹脂タイプです。

プレミアムタイプは毛足が長く、密度の高いパイル地を使用した上質なフロアマットとなっています。また、消臭機能も付いています。

ベーシックタイプは「いちおし」セットにも付属する最もベーシックなフロアマットと言えるでしょう。リヤシート格納の際は、リヤ用フロアマットの取り外しが必要です。

樹脂タイプはその名の通り材質が樹脂（TPS）となっています。

これらのお値段ですが、以下の通りです。

タイプ	価格（1台分）
プレミアム	16,500円
ベーシック	13,200円
樹脂	9,900円

オプション装備②1サイドバイザー（RVワイド）

雨天時の室内換気に役立ち、高速走行時の風切り音を配慮したアクリル製バイザーです。車名ロゴが入っており、見た目もかっこいいです。

こちらのお値段ですが、8,800円です。

オプション装備③収納式デッキボード

片手操作に配慮し、軽量なアルミ材を使用したデッキボードです。収納状態と展開状態の2つのモードにより利便性が高く、展開状態でマットを敷けば簡易な車中泊にも活用できます。収納時の固定用バンドが付属しているので、片付けも楽ちんです。

こちらのお値段ですが、1台分で198,000円です。

グレードごとの内装

最後にピクシスバンの「クルーズターボ」「クルーズ」「デラックス」「スペシャルクリーン/スペシャル」グレードの内装についてそれぞれ紹介します。

グレード①「クルーズターボ」グレードの内装

ピクシスバンの中では最も上位グレードになります。
主な内装装備は以下の通りです。

・電動格納式カラードドアミラー
・スーパーUV&ＩＲカットガラス（フロントドア）
・1 2インチフルホイールキャップ
・フルファブリックシート表皮（撥水）
・大型LED荷室灯
・キーフリーシステム〈イモビライザー機能付・リクエストスイッチ付（運転席／助手席/バックドア）〉

グレード②「クルーズ」グレードの内装

主な内装装備は以下の通りです。
クルーズターボとほとんど変わりませんが、こちらは運転席にマニティミラーが装備されます。

・電動格納式カラードドアミラー
・スーパーUV&ＩＲカットガラス（フロントドア）
・1 2インチフルホイールキャップ
・フルファブリックシート表皮（撥水）
・大型LED荷室灯
・マニティミラー（運転席）

グレード③「デラックス」グレードの内装

主な内装装備は以下の通りです。オーバーヘッドシェルフやアッパートレイなど、細かな収納が多く装備されたグレードになります。

・フルファブリックシート表皮（撥水）
・オーバーヘッドシェルフ
・アッパートレイ
・キーレスエントリー
・ユースフルナット（31箇所）
・AM/FMラジオ

グレード④「スペシャルクリーン/スペシャル」グレードの内装

主な内装装備は以下の通りです。
最もベーシックなグレードになります。シートがプリントレザーシートになります。

・プリントレザーシート
・アッパートレイ
・ユースフルナット（31箇所）
・AM/FMラジオ

まとめ

ピクシスバンの内装について、運転席周りをはじめ、収納やオプションなどを紹介しました。人気の一番のポイントは、スクエアなボディ形状のため、すみずみまで荷物を積める無駄のない荷室空間でしょう。

また、大型のグローブボックスやアンダートレイなど、大小の収納も充実し、働く人をサポートします。運転席の足元もゆとりがあり、長靴のままペダル操作できます。そして、ドア開口部を大きく、床を低くしているので、重い荷物の積み降ろしや頻繁な乗り降りもストレスフリーに行うことができます。

このように、使いやすさと効率を徹底追求したピクシスバンは、まさに働く人の心強いパートナーといえそうです。

実際の内装や内装装備は自分の目で見なければわからないこともあります。本記事でピクシスバンが気になったという方は、横浜トヨペットで試乗してみてください。

コスパよく多くの荷物を運べる車を探している方は、ぜひピクシスバンを検討してみてください。