2011年の発売以来、「世界トップクラスの低燃費」というフレーズのもと大々的に販売されてきたトヨタアクア。

発売当初から、カタログ燃費35.4km/Lと驚異的な記録を叩き出していましたが、2013年に発表されたマイナーチェンジ版のアクアでは、それを超える記録を出してさらに話題となりました。

2021年にフルモデルチェンジされ、新型アクアが発売されていますが、旧型のアクアであっても燃費がよく、燃費の良い走りをする車を利用したい人に好まれていますので、少し古い型であっても人気があります。

本記事では、2013年式のアクアを中心として、アクア各モデルのカタログ燃費と実際の燃費、ライバル車との比較や燃費を悪化させない方法などを徹底解説します。

旧型アクアが気になっているが、新型アクアと比較してその性能が著しく落ちるかどうなのか不安な方や、そもそも他のトヨタの車と比べて性能がどうなのか気になる方はぜひ参考にしてみてください

目次

トヨタ アクア(aqua)の燃費まとめ

燃費が良いとされるアクアを購入しようと思っている方で、まず気になるのが、利用する型・モデルとその燃費でしょう。

ただし、実際に車を走らせて計測する燃費とメーカーカタログ上の燃費とでは、走行条件の違いで、少し差が出てきてしまいます。ここからは、カタログ燃費と実際の燃費をモデルごとにご紹介します。

トヨタ アクアのカタログ燃費

トヨタ アクアのカタログ燃費を各モデルごとにまとめました。

以下の表で各年代のカタログ燃費を記載していますので、まずは見比べてみましょう。

モデル カタログ燃費
初代アクア G/S/L 35.4km/L
2013年モデルG/S/L/G’sハイブリッド 37km/L
2014年モデルG/S/L/G’s 37km/L
2014年モデル xアーバン 33.8km/L
2015年モデルG/S/L/G’s 37km/L
2015年モデル xアーバン /ソリッド 33.8km/L
2017年モデル G/S 34.4km/L
2017年モデル L 38.0km/L
2017年モデル クロスオーバー/G(GRスポーツ)/S(スタイルブラック) 34.4km/L
2018年モデル G/G(GRスポーツ)/S/クロスオーバー 34.4km/L
2018年モデル L 38.0km/L
2019年モデル G/S/クロスオーバー 34.4km/L
2019年モデル L 38.0km/L
2020年モデル G/S/クロスオーバー 27.2km/L
2020年モデル L 29.8km/L
新型アクア(2021年モデル) B/G/X/Z (E-Four) 30.0km/L〜30.1km/L
新型アクア(2021年モデル) B 35.8km/L
新型アクア(2021年モデル) G 33.6km/L
新型アクア(2021年モデル) X 34.6km/L
新型アクア(2021年モデル) Z 33.6km/L

初代アクアのカタログ燃費が35.4km/Lであるのに対して、2013年モデルとして発表されたモデルのカタログ燃費は37.0km/Lと大幅に向上しており、2017年のLモデルが発表されるまでその燃費の良さを越えられないほどの燃費を実現していました

低燃費でコスト感がいいから、走行性能などの使いやすさを含めて2013年モデルの人気はこの他の年代と比較しても目立っているといえるでしょう。

トヨタ アクアの実燃費

では次に、実際に普段使いをする状況と同条件で比較した場合の実際の燃費(実燃費)をご紹介します。

モデル 実際の燃費
初代アクア L/S/G 21.00km/L
2013年モデル G/S/L/G’s 21.54km/L
2014年モデル G/S/L/G’s/X-URBAN 20.94km/L
2015年モデル G/S/L 21.11km/L
2017年モデル G/S/L 22.27km/L
2017年モデル クロスオーバーハイブリッド 22.68km/L
2017年モデルGGRスポーツ・17インチパッケージハイブリッド 21.81km/L
新型アクア(2021年モデル) Z/G/Xハイブリッド (E-Four) 19.47km/L
新型アクア(2021年モデル) Z/G/Xハイブリッド (FF) 23.90km/L

参照元:e燃費-トヨタ アクア

どのモデルも、カタログ燃費と比べると数値が悪くなっていることがわかります。

これはカタログ燃費を計測する条件と実際に車を使用するシチュエーションでの条件の違いによって生まれているものなので仕方がないものだといえるでしょう。

また、年代が新しくなるごとに、最新機能の搭載などにより車のスペックも良くなってきており、カタログ燃費と実際の燃費の数値が近づいていることがわかります。

2013年モデルは、実燃費でも21.54km/Lの数値を出していて、非常に燃費が良いモデルであることは間違いないということができるでしょう。

アクアの燃費をライバル車と比較

では、新型アクアや2013年モデルのアクアは購入検討のタイミングでよく比較されるライバル車と比較してどれほどの燃費となっているのでしょうか?よく購入検討で比較されるモデルとの比較表をみていきましょう。

モデル カタログ燃費 実際の燃費
初代アクア 35.4km/L 21.00km/L
2013年モデルアクア 37.0km/L 21.54km/L
新型アクア 30.0km/L〜35.8km/L 19.47km/L〜23.90km/L
プリウス 25.5km/L~35.2km/L 18.72km/L~22.28km/L

参照元:e燃費-トヨタ アクア

              e燃費-トヨタ プリウス

上記のように、アクアはライバル車と比較しても燃費が良いことがわかります。2013年モデルの燃費数値は、9年経った現在でも非常に良い数値であることもわかるでしょう。

ただし、車選びは燃費だけではなく、外観や車内空間の心地良さ、価格などが総合的に絡み合ってきますので、燃費だけで利用者が判断しているわけではないということは意識する必要があるでしょう。

アクアはなぜ燃費がいいのか

それではなぜアクアはこれほどまでに燃費がいいのでしょうか。ここからは、アクアの燃費が良い理由について解説します。

アクアは初代から2021年にフルモデルチェンジした新型アクアまで一貫してハイブリッド専用車として開発されています。

実は初代アクアから2013年モデルでは、燃費数値の向上のためにエンジンなどを変えたわけではありません。エンジンのフリクション(=摩擦)を低減するとともにモーターやインバーターなどの制御を見直す形で低燃費を実現したのです。

つまり、設計の見直しと効率化による企業努力が燃費の向上に結びついたのだといえるでしょう。

2022年、現在新車として発売されている2021年発売の新型アクアでは、ハイブリッドシステムにより小型・軽量かつ高効率化が図られた最新世代の「THS II」を採用しました。

そこに1.5リッター3気筒アトキンソンサイクルエンジン「M15A-FXE」型を組み合わせたパワーユニットが搭載されており、従来のハイブリットシステムよりもより効率的なエネルギー排出を実現し、燃費向上に役立てられています。

アクアの燃費を左右する使用方法のポイント

アクアに限らず、車の燃費は走行シーンやエアコン、車内オーディオの使用状況、車内重量などによって大きく左右されてしまいます。

荷物を載せたり、人が乗ったりするため、カタログに記載の燃費より実燃費の方が悪くなってしまうことは一定数は仕方ないですが、できるだけ低燃費で車を走らせたいですよね。

ただ、実際にどのような走行の仕方や車内システムの稼働が燃費を悪化させるかに関して、全てを把握している方は少ないでしょう。

また、アクアは、燃費を意識することで意識しない時よりも燃費が向上する走行が存在します。

ここからは、燃費が悪いと感じたら確認したいポイントや燃費よく走行する方法を紹介していくので、今後走行する際の参考にしてみてください。

燃費が悪いと感じたらチェックしたいポイント

まずは、実際にアクアで走行していて、「何か燃費が悪いな」と感じた際にチェックしたいポイントをご紹介していきます。

市街地を走っていないか?

燃費性能の非常に高いアクアですが、市街地を走行していると燃費は悪化しがちです。

市街地でもモーターで走るため燃費が伸びると言われる通り、実際に市街地での燃費は悪化する可能性が高いです。市街地は信号や渋滞など、ブレーキを踏む回数が多くなってしまうからです。モーターを充電するためにはガソリンを使って走ることになるので、走ったり止まったりを繰り返す市街地では、結果的に燃費を伸ばすのは難しいといえます。

エアコンを使用していないか?

アクアに限らず、エアコンの使用も燃費に大きく影響します。

エアコンを使用する頻度が高い冬や夏は、実際の燃費が落ちていることはよくあります。市街地での走行の場合、実燃費が5km/L程度エアコン使用で低下すると言われており、燃費が悪化していると感じた場合には、エアコンをつけっぱなしにしていないかを確認してみると良いでしょう。

外付け・後付けオーディオは使用していないか?

エアコン使用と同様に、オーディオやカーナビの使用によっても燃費悪化の可能性があります。

ただし、純正でついているオーディオやカーナビは、エアコンほどのエネルギーを使用しないためエアコンほどの影響はないと言えるでしょう。

ただ、外付け(後付け)でオーディオやカーナビを搭載すると状況が変わります。

車の走行中に外付けのスピーカーなどを一緒に使用していると純正オーディオの10倍以上エネルギーを消費する可能性があります。燃費が悪いと感じた場合には、一時的にオーディオやカーナビの使用を停止してみるのも一つの手段といえるので、こちらも確認してみてください。

停車中のアイドリング

モデルにもよりますが、10分ほどのアイドリングで150cc前後の燃料を消費すると言われています。

150ccということは、0.15Lであるため、2013年モデルのカタログ燃費で5.5kmほどの走行をしたのと同じ量のガソリンを消化したということになります。

また、車内温度を快適にするために冬場や夏場はエンジンをかけてアイドリングをしている時間が長くなりがちなため、さらに燃費が悪化する傾向にあります。

できるだけエンジンをかけたらすぐに走り出すことを意識すると燃費の効率は良くなっていくでしょう。

タイヤの空気圧不足

タイヤの空気圧が不足すると、燃費が悪化してしまいます。具体的には、指定空気圧より50kPa低くなると、市街地で約2%、郊外で約4%も燃費が悪くなると言われています。

一般的な車は1カ月で5〜10%も自然に空気圧が抜けるといわれ、また、外気温変化もタイヤの空気圧には大きく影響します。定期的にタイヤの空気圧をチェックすることにより、燃費を維持するだけでなく、パンクや摩耗のチェックもでき、事故やトラブルも未然に防げるためおすすめです。

燃費がよくなる走行

アクアには日常の走行において、意識するだけで燃費がよくなる走行方法があります。意外と「こんなことを意識して走行するだけで燃費が良くなるのか」と感じる、目から鱗のような走行方法もあるかもしれません。

ここからは、燃費がよくなるアクアの走行方法をご紹介します。今後走る際に意識してみるのもいいでしょう。

高速道路では燃費がよくなりがち

市街地のようにストップや発進を繰り返さない高速道路では、燃費が向上しやすいです。

というのも、高速道路の運転は急激な速度アップやストップを繰り返さないため、スムーズにモーターの充電が進みます。また、アクアのエンジンは1,500ccであるため、高速道路で加速しても負担がかかりにくくなっています。アクアのハイブリッド性能は、走るとモーターの充電をしてくれる仕組みになっています。

ガソリン(燃料)とモーターの両方の使用効率が高くなり、結果的にアクアは市街地よりも高速道路の方が燃費が良くなるといえるでしょう。

高速道路は目的地に早く到着するだけでなく、燃費を考えた走行方法としてもおすすめと言えます。

アクセルの踏み方を変えて見る

アクセルの踏み方を変えることで、燃費良く走行できることもあります。

基本的に「急」のつくような運転は燃費を悪くすると言われており、急アクセルや急ブレーキはまさに燃費を悪くしてしまいます。

そこで、運転する時の急アクセルをやめ、発進する時はゆっくりアクセルを踏み込むようにして徐々にスピードを上げていきましょう。

同様にブレーキを踏む際にも注意しましょう。車を停止する時もできるだけ早いタイミングでアクセルを踏むのをやめ、エンジンブレーキを使って停止するようにしましょう。

アクセルとブレーキを頻繁に使う運転は燃費を悪化させる元になってしまうので、とにかく燃費良く走るためには走行速度を一定にして、アクセルとブレーキをできるだけ使わない運転を心がけましょう。

アクアのガソリン代は年間どれくらい?

アクアを利用するとガソリン代は年間どれくらいになるのか、燃費を気にしている方にとっては気になるところでしょう。

2013年モデルと2021年にフルモデルチェンジした新型アクアの使用を比較して、お互いが一体どれくらいのガソリン代が年間でかかるのかを調査しました。

前提として、ガソリン価格をレギュラー150円として計算します。

カタログ燃費での年間のガソリン代

モデル カタログ燃費 期間(走行距離) 計算式 ガソリン代
2013年モデル 37km/L 1年間(1万km) 1万km ÷ 37km × 150円 約40,540円
2021年モデル 35.8km/L 1年間(1万km) 1万km ÷ 35.8km × 150円 約41,900円

まず、通勤や日常的に車を使う人の場合、合わせて年間1万kmほど走行すると言われています。

燃費はカタログに記載されている燃費で計算すると、レギュラーガソリンの価格を150円と仮定して、2013年モデルであると、年間約40,540円ガソリン代がかかる計算になります。

一方で2021年モデルだと、同様の計算を行うと約41,900円のガソリン代が年間でかかることがわかるでしょう。これを月間に直すと、2013年のモデルであると毎月約3,380円、2021年のモデルだと毎月約3490円がガソリン代としてかかります。

しかし、実際にはカタログ燃費で走り続けることは難しいため、先述した実際に走る時に想定される燃費に直した数値で計算する方が、実際にかかる金額に近いと言えるでしょう。

実際に想定される燃費で計算すると以下の表のようになります。

実燃費での年間ガソリン代

モデル 実燃費 期間(走行距離) 計算式 ガソリン代
2013年モデル 21.54km/L 1年間(1万km) 1万km ÷ 21.54km × 150円 約69,637円
2021年モデル 23.90km/L 1年間(1万km) 1万km ÷ 23.90km × 150円 約62,761円

※実燃費の参照元:e燃費-トヨタ アクア

上記のように実燃費で計算し直すと、必要となるガソリン代は少し上がってしまいます。

月間に直すと、2013年モデルで約5,800円、2021年モデルで約5,230円となります。2021年モデルの方が、カタログ燃費と実燃費の差分が少ないため、実燃費で計算するとガソリン代が安く済むと言えるでしょう。

しかし、アクアは燃費が良いと評判の車種でもあり、給油するガソリンもレギュラーで良いため、2013年モデルでも他の車種と比べても必要なガソリン代は少なく済むと言えます。燃費が良く、ガソリン代が安く済むことも、アクアが選ばれる理由と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、2013年モデルのアクアのカタログ燃費を中心に、他モデルとの比較やライバル車との比較、実燃費やアクアの燃費を悪化させてしまう使用法、必要なガソリン代を解説しました。

記事中にもご紹介したように、アクアは燃費が非常によく走行効率の良い車種です。2013年のモデルであったとしても他の車種と比べても見劣りしないほどの低燃費で走行できるので、コストパフォーマンスを意識している方にとっては非常におすすめできる車種とも言えます。

また、今の車の燃費が気になっている方や、アクアに乗り換えて、もっと燃費良く運転したいと言う肩に向けて、意外と知られていない車の燃費を悪くしてしまう原因や、逆に意識すればさらに燃費をよくすることのできる走行方法についても紹介しました。

知らず知らずのうちに自分で燃費を悪くしていたり、もっと燃費の良い走り方があったのにと気づいた方は、次回以降の運転でこれらの点を意識してみてください。

車を買う時にまず目に留まるのが最新モデルの車だと言う方が大多数でしょう。もちろん新型のモデルは、改良を重ねられ、最新技術が搭載されていたり、過去のモデルと比べて見た目が良くなっているところもあります。

しかしアクアに関して言えば、特に2013年モデルはカタログ燃費が非常に良いモデルですので、燃費に関して他の年代のモデルと比べても遜色のないスペックであると言えます。次の車にアクアを買おうか迷っている人は新型のアクアだけでなく、2013年モデルのアクアも検討してみてはいかがでしょうか。