トヨタの定番モデルであるカローラの中でも、スポーツモデルとして絶大な人気を誇っているカローラスポーツ。
本記事では、カローラスポーツのハイブリッド車とガソリン車について、トータルコストを算出してどちらがお得であるかを条件別にシミュレーションして分かりやすく解説していきます。
現状において、エコカーと定義されているカローラスポーツは税金面でいろいろと優遇されています。
車体価格が高価であるハイブリッド車が、燃費面・税金面においてどれほどのメリットを出せるのかを見ていきましょう。
カローラスポーツにかかる年間維持費について、具体的な金額を説明したあとで、パターン別のシミュレーション結果を紹介します。
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目次
カローラスポーツの費用シミュレーション
カローラスポーツの年間維持費を算出して、ハイブリッド車とガソリン車では、どちらがトータルでお得になるかを調査していきます。
まず年間維持費についておさらいして、カローラスポーツの維持に必要な費用について再確認しましょう。
後半では、カローラスポーツの売れ筋グレード・価格の安いグレードのハイブリッド車・ガソリン車を選定して、それぞれが必要となる金額を比較していきます。
年度単位の金額・毎年累積していく総費用についても比較していますので、どの程度カローラスポーツに乗っているとお得になるかが一目瞭然です。
ちなみに、今回比較する予定となっているカローラスポーツのグレードは下記の通りです。
- グレード
- カローラスポーツ HYBRID GZ
- カローラスポーツ GZ(CVT 2WD)
- カローラスポーツ HYBRID GX
- カローラスポーツ GX(CVT 2WD)
カローラスポーツを維持するための費用
維持費の説明については、税金の区分けの都合上「年度単位」で区切って説明します。
カローラスポーツを購入した年度が初年度、それ以降の毎年4月になったら、2年度が到来するといった感じです。
自動車税(税金)
毎年4月1日に課税される税金です。
カローラスポーツ購入の際にも納めていますが、それは前年度の3月までの分であるため、毎年4月になったら新たに年度分の自動車税を納付する必要があるのです。
自動車税の区分と金額 | |
---|---|
乗用車排気量 | 自動車税 |
1,000cc以下 | 25,000円 |
1,000cc超~1,500cc以下 | 30,500円 |
1,500cc超~2,000cc以下 | 36,000円 |
2,000cc超~2,500cc以下 | 43,500円 |
2,500cc超~3,000cc以下 | 50,000円 |
3,000cc超~3,500cc以下 | 57,000円 |
3,500cc超~4,000cc以下 | 65,500円 |
4,000cc超~4,500cc以下 | 75,500円 |
4,500cc超~6,000cc以下 | 87,000円 |
6,000cc超 | 110,000円 |
2年度目の自動車税は「グリーン化特例」が適用されます。簡単にいうとエコカーに対する税金の優遇措置です。
2020年度燃費基準達成度により自動車税が75%〜50%免除されます。
グリーン化特例 | |
---|---|
2020年度燃費基準値 | 自動車税 |
+30%達成 | 75%減税 |
+10%達成 | 50%減税 |
達成 | 減税なし |
未達成 | 減税なし |
- ポイント
- 毎年4月1日に課税されますが、納付はもう少し後になります。
- 購入翌年度の自動車税は、グリーン化特例で減税されます。
- 減税は最大で75%です。
- カローラスポーツ HYBRID GZの場合、2年度目の自動車税は9,000円で、次の年度以降は36,000円となります。
重量税(税金)
重量税は、車検の際に次回の車検までの分を前払いする税金です。
新車で購入した場合は3年分が納付済みとなるため、2年度目と3年度目は車検がないので納付する必要はありません。
初めての車検の際に、2020年度燃費基準を+ 90%達成または電気自動車であった場合は、100%免税されます。
納付する金額の区分は、新車で購入した際の区分と同一となりますが、今度は2年分の納付となるため、少しだけ安くなるのです。
車検時の重量税 | ||
---|---|---|
車両重量 | 重量税(2年) | 本則税率 |
~0.5t | 8,200円 | 5,000円 |
~1.0t | 16,400円 | 10,000円 |
~1.5t | 24,600円 | 15,000円 |
~2.0t | 32,800円 | 20,000円 |
~2.5t | 41,000円 | 25,000円 |
~3.0t | 49,200円 | 30,000円 |
- 本則税率
- 2021年度燃費基準を達成したカローラスポーツを2022年4月30日までに新車新規登録した場合の税率
- ポイント
- 車検の際に納める税金であるため、毎年ではありません。
- 次回車検までの期間(2年分)を納めます。
- カローラスポーツ HYBRID GZの重量税は15,000円、2回目以降の車検時は、15,000円となります。
自賠責保険
購入した際に支払った額と同様で、次回の車検時までの分を前払いで支払います。
これは強制加入しなければならない保険です。
- ポイント
- 次の車検時までの保険料を前払いします。
- カローラスポーツの自賠責(24カ月分)は21,550円です。
車検費用
新車で購入してから3年後、その後は2年おきに発生する費用です。
一概に車検費用として一括りにしていますが、その内訳としては基本料金・法定点検料・重量税・自賠責保険・印紙代・事務手数料」などが含まれています。
この記事では重量税・自賠責保険については別途切り出していますので、それ以外の残った項目を車検費用としてカウントしています。
そうすることによって、基本的に車検費用は軽自動車・普通自動車の2区分に分類できるのです。
カーショップにおいて、車体の大きさで費用が異なって表示されていますが、それは重量税の金額分の違いとなっています。
シミュレーションでは、大手のカーショップにおける車検費用を参考にして、26,500円として計算します。
また、車検の際に発生する可能性がある部品の交換やそれに伴う工賃はカウントしていませんので注意してください。
任意保険
任意となっていますが、交通事故が発生してしまった場合の代償を考慮すると、加入しておくべき保険です。
年齢によって、また保障内容によって保険料が全く異なってくるため、後述のシミュレーションにおいては、集計の対象外としています。
ガソリン代
ガソリン代は、ハイブリッド車のオーナーにとっては一番恩恵を受けられる費用のひとつです。
単純計算で、ガソリン車より燃費が2倍優れていれば、ガソリン代は半分で済みます。
カローラスポーツでも、ハイブリッドかガソリンによって燃費はかなり変わります。
代表的なカローラスポーツのグレードと燃費 | |
---|---|
グレード | 燃費 |
HYBRID GX | 30.0Km/l |
HYBRID GZ | 25.6Km/l |
GX(CVT 2WD) | 16.4Km/l |
GZ(CVT 2WD) | 16.4Km/l |
特に重要なポイントになりますので、ガソリン車とハイブリッド車のシミュレーションにおいては、年間走行距離でいくつかのバリエーションを挙げて比較していきましょう。
駐車場代
駐車場を保有していない人にとっては、意外に大きな出費となります。
田舎・郊外といった土地に十分な余裕があればまだしも、人口が密集している地域の場合は駐車場代が月々20,000円を超過することも珍しくありません。
シミュレーションにおいては、駐車場代が0円の人も2万円以上の人もいますので、集計の対象から除外します。
修理・メンテナンス費用
定期的に必要となってくるオイル交換・タイヤ交換といったメンテナンス費用、不慮の事故が発生した場合の修理費用は、カローラスポーツを維持していくためには準備しておくべき費用のひとつです。
ただし修理費用・メンテナンス費用については、一定に算出することは困難であるためシミュレーションにおいては対象外として扱います。
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ハイブリッド車とガソリン車のトータルコスト比較:売れ筋グレード編
まずは、カローラスポーツのハイブリッド車・ガソリン車の上位グレードとなるHYBRID GZとGZ(CVT 2WD)のトータルコストについて比較していきます。
カローラスポーツの主要諸元表 | ||
---|---|---|
項目 | ハイブリッド車 | ガソリン車 |
グレード | HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) |
価格 | 2,841,000円 | 2,566,000円 |
燃費 | 25.6Km/l | 16.4Km/l |
排気量 | 1,797cc | 1,196cc |
重量 | 1,390kg | 1,340kg |
上の表にある通り、売れ筋グレードのハイブリッド車とガソリン車の価格差は275,000円となっています。
売れ筋グレードの標準装備の違いは、車両接近通報装置の有無となりますが、エンジンの性能は全く異なるのです。
ハイブリッド車は1,800ccガソリンエンジン+電気モーター、ガソリン車は1,200ccターボとなっています。
これはかなり難しい比較です。
キャラクターがかなり異なるグレードであるため、費用の損得勘定というよりはどちらのエンジンの性能が好みかといった差となってくるのかもしれません。
税金などは一定となりますが、ガソリン代については年間走行距離・ガソリン代によって、かかってくる費用は大きく異なってきます。
よって、ガソリン代は140円として、年間の走行距離は5,000km・10,000km・15,000kmの3パターンでシミュレーションします。
- 年間走行距離のイメージ
- 5,000km:週末に買い物で使用することがメイン
- 10,000km:上記+通勤においても使用
- 15,000km:上記+頻繁に遠出のドライブで使用
- シミュレーションについて
- ガソリン代は140円で計算
- 修理・メンテナンス費用、駐車場代、任意保険は計算外
売れ筋グレードで年間走行距離が5,000Kmの比較
購入時と毎年かかるコストを下の表にまとめました。
カローラスポーツの購入費用 | ||
---|---|---|
HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) | |
購入費用 | 2,955,000円 | 2,770,000円 |
カローラスポーツの年間維持費 | ||
---|---|---|
年度 | HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) |
購入年度 | 11,000円 | 18,000円 |
2年度 | 36,000円 | 73,000円 |
3年度 | 63,000円 | 73,000円 |
4年度 | 126,000円 | 146,000円 |
5年度 | 63,000円 | 73,000円 |
6年度 | 126,000円 | 146,000円 |
7年度以降 | 「5年度→6年度」と同じ |
当然ながら、購入時の金額はHYBRID GZのほうが高価となっていますが、それ以降の年度における支払い額はすべて安い金額となっています。
次にこれらの金額を足し合わせていって、どのタイミングでハイブリッド車とガソリン車のトータルコストが逆転するのかを、年間走行距離が5,000kmである場合の累計金額で見てみましょう。
カローラスポーツに必要な費用累計 | ||
---|---|---|
年度 | HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) |
購入年度 | 2,967,000円 | 2,788,000円 |
2年度 | 3,003,000円 | 2,861,000円 |
3年度 | 3,066,000円 | 2,934,000円 |
4年度 | 3,193,000円 | 3,080,000円 |
5年度 | 3,256,000円 | 3,153,000円 |
6年度 | 3,383,000円 | 3,299,000円 |
7年度 | 3,446,000円 | 3,372,000円 |
8年度 | 3,572,000円 | 3,518,000円 |
9年度 | 3,636,000円 | 3,591,000円 |
10年度 | 3,762,000円 | 3,737,000円 |
10年間ではハイブリッド車とガソリン車との価格差を埋められない結果となりました。
この事例と似たような頻度で車を使う方でどちらにするか悩んでいる場合は、トータルコスト的にはGZ(CVT 2WD)がおすすめです。
- ポイント
- 年間走行距離5,000km程度なら、GZ(CVT 2WD)がトータルコストでお得感
売れ筋グレードで年間走行距離が10,000Kmの比較
購入時と毎年かかるコストを下の表にまとめました。
カローラスポーツの購入費用 | ||
---|---|---|
HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) | |
購入費用 | 2,955,000円 | 2,770,000円 |
カローラスポーツの年間維持費 | ||
---|---|---|
年度 | HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) |
購入年度 | 23,000円 | 36,000円 |
2年度 | 64,000円 | 116,000円 |
3年度 | 91,000円 | 116,000円 |
4年度 | 154,000円 | 189,000円 |
5年度 | 91,000円 | 116,000円 |
6年度 | 154,000円 | 189,000円 |
7年度以降 | 「5年度→6年度」と同じ |
当然ながら、購入時の金額はHYBRID GZのほうが高価となっていますが、それ以降の年度における支払い額はすべて安い金額となっています。
次にこれらの金額を足し合わせていって、どのタイミングにおいてハイブリッド車とガソリン車のトータルコストが逆転するのかを、年間走行距離が10,000Kmである場合の累計金額で見てみましょう。
カローラスポーツに必要な費用累計 | ||
---|---|---|
年度 | HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) |
購入年度 | 2,978,000円 | 2,806,000円 |
2年度 | 3,042,000円 | 2,922,000円 |
3年度 | 3,132,000円 | 3,038,000円 |
4年度 | 3,286,000円 | 3,226,000円 |
5年度 | 3,377,000円 | 3,342,000円 |
6年度 | 3,531,000円 | 3,530,000円 |
7年度 | 3,621,000円 | 3,646,000円 |
8年度 | 3,775,000円 | 3,835,000円 |
9年度 | 3,866,000円 | 3,951,000円 |
10年度 | 4,019,000円 | 4,139,000円 |
7年度でハイブリッド車とガソリン車のトータルコストが逆転しています。
HYBRID GZの購入を検討しているのであれば、年間走行距離が10,000km以上・7年以上乗るといった条件で、トータルコスト的に購入するメリットがあることになるのです。
- ポイント
- 年間走行距離10,000km程度で、7年以上乗るのであれば、HYBRID GZがトータルコストでお得感
売れ筋グレードで年間走行距離が15,000Kmの比較
購入時と毎年かかるコストを下の表にまとめました。
カローラスポーツの購入費用 | ||
---|---|---|
HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) | |
購入費用 | 2,955,000円 | 2,770,000円 |
カローラスポーツの年間維持費 | ||
---|---|---|
年度 | HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) |
購入年度 | 34,000円 | 53,000円 |
2年度 | 91,000円 | 159,000円 |
3年度 | 118,000円 | 159,000円 |
4年度 | 181,000円 | 231,000円 |
5年度 | 118,000円 | 159,000円 |
6年度 | 181,000円 | 231,000円 |
7年度以降 | 「5年度→6年度」と同じ |
当然ながら、購入時の金額はHYBRID GZのほうが高価となっていますが、それ以降の年度における支払い額はすべて安い金額となっています。
次にこれらの金額を足し合わせていって、どのタイミングにおいてハイブリッド車とガソリン車のトータルコストが逆転するのかを、年間走行距離が15,000Kmである場合の累計金額で見てみましょう。
カローラスポーツに必要な費用累計 | ||
---|---|---|
年度 | HYBRID GZ | GZ(CVT 2WD) |
購入年度 | 2,989,000円 | 2,824,000円 |
2年度 | 3,081,000円 | 2,982,000円 |
3年度 | 3,199,000円 | 3,141,000円 |
4年度 | 3,338,000円 | 3,372,000円 |
5年度 | 3,498,000円 | 3,530,000円 |
6年度 | 3,679,000円 | 3,762,000円 |
7年度 | 3,797,000円 | 3,920,000円 |
8年度 | 3,978,000円 | 4,151,000円 |
9年度 | 4,096,000円 | 4,310,000円 |
10年度 | 4,277,000円 | 4,541,000円 |
5年度でハイブリッド車とガソリン車のトータルコストが逆転しています。
HYBRID GZの購入を検討しているのであれば、年間走行距離が15,000km以上・5年以上乗るといった条件で、トータルコスト的に購入するメリットがあることになるのです。
- ポイント
- 年間走行距離15,000km程度で、5年以上乗るのであれば、HYBRID GZがトータルコストでお得感
まとめ
カローラスポーツを購入すると、ガソリン代・車検費用・自動車税が維持費として発生します。
運転していれば消耗品を交換するための費用が発生するのに加え、洗車費用もかかります。場合によっては、ローンの支払いやカーコーティング費用も発生する場合があります。
これらは全てのカローラスポーツのオーナーに発生する費用ではなく、人それぞれ必要に応じてその額が異なるのです。
なので、今回は維持費の中でもとくに、税金・保険料・ガソリン代がカローラスポーツだとどの程度かかるのかまとめました。
ガソリン車かハイブリッド車どちらにするか迷っている人は本記事を読み返してみて、最適な選択をしてください。
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