車のローン

クルマの買い替えの際には、ローンを利用する人も多いです。

ローンのメリットには、クルマ購入のための資金計画を立てやすいことが挙げられます。
一括で支払うのではなく月々の支払いにすることによって、まとまったお金がなくてもクルマを持つことができます。

しかし、前のローンがまだ残っているにもかかわらず、クルマを買い替えなければならない・買い替えたいというケースもあります。

その場合、現在乗っているクルマのローンを返済し切れていなかったとしても、クルマを買い替えられるのでしょうか。

そこで今回は、ローンが残っていてもクルマを買い替えられる方法・手順・注意点・タイミングについて解説していきます。

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目次

ローンが残っているけど車の買い替えはできる?

結論からいうと、ローンに残債があったとしても、クルマの買い替えは可能です。

本来であれば、すべてを完済した状態でクルマを新しく買い替えるのが理想的ですし、心置きなく新しいクルマに乗り換えができます。
残債があるクルマを買い換える場合は、売却する前にローンを完済するか、新たにローンを組み替える必要があります。

クルマを売却した価額でローン残債を一括で返済できるのであれば、円滑な買い替えができるでしょう。
クルマを売却した価額がローン残債を下回ってしまった場合は、残額を現金で支払う新しく組み替えるといったことが必要です。

残債があるクルマを売却したとしても、新しくクルマのローンを利用できます

ただし、月々の返済額が厳しくなってしまったことを理由として、買い替えを検討していた場合には注意が必要です。
経済的理由によって、審査が通らないこともあります。

月々の返済額は、手取り月収の30%〜40%の範囲で、無理なく返済するのであれば20%程度を目安としておくと良いでしょう。

他に住宅ローンなどを組んでいる場合は、それも含めた上でローン額を決める必要があります。
収入のどのくらいをローンに充てられるかは、ライフスタイルによっても異なるため、月々のローン金額や生活費、預貯金など、総合的に見て無理なく支払いができるようにしましょう。

 

車のローンが残っているけど車を変えたい理由とは?

そもそも、前のクルマのローンが残っているのに車を買い替えたい理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
前のクルマのローンの残債があったとしても、事情によってはすぐにクルマを買い替えなければならないといった事情が出てくる場合もあります。

例を挙げると、交通事故に遭遇して受けたダメージが大きく、修理では現状に戻らない場合。
また、エンジンがかからなくなってしまった場合など、性能の面で問題が生じてしまったことが原因になっているケースがあります。

他には、クルマの状態は良くても買い替えが必要となるタイミングも。
例えば、家族が増える体が不自由な家族の送迎が必要になるなど、クルマを使用する状況が変わるときです。
これまでより乗車人数が多いクルマにしたり、チャイルドシートを載せてもゆとりを持って乗れるクルマに変えたり、車イスなどが乗せられるクルマにしたりなどが想定されます。

もちろん、「クルマが好きで、定期的に買い替えていろいろな車種に乗りたい!」という方もいらっしゃるでしょう。

クルマは生活の必需品という方も多いでしょうから、クルマがないと困る場面に直面した場合は、早急にクルマを手に入れなければなりません。

クルマを買い替える理由にはさまざまな背景もあることから、ローン残債があったとしても、クルマを買い替えることは可能なのです。

 

ローンが残っている車は勝手に売却できない

ただし、ディーラー・信販会社でローンを利用している場合、一般的にクルマの所有者はディーラー・信販会社の名義となっています。
そのため、いくらクルマの使用者であっても、自己の判断によってクルマを売却することはできません。

ローンが残っているもののクルマを乗り換えなければならなくなった場合は、わずかでもローン返済の足しにするためにも、今まで利用していたクルマを売却することをおすすめします。

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車を買い替えるときのローン残債手続き

車の手続き

ローンの残債があったとしてもクルマを買い替えることが可能であるとわかれば、次に気になってくるのは「手続き」です。

ローンが残っている場合、通常通りに売却するよりも手続きが若干煩雑にはなってしまいます。
とは言っても、手続きを手順通りに進められれば、問題なく新しいクルマに買い替えることが可能です。

ここからは、ローンの残債がある状態でクルマを買い替える場合の手続きについて紹介していきます。

 

1.車の所有者が誰であるかを確かめる

最初に、車検証の「所有者の氏名又は名称」欄を見て、クルマが誰の名義となっているのかを確かめましょう。

所有者欄に信販会社もしくはディーラーが記載されている場合は注意が必要となります。
所有者が購入者以外になっている場合、「クルマの使用者は購入者だが、所有権はローンを支払い終えるまでこちらにありますよ」ということを意味しています。

その場合は、残っているローンを完済し、クルマを自分名義に変更するといった所有権を解除する手続き(所有権解除)をしなければいけません。

手続きを進めるためには、以下に挙げる書類が必要となります。

【売却する本人が用意する書類】

  • 車検証
  • 自動車税納税証明書
  • 印鑑証明書
  • 印鑑
  • 申請書
  • 手数料納付書

【車検証に記載されている所有者が用意する書類】

  • 印鑑証明書(車検証に記載されている所有者のもの)
  • 譲渡証明書
  • 委任状

管轄している陸運局へ上記の書類を持っていくことで、所有者解除の手続き・クルマの名義変更の手続きが可能です。

また、仕事の都合などで出向くことが難しいときは、手続きを代行してくれる業者もいます。
ディーラーでも代行可能なので、ぜひご相談ください。

 

2.自動車売買契約書の内容を確かめる

所有権の留保」と自動車売買契約書に記載されている場合は、仮に名義が自分であったとしても、ローンの残債がなくならなければ売却できません

これは、ローンの返済が滞ってしまった場合に、クルマが担保となっていることを意味しているため、解除してもらうためにはローンを完済する必要があります。

銀行等の金融機関のカーローンを利用した場合は、クルマを担保としていないため、クルマの所有者は借り入れた本人(クルマの購入者・使用者)になっていることが多いです。
「ローン」と一括りにいっても、ローンによって所有者が異なる場合があるので、必ず車検証等でご確認ください。

金融機関等のローンを利用しており、所有権が購入者になっている場合は、所有権解除などの手続きは不要です。
次の3つの方法で新しいクルマの買い替えが可能です。

  1. 手持ちの現金でローンを完済して、新しいクルマを購入する
  2. クルマを売却し、売却金をローン返済や新しいクルマの購入にあて、ローン残債は一括返済または返済を続ける
  3. ローン残債と新しいクルマの購入費用を合わせて新しいローンを組む

ローンが残っているクルマが高く売却できた場合は、売却金でローンの完済ができるケースもあるでしょう。

 

3.買い替えに必要な書類を用意する

クルマを購入する際に必要となる書類はそれほど多くはありません。

しかし、売却する際は必要な手続きが多く、購入する際と比較すると用意しなければならない書類が多くなります。

クルマを売却する際に必要となる書類は以下の通りです。

  • クルマを売却する際に必要となる書類
  • 車検証
  • 自動車税納税証明書
  • 印鑑証明書
  • 印鑑
  • 自賠責保険証
  • リサイクル券

ちなみに、普通自動車の場合は実印を用意しなければなりませんが、軽自動車であれば認印で問題なく、印鑑証明書も不要となります。

 

4.ローン残債と査定額を比較する

現在利用しているクルマがいくらで売却できるかを確かめておきましょう。
クルマの査定額がローンの残債よりも高い場合は、売却して得たお金を返済に充てられます。

しかし、査定額が残債よりも安価であった場合、売却して得たお金のみでは完済できないため、預貯金などから不足した分を補う必要があります。

 

5.次のローンを決定する

クルマを買い替える際に、次のクルマもローンを利用して購入する場合は、ローン会社と新たに契約しなければなりません。
残債がある場合は、残債が上乗せできるローンを組み直しましょう

クルマを売却した費用を充てた・預貯金等でローンを完済した場合は、金利・返済額を比較検討し、最適なローンを決定してください。

 

保険の対象車を変更する

新しくクルマを買い替えたら、保険の対象となっているクルマも変更しなければなりません。
この手続きは「車両入れ替え」と呼ばれています。

自動車保険とは契約している「人」ではなく、「車両」ごとにかけられている保険です。
そういった理由から、車両入れ替えの手続きをせずに、所定の期間(所有してから30日以内)を超過してしまうと、新しく買い替えたクルマの補償がゼロとなってしまいます。

手続きといっても煩雑なものではなく、車検証あるいは車検証のコピーを用意して、保険会社へ連絡することで完了しますので、忘れずに対応しておきましょう。

保険の手続きについては「車買い替え時に契約している保険はどうなる?必要な手続き等をご紹介」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご確認ください!

 

6.車を売却した際の税金について調査する

クルマを売却することで還付される税金がありますが、全部が戻ってくるわけではありません。

例を挙げると、毎年4月1日の時点におけるクルマの所有者に課される自動車税は、1年分が先に支払われているため、売却した月によって還付される場合もあります。
還付される自動車税は売却する額に上乗せされている場合がほとんどなため、見積書をでしっかりと確かめておきましょう。

 

車のローンが残っているときに高く車を売却する方法

クルマにローン残債があっても、クルマを買い替えられることはわかりましたが、そもそもクルマを買い替えるべきであるかどうかをしっかりと考えておくことも重要です。
また、買い替えると決めたときも、月々の負担をできる限り軽くできるように工夫が必要でしょう。

新たなクルマを手に入れるのにできるだけ負担を減らすためには、現在乗っているクルマをいかに高く売却するかがポイントになります。
ここからは、クルマを高く売却するべき理由や、高く売却するコツについてご紹介します。

 

ローンが残っている車を高く売却するべき理由

ローンが残っていてもクルマの買い替えは可能ですが、ローンが完済またはローンの大部分を返済できると、その後の負担が大きく減ります

売却時の価格がローン残債よりも高額となった場合、下記のようなメリットがあります。

  • 一気にローン残債がなくなる
  • クルマの所有者が個人名義以外であった場合、手続きをすることで個人名義となる
  • 残債を上乗せするといった面倒な手続きがなくなる

そのため、残債があっても新しくクルマを買い替える際は、ローン残債の金額より高い金額で下取りをしてもらえることが理想です。

 

ローンが残っている車を高く売ることは可能?

クルマを買い替えるとなれば、現在利用しているクルマを販売店で下取りしてもらったり、売却したり…といったケースが多くなるでしょう。

しかし、ローン残債を下取り価格や売却価格が上回ることはほぼありません
売却金で残債を返済できない場合、差額分の残債を完済するか、買い替えるクルマで利用するローンに上乗せするかという対応が必要です。

売却時の査定額に不満がある場合や、クルマを売却する価格を少しでも高くすることで残債をできる限り少なくしたい場合には、買取専門店などで見積もりをしてもらうことも一つの手段となります。
しかし、買取専門店を活用する場合、残債を新しいローンに上乗せする手続きが煩雑になってしまう場合があるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

 

下取り参考価格を調査する方法

買い替えるクルマを購入する販売店で下取りをしても、買取専門店で買い取りをしてもらうにしても、最低金額がどのくらいとなるかを知っておく必要があります。
そのために、下取りもしくは買い取りに出すクルマの相場を調査することが必要です。

下取りもしくは買い取りの相場は、中古車のオークションにおける相場が参考になります。中古車のオークションにおける相場は、中古車のオークション代行業者のWebサイトから確認できます。

Webサイトには、中古車のオークションにおける落札相場が公開されています。
車種ごとの検索ができるようになっているので、活用してみてください。

 

ローンが残っている車を少しでも高く売るコツ

人気の車種かどうかなど、コントロールできないものもありますが、少しでも高く売るコツはあります。

まずは、クルマの査定時にはクルマをきれいにしておくことです。
洗車や車内の清掃など、できるかぎりきれいにしておくことで、査定評価が上がる可能性があります。
掃除をしたからといって必ずしも査定価格が上がるわけではありませんが、マイナスになる可能性はグッと減らすことができます

ただし、小さな傷やへこみなどを、良かれと思って修理するのはあまりおすすめしません
逆に、修理のほうがお金がかかってしまう可能性があるためです。

乗るのに支障がなかったり、見た目にそこまで問題がなさそうなものであれば、そのまま査定に出してみるのが良いでしょう。

判断に迷う場合や、傷やへこみが大きい場合は、修理費用を事前に確認してから査定を受けるのがおすすめです。
修理をした場合とそうでない場合の、査定額の違いを検討することができます。

また、査定は複数の業者に依頼すると、査定額に違いが出ることもあるでしょう。

 

ローン残債がある車を買い替えるタイミング

カローラ

ローン残債があるクルマを買い替えるにあたって、買い替えを推奨するタイミングもあります。
推奨されるタイミングは以下の通りとなります。

 

車の使用用途が変わったとき

新しく仕事についたときや、子どもの習い事で送迎が頻繁に必要になるなど、これまでよりも走行距離が大幅に増えそうなとき
このような場合は、残債があっても最新の燃費効率が良いクルマに買い替えるほうが良いケースもあります。

また、転勤や引越しなどで、雪が多い土地での運転が増える場合は、4WDなど悪路走行に強いクルマのほうが向いているということもあるでしょう。

他には、大家族で大きなクルマに乗っていたが、子どもが独立したために大きなクルマは不要になるケースもあります。
大きな車は自動車税なども高くなるので、軽自動車コンパクトなクルマに変えることで、月々の維持費を抑えられる可能性も。

クルマを維持するための費用を抑えられることによって、ローンの差額の支払いや新しいクルマにかかる費用にあてることができるでしょう。

 

大きく車の価値が下がってしまう可能性がある場合

乗っているクルマの最新モデルや似ている性能を持ったクルマが新しく発売される場合は、大きくクルマの価値が下がってしまう可能性があります。

なるべく価値が下がってしまう前に高い価格で売却することによって、買い替えを有利に進められるでしょう。
特にクルマを売却した際に得られた金額をローンの返済にあてようと考えている場合は、売却を早めに進めることが推奨されます。

 

走行距離が100,000kmを超過する前

一般的に、走行距離が100,000kmを超過してしまったクルマの買い取り価格は大きく下がる傾向にあります。
乗っているクルマを少しでも高価で売却して返済にあてるためにも、買い替えるタイミングは100,000kmを超過する前が推奨されます。

 

車検が切れる前

車検の際に必要となる費用が高額となりそうな場合は、残債があったとしてもクルマの買い替えを検討することが推奨されます。

特に購入して年数を経ているクルマであった場合は、安全に走行を続けていくために車検の際に交換する必要性がある消耗品が増加してしまうのです。
そのため、車検が切れてしまう前のタイミングで買い替えをするのも良い方法となるでしょう。

クルマの買い替えについて迷うときは「車の買い替えを決めるタイミングと判断ポイント!何年が一般的?」のコラムも、ぜひ参考にしてくださいね。

 

まとめ

ローン残債がある状態でもクルマを新しく買い替えることは可能ですが、クルマの所有者が誰になっているのかは必ず確認を。

ディーラーや信販会社のローンを利用した場合、所有者は購入者と異なる可能性が高いです。
所有者が購入者以外の場合は、所有権解除が必要になります。

ローンが残っている場合は、前のクルマをできるだけ高く売却できるかも鍵となります。
なるべく高額で査定してくれる店をセレクトすれば、売却したお金をローンの返済にあてられるほか、新しいクルマの購入資金にあてることも可能となります。

ただし、ローン返済額が負担となり、買い替えを検討している場合は要注意です。
ローン残債がある状態で新しくクルマを購入することは、さらに残債が大きくなってしまいます。
事情があって買い替えなければならないケースもあるため、無理のない条件で利用するということをしっかりと意識しておきましょう。

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