2011年に開発されたアクアは、「世界トップクラスの低燃費」を謳って、圧倒的な燃費性能と静けさを持ち合わせたハッチバック型ハイブリッド車として登場しました。
2021年7月にはフルモデルチェンジした2代目アクアが発売され、2代目アクアは初代よりも乗り心地や振動性能が向上しており、ワンランク上の上質な乗り心地を実現しています。
そんなアクアは、燃費性能の高さが魅力のひとつ。
ネット上では「アクアの燃費が良すぎる」と注目されることも。
アクアの燃費性能はどのくらい高いのでしょうか?
今回は、アクアのカタログ燃費と実燃費を比較して、燃費の高さを実現する装備の秘密を紹介します。
記事の後半では、誰でも実践できる燃費性能を上げる運転方法についても紹介します。
アクアの燃費性能の高さに興味がある人や、燃費の良い車に乗りたいと思う人はぜひ参考にしてください。
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目次
アクアとは
まずはアクアの基本情報をおさらいしましょう。
アクアは2011年にトヨタ自動車が発売したハイブリッド専用車です。
初代アクアの発売以降、改良やマイナーチェンジを繰り返し、2021年7月にはフルモデルチェンジした2代目アクアが発売されました。
2011年末 | 初代アクア発売 |
2014年末 | マイナーチェンジ
※新グレードの追加や、乗り心地、操縦性の向上 |
2015年 | 改良
※トヨタセーフティセンスCを用意 |
2017年 | マイナーチェンジ
※内装、外観の変化 |
2018年 | 改良
※トヨタセーフティセンス(歩行者検知式自動ブレーキ機能付き) |
2021年7月 | 2代目アクア発売 |
フルモデルチェンジ後のアクアにはエントリーモデルのBグレードを含めた5種類のグレードがあります。
- B
- X
- G
- Z
- GR SPORT
全てのモデルで優秀な燃費性能を誇り、持続可能性の高いハイブリッド車として人気があります。
また、フルモデルチェンジした2代目アクアには、初代アクアではなかったE-fourが設定されているのが特徴です。
新型アクアのカタログ燃費とは?旧型の燃費性能と比較
ここからは新型アクアのカタログ燃費を旧型モデルと比較していきます。
- 新型アクアのカタログ燃費
- 旧型アクアのカタログ燃費
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新型アクアのカタログ燃費
新型アクアのカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 車両重量 | 駆動方法 | 燃費 | 燃費(市街地モード) | 燃費(郊外モード) | 燃費(高速道路モード) |
Z | 1,130kg | 2WD FF | 33.6km/L | 33.8km/L | 36.0km/L | 32.0km/L |
Z | 1,230kg | 4WD(E-Four) | 30.0km/L | 30.6km/L | 31.7km/L | 28.7km/L |
G | 1,130kg | 2WD FF | 33.6km/L | 33.8km/L | 36.0km/L | 32.0km/L |
G | 1,220kg | 4WD(E-Four) | 30.0km/L | 30.6km/L | 31.7km/L | 28.7km/L |
X | 1,120kg | 2WD FF | 34.6km/L | 35.4km/L | 37.5km/L | 32.6km/L |
X | 1,220kg | 4WD(E-Four) | 30.0km/L | 30.6km/L | 31.7km/L | 28.7km/L |
B | 1,080kg | 2WD FF | 35.8km/L | 36.5km/L | 39.5km/L | 33.5km/L |
B | 1,190kg | 4WD(E-Four) | 30.1km/L | 30.4km/L | 32.6km/L | 28.3km/L |
表を見て分かるように、新型アクアのカタログ燃費は2WD、E-Fourともに30km/Lを超える低燃費を実現しています。
燃費性能の幅が、28.3km/L〜39.5km/Lという数値は、トヨタの販売するハイブリッド車の中でもトップを争う燃費性能の高さといえるでしょう。
旧型アクアのカタログ燃費
次に先代のアクアのカタログ燃費も見ていきます。
年式別のデータをまとめた表は以下のとおり。
グレード(年式) | 車両重量 | 駆動方法 | 燃費 |
L/S/G(2011年) | 1,050~1,080kg | 2WD | 35.4km/L |
G/S/L/G’s(2013年) | 1,050~1,110kg | 2WD | 33.8~37.0km/L |
X-URBAN/L/S/G’s/Gレザーパッケージ(2014年 | 1,050~1,090kg | 2WD | 33.8~37.0km/L |
L/S/G/Sスタルブラック(2015年) | 1,080kg | 2WD | 37.0km/L |
L/S/G(2017年) | 1,060~1,130kg | 2WD | 34.4~38.0km/L |
Crossover/Crossover Glam/S Style Black(2017年) | 1,090~1,130kg | 2WD | 34.4km/L |
2011年の発売以降、アクアの燃費性能は徐々に向上しています。
新型アクアの高い燃費性能は、旧型までの技術の積み重ねがあったからこそ実現できたのかもしれません。
アクアの実燃費を新旧で徹底比較
次に、新型アクアと旧型アクアの実燃費を見ていきましょう。
新型アクアの実燃費はこちらです。
グレード | 駆動方式 | 実燃費 |
Z / G / X | 4WD(E-Four) | 26.78 km/L |
2WD | 27.02 km/L | |
B | 4WD(E-Four) | – |
2WD | 25.75 km/L |
引用:[e燃費]
次に、旧型アクアの実燃費を見ていきましょう。
それぞれのデータをまとめた表はこちらです。
グレード | 実燃費 |
L/S/G(2011年) | 22.72 km/L |
G/S/L/G’s(2013年) | 22.93 km/L |
X-URBAN/L/S/G’s/Gレザーパッケージ(2014年 | 21.84km/L |
L/S/G/Sスタルブラック(2015年) | 22.55km/L |
L/S/G(2017年) | 23.91km/L |
Crossover/Crossover Glam/S Style Black(2017年) | 24.36 km/L |
引用:[e燃費]
旧型のアクアの実燃費は、カタログ燃費と比べ約4割ほど燃費の差がありました。
さらに、2017年式のアクアは実燃費が24.36 km/Lに対し、新型アクアの実燃費は25.75 km/L〜27.02 km/Lと1km/L以上の燃費の良さを発揮しています。
年代が新しくなるにつれ、実燃費がカタログ燃費に近づいており、アクアのハイブリッド性能が進化していることがわかります。
アクアが高い燃費性能を実現できる理由とは?
アクアが優秀な燃費性能を生み出せるのには、大きく分けて2つの理由があります。
- 世界初!アクアに搭載されたバイポーラ型ニッケル水素電池
- エンジンとハイブリッドシステムの進化
ここからは2つの理由について詳しく解説します。
①世界で初めてアクアに搭載されたバイポーラ型ニッケル水素電池
フルモデルチェンジ後の2代目アクアでは、X以上のグレードで世界で初めて「バイポーラ型ニッケル水素電池」が採用されました。
バイポーラ型ニッケル水素電池は、角型電池ケーブルを配線した従来のニッケル水素電池の構造とは異なり、薄く平たい電池を重ねて面で繋げているため、コンパクトになっています。
そのため、従来のニッケル水素電池と同サイズでありながら、より多くのセルが搭載できて、大電流を流すことができます。
バッテリーの出力が向上したことで、市街地走行時にはガソリンを使わずに電気だけで走行できる場面が増え、燃費性能の向上にも繋がっているといえるでしょう。
また、2代目アクアのバイポーラ型ニッケル水素電池は先代のニッケル水素より高出力・大容量化しました。
そのため、ニッケル水素よりもアクセルを踏み込んだ時の加速感や、静寂性が良くなっています。日常使いや高速道路走行時でも、静かで快適な乗り心地を実感できるでしょう。
②エンジンとハイブリッドシステムの進化
フルモデルチェンジ後のアクアのエンジンには、1.5Lダイナミックフォースエンジンが搭載されています。
小型化・軽量化を追求しており、高速燃焼による熱効率の向上によって最大熱効率は40%以上を実現しました。
また、高効率の1.5Lダイナミックフォースエンジンとアクアに最適化したハイブリッドシステムによって、電気系・機械系損失を大幅に低減しています。
エンジンとハイブリッドシステムの性能が向上したことで、爽快な走りと圧倒的な燃費性能を実現しました。
アクアはコンパクトカークラスではトップレベルとなる低燃費を実現しています。
アクアの燃費をライバル車との比較
では、新型アクアを購入する際に比較対象となる車の燃費も見ていきましょう。
車種 | 実燃費 | カタログ燃費 |
新型アクア | 24.56km/L | 33.6~34.6km/L |
プリウス | 22.9km/L | 37.2~40.8km/L |
ヤリス | 25.95km/L | 32.6~36.6km/L |
上記の通り、アクアはライバル車とくらべても劣らない燃費の良さとなっています。
トヨタ車はそもそも燃費がいいことでも定評がある中での比較になりますので、かなりのハイレベルな争いであるといえるでしょう。
アクアの燃費性能の良し悪しを決める行動とは?
アクアだけでなく、車は全般的に走行シーンやエアコン、オーディオなどの稼働状況で変わります。
どんな運転が燃費性能に影響するかをまとめました。
車の運転の仕方 | 車の装備の使い方・メンテナンス |
|
|
運転方法を変えることで燃費性能が向上する
燃費性能が高いアクアですが、市街地では燃費性能がわるくなってしまうかもしれません。
なぜなら市街地走行では、高速道路とくらべて信号や渋滞などでブレーキを踏む回数が多くなってしまうからです。
さらに平坦な道や下り坂での電気走行は、燃費を向上させるポイントになりますが、追い越しや長い上り坂ではアクセルを深く踏み込むためエンジン回転数が急に上がり、燃費が悪くなる傾向があります。
急発進や急停車を繰り返してしまえば、ガソリンを多く消費してしまい、結果的に燃費を下げてしまう可能性があるでしょう。
他にも、停車中のアイドリングも燃費性能の低下につながります。
周辺への迷惑になることもあるため、アイドリングはできるだけ避けておくことがおすすめです。
燃費を抑えて運転したい人は、急発進や急停車を避けて穏やかな運転を心がけましょう。
車の装備の使い方やメンテナンス頻度を変えることで燃費が向上する
他にも燃費性能に影響するのは、車の装備の利用頻度やメンテナンスの状態です。
たとえばエアコンやオーディオを使いすぎてしまえば、燃費が落ちてしまう傾向があります。
夏や冬にはエアコンのつけすぎに注意するようにしましょう。
また、定期的なメンテナンスを行うことで、燃費性能を維持することも可能です。
タイヤの空気圧不足や、エンジンオイル交換の未実施など、車のメンテナンスがきちんと行なわれていないことも、燃費が悪くなってしまう原因のひとつといえるため。
定期的なタイヤの空気圧のチェックは燃費の維持だけでなく、安全に走行するために必要な点検といえるのでこまめにチェックすることをおすすめします。
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燃費性能だけじゃないアクアの魅力3つ
ここからは燃費性能以外のアクアの魅力を3つ紹介します。
- アクアの魅力
-
- 広い室内空間と荷室スペースを確保
- ハイブリッド車とは思えない快適な走りを実現
- トヨタ自動車の先進安全技術が充実
それぞれ詳しく見ていきましょう。
広い室内空間と荷室スペースを確保
アクアはコンパクトカーながらも、広い室内空間と荷室スペースを持っています。
室内スペースと荷室スペースの大きさは以下のとおり。
- 室内スペース
- 全長:1,830mm
室内幅:1,425mm
室内高:1,190mm
- 荷室スペース(5人乗車時)
- 奥行:656mm
開口幅:1,153mm
高さ:824mm
バックドアの開口長を拡大したことで、スペースの確保が実現しています。
街中の運転が多い人は、コンパクトなボディのアクアを求める傾向がありますが、小さいボディサイズながら、充実した室内空間を確保している点は大きな魅力といえるでしょう。
ハイブリッド車とは思えない快適な走りを実現
アクアはハイブリッド専用のコンパクトカーです。
ハイブリッド車はガソリン車と比べて走りの力強さが劣るといわれることもありますが、アクアは違います。
1.5Lハイブリッドシステムと1.5Lダイナミックフォースエンジンを搭載することで、圧倒的な低燃費の実現はもちろん、力強い走りを両立しています。
さらに、トヨタハイブリッド初の快感ペダルを採用し、アクセルペダルの操作だけで加速や減速をコントロールできるようになりました。
また、力強い加速を感じたい人はドライブモードスイッチの「+POWER」を選択すれば、加速が増して心地よい走りを実感できるでしょう。
トヨタ自動車の先進安全技術が充実
走行性能や室内空間の快適性だけでなく、アクアにはトヨタ自動車の先進安全技術が充実しています。
アクアにはトヨタの先進安全技術である「Toyota Safety Sense」を全グレードに標準装備。
主な機能は以下のとおり。
カテゴリ | 機能名 | 特徴 |
駐車支援 | アドバンスト パーク | 駐車したいスペースの周辺に車を停車させて、アドバンストパークボタンを押すと、ステアリング・シフト・アクセル・ブレーキ操作を制御して、駐車をアシストする |
パーキングサポートブレーキ | 車両周囲の静止物を検知して、衝突前にブザーオンで検知する。
衝突被害の軽減をサポート |
|
予防安全 | プリクラッシュセーフティ | レーダーとカメラが前方の車両や歩行者、自転車運転者を検出する
ブザーとディスプレイ表示で衝突の可能性を警告し、衝突回避・被害軽減をサポートする |
レーダークルーズコントロール | ミリ波レーダーと単眼カメラで先行車を認識し、適切な車間距離を保ちながら追従走行を支援する
先行車が停止や発進に合わせて、追従走行が可能 |
引用:[トヨタ自動車]
駐車支援機能や予防安全機能が豊富なため、狭い場所の運転や駐車、高速道路での運転をサポートしてくれます。
アクアのガソリン代はどのくらいかかるのか
燃費を気にしている方にとって、年間のガソリン代は気になるポイントでしょう。
今回はZ(2WD)で、レギュラーガソリンの価格を170円/Lと仮定して計算していきます。
グレード | カタログ燃費 | 1年間の走行距離 | 計算式 | 1年間のガソリン代 |
Z(2WD) | 33.6km/L | 1万km | 1万km÷35.8km×170円 | 約50,600円 |
Z(2WD)のグレードで、年間1万km走行すると仮定した場合に、年間約50,600円ほどのガソリン代がかかる計算になります。
実燃費で計算した場合のガソリン代は以下の通りとなります。
グレード | カタログ燃費 | 1年間の走行距離 | 計算式 | 1年間のガソリン代 |
Z/G/X(2WD) | 24km/L | 1万km | 1万km÷24km×170円 | 約70,840円 |
実燃費での計算では、必要となるガソリン代は少し上がってしまいます。
カタログ燃費のガソリン代と比べると、1ヶ月で計算すると約6000円ほどガソリン代が多くかかる計算になります。
しかし、アクアは通常車種に比べ燃費が良いため必要なガソリン代は少なく済むと言えるでしょう。
ガソリン代が安く済むことは、アクアを選ぶ際の大きなメリットになります。
新型アクアの新車価格とは?
高い燃費性能を誇る新型アクア、ここまでの紹介を踏まえて、欲しくなった人もいるのではないでしょうか。
ここからは新型アクアの新車価格を紹介します。
グレード | 駆動方式 | 新車価格(税込) |
B | 2WD | 1,997,000円 |
E-Four | 2,195,000円 | |
X | 2WD | 2,107,000円 |
E-Four | 2,305,000円 | |
G | 2WD | 2,230,000円 |
E-Four | 2,428,000円 | |
Z | 2WD | 2,400,000円 |
E-Four | 2,598,000円 | |
GR SPORT | 2WD | 2,595,000円 |
引用:[トヨタ自動車]
新車価格は199万円〜259万円まで幅広く用意されています。
アクアの中でも、GR SPORTは2WDのみの用意であるため、スポーツカー仕様のインテリアやエクステリア、走行性能の高さを求める人はGR SPORTを検討してみてください。
アクアのGR SPORTについて詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
新型アクアの燃費はいかがでしたか。
本編では、フルモデルチェンジした新型アクアのカタログ燃費を中心に、実燃費や燃費の良し悪しを決める使用方法、必要なガソリン代について解説しました。
アクアは非常に燃費が良い車として、老若男女問わず人気です。新型アクアは先代のアクアに比べ、カタログ燃費もよくなっていますが、実燃費の良さが際立ちます。
高速道路での走行はもちろんですが、市街地での走行でも燃費の良さを十分発揮することができます。
さらに、新型アクアからE-fourが設定されているため、ハイブリッド車でも力強い走りが実現しました。
コストパフォーマンスが良く、走行性能や乗り心地にも優れているため非常におすすめできる車といえるでしょう。
幅広い方のライフスタイルにマッチする車ですので、燃費の良さを重視する方には満足していただける1台ではないでしょうか。
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