コンパクトなサイズの中に、広い空間と安全性、そして燃費の良さなど、魅力をギュッとつめこんだアクア。
コンパクトカーを探している方にとっては、気になるクルマのひとつでしょう。

今回は、そんなアクアの後部座席に焦点をあてて解説していきます。
居住性や安全面だけでなく、シートアレンジや荷室の使い方なども紹介しますので、気になっている方はぜひ、参考にしてくださいね！

トヨタの「アクア」ってどんな車？

トヨタのアクアはハイブリッドシステムを搭載した、ハッチバックタイプのコンパクトカーです。
ハイブリッドカーの代表でもある「トヨタ プリウス」をコンパクトにしたデザインのアクアは、燃費の良さと高い環境性能で幅広い層に愛されるクルマとなっています。

2011年に初代アクアが発売されて以来、あまりの人気にモデルチェンジすることなく10年が過ぎ、2021年に満を持してフルモデルチェンジされました。

まずは、アクアの特徴や魅力を詳しく深掘りしてみましょう。

 

アクアの特徴

アクアの大きな特徴は、以下の通りです。

• 圧倒的な低燃費
• コンパクトなサイズの中にゆとりある室内
• 全シリーズに装備された安全性能
• 静かで滑らかな走り心地

アクアはハイブリッド車において、他のどのメーカーと比較しても世界トップレベルの低燃費と力強い走りを両立させた、運転しやすいクルマになっています。
街中でも扱いやすいコンパクトなボディサイズの中に、静かな乗り心地と余裕のある空間、トヨタの最新の安全性能がすべて凝縮されている点も、アクアの大きな特徴といえるでしょう。

 

アクアの魅力

アクアの魅力は、何と言っても世界トップクラスの低燃費にあるといえます。
カタログ上に記載されている2WDの燃費を見てみましょう。

※WLTCモード平均値

グレードやオプション装着の有無によっても違いはあるものの、全シリーズで約30km/L前後の燃費を実現しています。
さらにE-Four（4WDモデル）でも30km/L以上となっていて、どのモデルを選んでも非常に燃費の良いクルマであることが分かる結果です。

アクアはこの燃費の良さで、国土交通省が定めた燃費優良車の2030年度基準をすでに達成している印として五つ星の表示が認められています。

これだけの低燃費であれば、給油の頻度も低くなります。
これまでガソリン車に乗られていた方は、給油のタイミングが以前の半分程度になる可能性も。
ガソリン価格が高騰が続く中、これは嬉しいポイントですね。

アクアの魅力については「アクアの歴史と魅力を徹底解説！賢く購入する方法もご紹介」でも詳しくご紹介しています。
ぜひ、参考にしてください。

アクアの後部座席の広さやシートは？

アクアのもうひとつの魅力としてあげられるのは、コンパクトなサイズの中に広い室内空間を実現したことです。
ここからは、特にアクアの後部座席の広さや居住性について解説していきます。

 

アクアのスペック

それではまず、アクアの各グレードのサイズを一覧で見てみましょう。

アクアの全長は4mほどで、コンパクトカーとして標準的なサイズであることが分かります。
車幅は5ナンバーのサイズぎりぎりにあたる1,700mm以下に抑えられていて、狭い道路でも運転しやすく、都市部の駐車場などにも停めやすいサイズ感といえるでしょう。

 

後部座席のインテリアや居住性は？

アクアの後部座席は固定式となっているため、リクライニングや前後の位置調整はできません。
リクライニングできないと聞くと、居住性の悪さが心配になる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

アクアはコンパクトなボディサイズの中で、後部座席の居住性を高めるためにホイールベースを広く取り、後部座席の膝回りの空間を拡げる工夫がされています。
後部座席に長い座面が採用されたこと、また天井部分のデザインに合わせて座面が奥に向けて少し沈むような角度に設定されていることにより、リクライニングがなくても座ったときの姿勢をキープできるような工夫がされているのです。

その他にアクアの後部座席には、全グレードでヘッドレスト、さらに「Z」「G」にはセンターアームレストが装備されています。
ヘッドレストは真ん中のシートを含めて全座席に装備され、高さの調整もできるようになっているので、大人3人で座ったとしても安全面での心配もありません。

「Z」「G」に装備されているカップホルダー2個付きのセンターアームレストは、2人で座ったときに真ん中のシートの背もたれ部分から引き出すことができ、後部座席の居住性を高めるのに一役買っています。

 

後部座席のシートやシートアレンジは？

アクアの後部座席は3人掛けのベンチシートになっています。

また、背もたれの部分を前方に倒せるようになっていて、前に倒すことで荷室部分を広げ、大きな荷物や長尺の荷物を載せられるようになります。

6：4分割可倒式リヤシートが採用されているので、全てを倒すことはもちろん、右側2席と左側1席を別々に倒すことも可能です。
乗る人数や荷物の量に応じて、さまざまなシートアレンジができるのは非常に便利です。

後部座席は、肩の部分にあるレバーを引くと一気に座面と重なるところまで倒れます。
すべて倒しても背もたれ部分が少し斜めになることと、荷室との間に段差ができることで、フルフラットにはなりませんが、荷物を載せることに関しては、問題ないレベルといえるでしょう。

なお、アクアのシートアレンジは、前列のシートを最大限に前に出し、リクライニングを完全に倒した状態でも、後部座席と一体化させることはできません。

車中泊を検討している場合は、身長170cm前後までの方は運転席か助手席で寝るのがおすすめです。
運転席と助手席はシートを完全にリクライニングして足下を荷物などで上げ、ヘッドレストを反対向きにすると身体をほぼ水平にして寝ることができます。

寝るときに後部座席を利用する場合は、身長160cmまでの方ならば縦に2人まで、身長140cmぐらいの方ならば横に2人で寝ることができます。

さらに詳しくアクアについて知りたい方は「アクアは何人乗り？サイズ・特徴・乗り心地もご紹介！」も参考にしていてください。

 

アクアの後部座席の装備もチェック！

アクアの後部座席には、乗車中の居住性や安全性を向上させるさまざまな装備がつけられています。
では、それぞれの装備を詳しくチェックしていきましょう。

 

後部座席の居住性を高める装備

アクアの後部座席に設置されている主な装備は、居住性を高めるものとして、リアコンソールとアクセサリーコンセントがあげられます。

リアコンソールは、「B」「X」に標準装備されている機能。
運転席と助手席の間にあるフロントコンソールからつながるような形で、2つのカップホルダーと小物が置けるオープントレイが使用できるようになっています。
なお、上位グレードである「G」「Z」にはリアコンソールはなく、カップホルダーは、後部座席の真ん中にセンターアームレストが装備されています。

そして全シリーズ共通で装備されているのがアクセサリーコンセントです。
アクセサリーコンセントは災害時に非常用電源としても利用できるため、万が一のときにも心強い機能のひとつといえるでしょう。

 

後部座席の空調システムは？

アクアの空調システムは、フロントで一括管理するようになっています。
エアコンの吹き出し口も運転席と助手席周りに集中的に設置されているため、後部座席で調整することはできません。

とはいえ、アクアはコンパクトカーです。
アクアは走行中に快適に過ごせるよう、広い車内空間が取られていますが、そうは言っても限られた空間ですので、後部座席で調整できないからといって空調で気になるようなことはないでしょう。

さらに「GR SPORT」「Z」「G」のグレードには「ナノイーX」も搭載されています。
「ナノイーX」は、お肌や髪に優しいと言われる弱酸性の微粒子イオンです。

運転席側のエアコン吹き出し口から放出され、ウイルスや菌の抑制、脱臭などに効果が期待されています。

 

音響システムはどうなっている？

アクアのオーディオ関連は、「G」「X」「B」に7インチ、「Z」に10.5インチのディスプレイオーディオが標準装備されています。
この装備には、AM/FMチューナー、ブルートゥースのブルートゥースの通話・オーディオ再生機能、USB入力で動画・音楽データ再生と給電の機能、その他、Apple・Androidスマートフォンとの連携機能が付いています。

ディスプレイオーディオの操作は基本的に運転席か助手席で行うことにはなりますが、ブルートゥースの機能を使ってオーディオ再生する場合などは、後部座席からでも操作可能です。
さらに、USBのデータ通信対応ケーブルを利用することでApple・Androidのスマートフォンとの連携ができます。

連携をすると、普段スマートフォンで検索している地図情報をディスプレイに表示したり、受信したメッセージを読み上げたりすることができます。
長いケーブルを利用すれば後部座席から操作することもできるので、ドライブ中に後部座席の人が行きたい場所を検索して、地図情報をディスプレイに表示させる、などといった使い方も考えられますよね。

なお、スピーカーは「X」「B」のグレードで2スピーカー、「GR SPORT」「Z」「G」のグレードで4スピーカーが搭載されています。
スピーカーは2つの場合はフロントのドア内部、4スピーカーの場合はフロント・リアのドア内部に設置されています。

「GR SPORT」「Z」「G」のシリーズでは後部座席にも近い場所にスピーカーがありますので、より臨場感のあるサウンドを楽しむことができるでしょう。

 

後部座席の安全性

アクアの後部座席は、前席に装備されているヘッドレストと、トヨタのクルマすべてに装備されているSRSカーテンシールドエアバックにより守られています。

ヘッドレストは居住性を高める目的だけでなく、万が一の事故の際、衝撃で頭が後方に大きくのけぞるのを防ぐ役割もあります。
むち打ちなどの後遺症から守るための安全装置としてのヘッドレストが、後部座席全てに付いていることは安全面からも高いポイントとなるでしょう。

また、トヨタのSRSカーテンシールドエアバッグは、側方の衝撃から頭部を守る目的で装備されています。
衝撃を受けたときに、衝突側のSRSカーテンシールドエアバッグが作動し、カーテンのように頭部側面を覆うように広がることで安全を守ります。

 

チャイルドシートの装着方法は？

子どものいる家庭にとっては、チャイルドシートの装着についても気になるところでしょう。
アクアには、初代モデルからISOFIXに対応した後部座席が採用されています。
後部座席の左右2カ所の背もたれ下部分に金具を固定するフックがあり、チャイルドシートを固定することが可能です。

アクアの後部座席は3人で座れるスペースがありますが、左右2人分の座面が柔らかくへこむような形状になっていて、真ん中が少し盛り上がっています。
チャイルドシートを装着すると柔らかい座面部分にチャイルドシートの台座がフィットするので安定感もあり、小さな子どもでも安心して乗せることができます。

ただし、チャイルドシートは幅があるため、後部座席の左右両方に乗せると、真ん中にもう1人座るのは難しくなるので、その点は注意が必要です。

 

アクアの荷室についてもチェック！

アクアの荷室についてもチェックしておきましょう。
アクアの居室、ラゲージのサイズは以下のようになっています。

• 最大荷室幅：1,153mm
• 荷室高：824mm
• 荷室長：656mm

荷室の容量は、グレードやオプション内容によって変わりますが、最も一般的な、2WDのデッキマット装着車で278Lになっています。
海外旅行などにもっていくスーツケースで、一週間程度の荷物を入れるのに適したサイズが70L前後なので、その3〜4倍の量が積み込めると考えると、その大きさが分かるかもしれません。

アクアは、小型化したバッテリーを後部座席の下に配置したことによって、荷室の広さを確保する工夫がされています。
さらにバックドアの開口長を拡大したことで、荷物の出し入れがしやすい工夫も加わりました。

コンパクトカーでありながら、たっぷりした容量をもつ荷室も、アクアの魅力のひとつです。

 

シートアレンジでどう変わる？

アクアの荷室はシートアレンジでさらに大きくすることが可能です。
後部座席をすべて倒したときのサイズは以下の通りです。

• 最大荷室幅：1,153mm
• 荷室高：824mm
• 荷室長：1,630mm

後部座席を起こしているときと比べて長さが倍以上になるため、大きい荷物だけでなく、長さのある荷物を積むことも可能になります。

前述の2WDのデッキマット装着車であれば、691Lまで容量がひろがります。
9.5インチのゴルフバックであれば、4個も積み込める計算になります。

助手席のシートも最大限にリクライニングしてしまえば、さらに長いものも積めることになるので、例えば、DIYで使う木材を積み込みたい場合などにも対応できるでしょう。

 

まとめ

ハイブリッドシステムを搭載した「アクア」は燃費の良さと、広々とした室内空間が特徴のコンパクトカーです。
運転しやすさや安全面に加え、後部座席まで工夫された居住性など、初代から続くアクアの魅力が人気の理由といえるでしょう。

アクアの後部座席は、デザインの工夫と長い座面の採用により、頭上と膝回りに余裕が出るように作られています。
また、リクライニングができなくても、座ったときの姿勢がキープできるよう工夫されてもいます。

さらに、アクアはたっぷりと容量のある荷室も魅力のひとつですが、後部座席を前方に倒すシートアレンジで、さらに荷室を広げることもできます。
乗る人数や荷物の量や形に応じて、シートをさまざまに使い分ければドライブや買い物が快適になることでしょう。

クルマに居室の快適さや燃費の良さを求めるなら、ぜひアクアを候補にしてみてくださいね。

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