脱炭素への取組みが世界的に強化されたことで、自動車業界も電気自動車へシフトが行われています。電気自動車の中でも、プリウスPHVは注目を集めています。

PHVは自宅や充電スタンドなどの外部の電源を利用して、充電によって走行が可能となるプラグインハイブリッドカーです。PHV車は日常的に使用する場合、エンジンを使用することなくバッテリーだけを使用して給電ができます。

これを「EV給電モード」といい、バッテリー残量が所定の値を下回ると給電が止まるのです。また最初はバッテリーのみの給電で走行し、バッテリー残量が値を下回るとエンジンがかかって走行が継続できる、「HV給電モード」があります。

もしもの停電や災害時などには、非常に重宝される機能といえるでしょう。また、外部から中のバッテリーを充電することができるので、専用のコンセントさえあれば家庭でも充電して使用することも可能です。

搭載されているバッテリー容量は大きいため、モーターのみで走るEV走行可能な距離が長い点があります。それでも「実際の燃費がわからないのでは?」という声も上がり、比較がしにくいと感じる人も多くいるのです。

他にも「充電代はどのくらいかかるの?」と前向きに検討する人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、プリウスPHVの燃費情報をカタログ燃費をまとめているほかにも、燃費が変わる走行シーンも、合わせて徹底的に解説をしていきます。新型プリウスPHVを購入するか、検討されている方は本記事を参考にしてみてください。

目次

【グレード別】プリウスPHVのカタログ燃費

国が定めた計測方法で出された燃費数値を、カタログ燃費と言います。道路走行を想定して計測されていますが、実燃費とは異なるので注意が必要です。

ここからは、グレード別にまとめたカタログ燃費を紹介します。

 

カタログ燃費の表記方法

まずカタログ燃費の種類を紹介します。

  • WLTCモード
    市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード
  • 市街地モード
    信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定された走行モード
  • 郊外モード
    信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定された走行モード
  • 高速道路モード
    高速道路等での走行を想定された走行モード

日本では2018年10月から従来のJC08モードからWLTCモードという燃費測定方法へと切り替わりました。このWLTCモードは国際基準の燃費測定方法で、より実燃費に近い測定が可能なことで期待を集めたのです。

カタログ燃費燃費は、カーブの無い平坦な道や信号待ちで止まることなく走行できます。測定時はエアコンやライトなどは使用しません。

燃費は条件や状況によって変動するため、カタログ燃費は実燃費と約3割の違いが出ると言われています。

 

グレードごとのプリウスのカタログ燃費

まず、グレードごとにまとめたカタログ燃費の表をご覧ください。

WLTCモード 市街地モード 郊外モード 高速道路モード
30.2 km/L 27.3 km/L 33.2 km/L 30.0 km/L

まずプリウスに設定されているグレードは、大きく分けると下記の4種類になります。

  • 「E」
  • 「S」
  • 「A」
  • 「Aプレミアム」

実はプリウスのグレードは、それぞれに大きな差はないほど優れた燃費性能を持っています。さらに2WDと4WD・特別仕様車と分けられているのです。

グレードに大きな差がないので、性能を重視しつつ燃費の良さを実感できるのではないでしょうか。

 

グレード①最も優秀な燃費性能「E」

WLTCモード 市街地モード 郊外モード 高速道路モード
30.2 km/L 27.3 km/L 33.2 km/L 30.0 km/L

プリウスの中でも、優れた燃費性能を持つグレードが「E」です。WLTCモードでは「32.1km/L」という、低燃費の数値を記録しています。

他にもスタートシステムやオートエアコン、ライトはLED使用など燃費も含めた人と環境に配慮されたグレードです。

 

グレード②スタンダードな「S」

WLTCモード 市街地モード 郊外モード 高速道路モード
30.2 km/L 27.3 km/L 33.2 km/L 30.0 km/L

標準仕様のグレード「S」は、シートのリクライニング機能や大型コンソールボックスなどの収納が追加されています。また、8インチディスプレイのオーディオなどの他に、通信機でもあるDCMや撥水機能付きのフロントドアで快適にドライブも可能です。

 

グレード③快適さと安全さを持つ「A」

WLTCモード 市街地モード 郊外モード 高速道路モード
30.2 km/L 27.3 km/L 33.2 km/L 30.0 km/L

上級さを持つグレード「A」は、フロントガラスにUVカット機能、撥水機能、遮音性ガラスが採用されています。さらに、運転席シートには電動ランバーサポートも搭載されています。

上級グレードとなる「A」では、フロントドアガラスに99%紫外線をカットするスーパーUVカット機能付き・撥水機能付きの遮音性ガラスが採用されました。運転席は8ウェイパワーシートになり電動ランバーサポートも装備されるなど、上級グレードらしい快適機能が充実します。

さらに、先進安全装置も搭載されており、巻き込み警報機能付きなので、安心とスムーズな駐車サポートが受けられるでしょう。

 

【グレード別】プリウスPHEVの平均実燃費

ここからはグレード別に、プリウスPHVの平均実燃費を解説していきます。グレード同士であれば大きな違いはないですが、他社と比べると大きな違いに気づいてしまうものです。

カタログ燃費と違う数字は、今後の車体メンテナンスなどの参考にしていただければ幸いです。

 

実燃費とは?

「実燃費」とは、実際の道路を走った時に計測した燃費のことを指します。しかし走行中はライトやワイパーの使用をしたり、カーナビやエアコンを使用したりもするでしょう。

カタログ燃費ではカーナビやエアコンをしないときの値であるのに対して、実燃費は実際の走行の値なので、カーナビやエアコンを使用しているときの値になります。そのため、カタログ燃費は実燃費よりも約3割ほど低いといわれています。

また実燃費は乗る人やドライバーの技術、車内や車外の環境、車の重量などでも実燃費は変わってくるので、一定の燃費を計測することは難しいです。実燃費は目安として見ると良いでしょう。

 

グレードごとのプリウスPHVの平均実燃費

グレードごとにまとめた平均実燃費との比較を表にしています。平均実熱費は、実際のユーザーからの情報を集めている「e燃費」を参照しました。

カタログ燃費と比較をしておりますので、目安として考えてぜひ参考にしてみてください。

グレード①「E」

「E」の平均実燃費および、カタログ燃費との差です。

平均実燃費 カタログ燃費(WLTCモード) 燃費差(カタログ燃費‐実燃費)
21.81 km/L 30.2 km/L 8.39 km/L

カタログ燃費よりも、平均実燃費の方が最大で8.39 km/L低いことがわかります。プリウスで最も燃費性能の高さがあることがうかがえるでしょう。

 

グレード②「S」

「S」の平均実燃費および、カタログ燃費との差です。

平均実燃費 カタログ燃費(WLTCモード) 燃費差(カタログ燃費‐実燃費)
25.41 km/L 30.2 km/L 4.79 km/L

カタログ燃費よりも、平均実燃費の方が最大で4.79 km/L低いことがわかります。標準のグレードであるにも関わらず、スペックの高さがうかがえるグレードです。

 

グレード③「A」

「A」の平均実燃費および、カタログ燃費との差です。

平均実燃費 カタログ燃費(WLTCモード) 燃費差(カタログ燃費‐実燃費)
25.41 km/L 30.2 km/L 4.79 km/L

カタログ燃費よりも、平均実燃費の方が最大で4.79 km/L低いことがわかります。

 

プリウスPHVの燃費を良くするための装備

燃費を左右するのは、車両全体でもありますが運転技術や車への装備で変動します。こちらでは、プリウスPHVの燃費をよくするための装備を紹介していきます。

車の燃費を少しでも良くしたいと考える方は、ぜひ参考にして意識してみることがおすすめです。

 

装備①ハイブリッドシステム

ハイブリッドカーでもあるプリウスPHVの車体のシステムは、エンジンとモーターを最適変換して発進や減速はモーターを主に使います。

走行状況によって、切り替えられることがプリウスの強みとも言える点です。また車が安定して走行を続けるとEV走行へ切り替わり、電力が不足すると円陣に切り替わるという仕様でもあります。

つまり、プリウスの車体自体がエンジンの最適化を常に考え対応をしているのです。

 

装備②回生ブレーキ

回生ブレーキとは、アクセルから足を離した際に動くブレーキのことを指します。プリウスであれば、アクセルから足を離した瞬間に車輪が回り続けるため、エネルギーをモーターへ送り電気を生み出すことが可能です。

また、プリウスPHVはガソリンエンジンが搭載された車とは違って、摩擦ブレーキの補助を回生ブレーキで行えます。この回生ブレーキの仕組みを上手く使い、効率よく発電量を増やすことで燃費の向上へと繋がるでしょう。

 

燃費の良し悪しの決め手

燃費は走行シーンや条件によって、良し悪しが変わってきます。紹介する項目は、すぐにでも始められることが多いです。

また、他にもどのような場面が燃費に関わってくるのかも合わせて説明していきます。普段の運転からでも改めて意識していくことで、燃費の改善へ向けて対策がとれるでしょう。

 

市街地走行

市街地は人も車も多く混み合いがちです。特に都市部は商業施設も多く、交通機関も発達しているでしょう。信号の多い地域であれば渋滞も多いため、アクセルやブレーキを多く使うことで燃費が悪くなってしまう可能性があります。

車体に大きく負担がかかるだけではなく、内部のエンジンなどにも負荷がかかってしまうことが大きな理由だといえるでしょう。信号が少ない道を通ることが一番ですが、道を探して走行距離が伸びてしまうことも、悩ましい部分です。

対策の1つとして、信号が変わったらゆっくり進み、次の信号で車がゆっくり停まるなどの工夫をすることが望ましいです。

 

高速道路走行

スピードを出す高速道路は、市街地の走行と比較するとほとんど停まることが少ないため、燃費が良くなりやすいです。また高速道路の制限速度は70km〜90kmであり、カタログ燃費と同等でもあるといわれています。

つまり、制限速度を守った走行をすることは、燃費の向上へと繋がっていきます。反対に、何度もスピードを上げて他の車を追い越したりすると燃費が悪くなっていく可能性が高いです。

他にも急ブレーキや急加速も燃費悪化になりかねませんので、運転には気を付けて走行しましょう。

 

平坦な道と坂道走行

実は平坦な道と坂道では、燃費の良し悪しに大きな差が出てしまいます。平坦な道よりも坂道を走ることの方が燃費が悪化する傾向にあります。

緩急のある坂道は、平坦な道よりもアクセルを踏む頻度も多く、強く踏み込むことが燃費悪化の原因です。また、平坦な道も直進する道が長いと、アクセルを踏みスピードを出しがちになることから、坂道を走行する場合と同じことがいえます。

特に坂道を下る時はブレーキを直接踏むのではなく、フットブレーキをうまく活用することがおすすめです。フットブレーキの使用はエンジンにもタイヤにも負担がかかりません。

 

エアコンの使用

車内のエアコンの使用は、特に燃費が悪くなる原因に直結していきます。その中でも冷房はかなり大きな影響を与えます。

自動車の暖房は、エンジンの排熱を使用しているので燃費への影響はほとんどありません。しかし、冷房を使用する場合、冷たい風を出すためにエンジンが必要になってくるのです。

冷房の使用頻度の高い夏場は、燃費が悪くなりがちですが、熱中症のリスクは命の危険にもなります。使用を考えるのであれば、窓を開けたり外気導入モードを使用したりして熱を逃がしましょう。

ある程度、車内が冷えたら窓を閉めて内気循環モードを使用することが良いです。他にもハンディ扇風機などでなるべく使用を避けることもできます。

 

オーディオの使用

備え付けられた車内のオーディオを使用する場合は、燃費への影響はほとんどありません。
しかし、自分で後付けしたオーディオを使用する場合、発電が必要で、燃費への負担も大きくなってしまいます。

発電にはエンジンの力が必要なので、消費する電力が多いほど燃費の悪さへと繋がってしまいます。後付けのオーディオを検討している場合は、消費電力が少ないタイプのものを使用すると良いでしょう。

他にも、電力を使用しないタイプの機器を検討することも大切になります。

 

メンテナンス状況

車のメンテナンス状況も燃費の良し悪しに関係してきます。急激な燃費の悪さを感じたら、まずは車の内部のメンテナンスが不足していることを考える必要があります。

よく点検する項目に挙げられるのが、「エンジンオイル」「バッテリー」「オイルポンプ」「タイヤの空気圧」などです。どんなに性能の良い車でも、使用期間を経ると劣化もしていきます。

また、車の状態を把握し、その都度メンテナンスを行うことで車検時の負担金額を減らすことが可能です。燃費改善以外の大きなメリットも存在します。

積極的に車の点検を受けることは、車体の安全性を意識することでもあるので、定期的なメンテナンスは大切です。

 

停車中のアイドリング

停車中はアイドリング機能を活用するのではなく、車のエンジンそのものを切っておくことが必要です。車のアイドリングは、エンジンをかけた状態で停車していることになっています。

エンジンがかけられたままなので、燃料の消費も常時されていることになるのです。車種によっては、アイドリングの設定中に10分間に130〜150ccの燃料が消費されているといわれています。

夏冬や赤ちゃんなど車内温度に気をつける必要のある場面が出てくるでしょう。空調機能に加えて、アイドリング機能を使った場合はさらに燃費を悪化させていきます。

しかし、命を守るためにも、車内の温度調節は必須です。停車中はアイドリング機能ではなくエンジンを切って、燃費の悪化を抑えることをおすすめします。

 

プリウスPHVの充電代はどれくらいかかるのか

次に、プリウスの充電代を年間走行距離別に算出していきます。低燃費と名高いプリウスが、1年間でどのくらいの充電代になるのか、ぜひ参考にされてください。

ポイントを紹介します。

1年間で消費する充電量=走行距離÷実燃費
1年間の充電代→定額プラン1,100円(税込)
※小数点切り捨て

あくまで目安なので、参考程度にとらえていただければ幸いです。

 

年間3,000kmのガソリン代

グレード 実熱費 年間費用
「E」 30.2 km/L 110,000円

まず、使用する人を主婦と仮定して主に買い物など必要時に車を運転すると年間走行距離3,000kmです。走行距離も短く必要時にしか使わないとはいえ、年間の費用はとても安いので、プリウスの燃費の良さが伺えます。

おそらく、この条件を数年続けても劣化の可能性は低いので、年間費用に関しては少しの前後があると考えましょう。また燃費の良いグレードEですが、他とは大きな差はありません。

 

年間5,000kmのガソリン代

グレード 燃費 年間費用
「E」 30.2 km/L 183,333円

まず、使用する人が通勤と普段の生活の中で車を運転すると年間5,000km程です。通勤の往復と生活に必要な部分を考えても、まだまだ年間費用の安さが伺えます。

また年間の走行距離は長いので定期的なメンテナンスを行い、燃費の悪さをすぐに解消し車体の修理も早くできるでしょう。また燃費の良いグレードEですが、他とは大きな差はありません。

 

年間10,000kmのガソリン代

グレード 燃費 年間費用
「E」 30.2 km/L 366,667円

まず、使用する人を通勤時や生活で必要な運転と遠出をする家族が車を運転すると年間走行距離が10,000kmです。使用頻度が高く、年間走行距離が長いため燃費の良さも車選びの際に考慮しておくと良いでしょう。

 

プリウスPHVの燃費を良くするためには?

元々が燃費性能の良いプリウスPHVでもありますが、意識して気を付けることでさらに燃費をよくすることが可能となるでしょう。

自動車には燃料の向上を意識するだけで、燃料費も変わってくる可能性もあるのです。それでは、燃費を良くする方法を紹介していきます。

 

燃費を良くする方法①エンジンブレーキを使う

燃費を向上させるために、減速時はなるべくエンジンブレーキを使用することがポイントです。自動車を運転するときはブレーキの使用は必須です。ブレーキの使用時はガソリンを燃やして熱に変えるので、使用回数が多いほど燃費も悪くなります。

減速時の使用イメージとして、「アクセルを離す」「エンジンブレーキの使用」「ブレーキの使用」を意識すると良いでしょう。

エンジンブレーキを使うことで、車にも同乗者にとっても優しい運転になります。

 

燃費を良くする方法②定期的なメンテナンスの実施

こまめに車体の状態を確認し、メンテナンスを行うことで車体は常に良好な状態を維持できます。内部の要所要所が良好な状態ではない場合、車体に負荷をかけたままの状態である可能性が高いです。

例え他の燃費向上の対策を行っても期待する効果は得られないでしょう。特にチェックするポイントは以下の通りです。エンジンオイル、タイヤの空気圧、エアコンクリーナーです。

どれもガソリンを多く使う部分でもあるので、チェックは欠かせません。

 

まとめ

プリウスPHVの燃費情報を紹介しました。元々がハイブリッドで低燃費を目的に造られた車でもあります。自分の意識と車体が劣化していくことに対して、意識を持って定期的なメンテナンスを行うことにより、より燃費の良さを維持することが可能です。

さらに、2023年1月発売の新型プリウスPHEVの発売が発表されていますので、プリウスファンは楽しみが増えるでしょう。まずはプリウスPHVの試乗で、乗り心地や性能を体感で確かめておくと良いかもしれません。