シエンタは日本の道路事情にマッチしたミニバンです。現在SUV車の人気が続いていますが、コンパクトサイズの乗用車で3列シートを実現した先駆け的な車両がシエンタです。このコンセプトは現行車にも引き継がれており将来的にも続いていくことでしょう。

ミニバンといえば大きな車体を持つことが特徴的な車になりますが、コンパクトサイズのミニバンというとどのくらいの大きさになるのでしょうか。

「コンパクトサイズのミニバンの大きさが知りたい」であったり、「家族全員でシエンタでドライブができるの」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事ではシエンタのサイズについて解説していきます。シエンタを購入しようか迷っていたが、シエンタのサイズがどれぐらいかわからず、購入に踏み切れなかったという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

シエンタってどんな車?

「シエンタ」の名前の意味はどの様になっているのでしょうか。シエンタは外国語ではなくトヨタが作った造語でスペイン語の「7」を意味する言葉で「シエテ」と英語の「楽しませる」を意味する「エンターテイン」を組み合わせて「シエンタ」としました。

コンパクトサイズの大きさに7人乗りのシートでみんなが楽しいという意味の車になっています。実際に乗ってみると運転席に座っただけで楽しくなるでしょう。

初代シエンタは2003年〜2015年まで長く販売されていました。5ナンバーで7人乗りのコンセプトの元に1.5Lのエンジンで軽快に走行することができます。

スライドドアの利便性と低床化され広々とした室内と多彩なシチュエーションの空間をつくりだせる3列シート、丸目ヘッドライトのお洒落な外観で人気を得たモデルです。

初代シエンタは2010年8月に一度生産が打ち切られたものの、11カ月後の2011年5月に生産が再開され2015年7月まで生産されました。

現行の2代目シエンタは初代のコンセプトを受け継いであらゆる顧客層のライフスタイルに応えられるようになりました。ユニバーサルでクールなトヨタ最小のミニバンとして2015年7月から発売されています。スタイルはトレッキングシューズをイメージしたものになっていて初代とは印象が大きくかわりました。

2018年9月にマイナーチェンジがおこなわれ、ガソリン車とハイブリッド車とともに2列シートのモデル「FUNBASE」グレードが新設されました。大きいサイズの荷物、サーフィンや自転車もそのまま積載することが可能になりました。また、室内全長の大幅アップで車内泊も可能となっています。

購入前に気になるシエンタの車両のサイズ

どのグレードも車体は同じサイズですが、4WDは全高が20mm高くなります。シエンタの車両サイズは以下の通りです。

全長 4,260mm
全幅 1,695mm
全高 1,675mm(2WD) 

1,695mm(4WD)

5ナンバーのサイズの車両はミニバンとしては、比較的コンパクトなサイズです。市街地での取りまわりは軽快で、運転が苦手な方にもおすすめできるミニバンだといえるでしょう。

5ナンバーの車になる条件は以下の通りです。

【5ナンバーの条件】

排気量 2,000cc以下
全長 4,700mm以下
全幅 1,700mm以下

乗車したときのドライバーからの目線は高く、視界は良好です。インパネの意匠も視界を妨げるものではなく車両の前後、車幅感覚もつかみやすいように設計されています。

ホイールベース・全長

シエンタのホイールベースは2,750mmで、全長4,260mmです。ホイールベースとは前後車輪の距離のことをいいます。シエンタはこのホイールベースの長さが2,750mmです。

3列シート装備のミニバンとの比較になりますが、ノア、ヴォクシーのホイールベースの長さが2,850mmです。長さの差は100mmしか変わりません。このクラスの車両にしては、長いホイールベースだといえるでしょう。長い程車両の前後の動きは少なくなるので、長さは乗り心地の向上につながるのです。

全高・最低地上高

2WDの全高は1,675mmになっていて、4DWの全高が1,695mmとなっています。

最近はルーフキャリアを付ける車も減っていますが、スキーやスノボーなどの冬のレジャーやキャンプへ出かける時にはルーフキャリアがとても便利です。

シエンタの全高までの高さであれば、一般的な日本人男性(身長170cm)だと踏み台無しでキャリアの荷物の出し入れができるでしょう。

最低地上高が、2WDで145mm、4WDで135mmになっています。十分な高さを確保しながら乗り込み口の高さは地上330mm(4WDは350mm)と低いです。形状もフラットで子どもやご高齢の方でも乗り降りがしやすくなっています。

フロントにアクア用のプラットフォーム、リヤにはウィッシュ用のプラットフォームを利用し、低床化させています。毎日の送迎等にはスライドドアとともにドア付近にハンドルも装備されています。安全に乗り降りすることができるでしょう。

このように、安全で乗り降りしやすいスライドドアはミニバンにとって非常に重要なポイントなのではないでしょうか。

全幅(横幅)について

全幅1,695mmで5ナンバー枠いっぱいにとってあり、室内も広々としています。他のミニバンと比べると、アルファードの全幅が1,850mm、ヴェルファイアの全幅が1,850mmとなっていて、ミニバンの中では小さいことが分かります。

他のミニバンと比べて全幅が小さいということは、狭い幅の道でも車の側面をこする心配なく走行することができるでしょう。

タイヤのサイズ

シエンタのタイヤサイズは以下の通りです。

全車種タイヤサイズ185/65R15

シエンタのタイヤサイズは一般的な乗用車のサイズになっています。シエンタの扁平率(タイヤ幅とサイドウォール部の長さの比率)は65%になっています。扁平率65%は乗り心地が良いとされています。

走行状態にもよりますが3万㎞以上走行するとタイヤの溝も浅くなりタイヤ交換が必要になってきます。扁平率65%のタイヤは比較的安く購入することもできますので、コストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

寒冷地に住んでいる方は冬タイヤも購入する必要がありますが4本セットとなるとその出費は家計に痛手になってしまいます。しかし、このサイズタイヤであれば、比較的安く購入できます。

オプションでアルミホイールも用意されていて、高級感のあるタイヤにしたいという方にはおすすめです。

最小回転半径

シエンタの最小回転半径は5.2mです。軽自動車を除く一般車で小回りのきく車両は5.5ⅿ以下といわれているので、シエンタは小回りのきく車だといえるでしょう。

これもノア、ヴォクシーなどの一般的な乗用車の最小回転半径が5.5ⅿですから、かなり小回りできることが分かります。さらに、アルファードクラスになると最小回転半径が5.8ⅿになります。

また、シエンタは、車両のオーバーハング(車輪から端の部分)が短いので、数値以上に取り回しが軽快です。

シエンタの室内サイズとその特徴

シエンタの室内全長が2,535mmで、全幅は1,470mm、全高1280mmになります。

さらに、グレードにより内装のシートの設定に違いがあります。3列シートは「G Cuero」「G」「X」で2WD車は乗車定員7名です。4WD車(ガソリン車のみ)は乗車定員は6名になります。なお、FUNBASEは2列シートの2WDのみの設定で、乗車定員は5名です。

このようにシエンタは5ナンバーサイズで多彩なグレードが揃っており、人や荷物を十分に積載することが可能です。

また車椅子仕様の車両も用意されています。

前述したように6つのグレードで、3列シート(7人乗り)と2列シート(5人乗り)があります。まず、3列シートは、グレード「G Cuero」「G」「X」です。シートアレンジにより、荷物を自由に積載することが可能です。

ノーマルモードでは、最大7人乗車が可能です。ヒップポイントが後席にいくほど高くする「シアターレイアウト」を採用していて、2列目のシートより3列目のシートの着座位置が高くなっていて、7人乗車しても圧迫感がありません。なお、ガソリン車の4WDは6人乗りになり2列目のシートはキャプテンシートになります。

サードシートアレンジモード、最大5人乗車が可能です。毎日利用するという方は、このモードで使用することが多いのではないでしょうか。後部荷室の高さが1,085mmありますので、ベビーカーも折りたたまずにそのまま積載できます。

【ハーフラゲージモード(最大3人乗車)】

2列目のシートアレンジもアレンジして、ハーフラゲージモードにすればサーフィンなどの長尺物や自転車をそのまま積載することも可能です。

シエンタの荷室のサイズとその特徴

荷室の大きさは幅1,260mm、荷室高1,085mm、荷室フロア高505mmと大きいです。跳ね上げ式のバックドアで悪天候の時も濡れずに利用できます。
荷室の最低地上高も505mmと低く、荷物の積載性に優れています。サードシートがセカンドシートの下に入り込み格納されるので荷室のフロアがフラットになります。荷室長は最大1,430mmになり一人暮らしの引っ越しもできるのではないでしょうか。

次に2列シート、グレード「FUNBASE G Cuero」「FUNBASE G」「FUNBASE X」

通常モード

2列目のシートをチルトダウンモード(ハイデッキ状態)にすると以上のような状態になります。

ハイデッキモードだと荷室フロア高は610mmです。フルフラットになり荷室の全長が2,065mmになり車中泊が可能になります。

ローデッキモード

荷室フロア高が530mmになり、低くなるため荷物の積載性があがります。キャンプ等でここに座ってくつろぐことも可能です。特に雨の日などはバックドアがタープの代わりになるでしょう。

初代シエンタから受け継ぐ多様にシートアレンジを変えることができるため、乗員と荷物の量や大きさによってあらゆるシチュエーションで活躍することが可能です。

このほかにもコンソール、ダッシュパネル、ドアトリムに収納スペースを設けており、工夫しだいでたっぷりと積載できます。収納力が高いので、とても魅力的ですぜひ実車で確認してみて下さい。

シエンタのグレードとその特徴について

エンジン形式も1,500CCのガソリンエンジン車とハイブリッド車があります。ハイブリッド車は2WDのみですが、ガソリン車は2WDと4WDの選択も可能です。どちらを選んでもミニバントップレベルの燃費の良さも魅力です。

ガソリンの高騰が続いていますが、日常で使用する車両の維持費で一番に占めているのがガソリン代なのではないでしょうか。

シエンタはミニバンクラスではハイブリッド車、ガソリン車ともに低燃費の車です。ハイブリッド車はもちろんのことですがガソリン車の燃費もとても良いです。車体重量がハイブリッド車、ガソリン車とも1,320〜1,380㎏と軽量なので、燃費の向上の貢献に役になっています。

参考としてノア、ヴォクシーはハイブリッド車で燃費消費率23.0km/L、ガソリン車で燃料消費率15.0km/L(2WD)、14.3km/L(4WD)になります。アルファード、ヴェルファイアになるとハイブリッド車で14.8km/L、ガソリン車は10km/L程度になります。

シエンタと同様に3列シートの設定のあるミニバンのほかのトヨタ車と比較してみましょう。

アルファードとヴェルファイアの全長は4,950mm~4,935mmで、全幅が1,850mm、全高1,935〜1,950mmになっています。また、ノア、ヴォクシーの全長は4,695mm、全幅が1,730mm、全高が1895〜1,925mmとなっています。

シエンタは全体的にコンパクトサイズで、3列シートになっています。さらに、ハイブリッド車、ガソリン車、2WD、4WDと多彩なバリエーションがあります。全高が低く抑えられていて重心も低く、ミニバンにも関わらず乗用車に近い感覚で運転を楽しむことができます。

峠道などでミニバン特有のローリング(車体の左右の動き)が苦手な方には最適な車です。

ここからは、エンジン排気量の税金も比較してみましょう。車を持っていると毎年4月頃に納税の通知が送られてきます。支払い義務の伴う自動車税は、搭載するエンジンの総排気量に応じて負担額が定められています。

【自動車税の額】

1.0L以下 29,500円
1.0L超~1.5L以下 34,500円
1.5L超~2.0L以下 39,500円
2.0L超~2.5L以下 45,000円
2.5L超~3.0L以下 51,000円
3.0L超~3.5L以下 58,000円

シエンタはガソリン車、ハイブリッド車ともに総排気量が1.496Lのガソリンエンジンを使用しています。シエンタの場合、1L超〜1.5L以下の適用区分に該当するため、自動車税は34,500円となります。

新車で購入する場合、ハイブリッド車はグリーン化特例に該当します。翌年度の自動車税が約25,500円減税され約10,000円の納税額になります。

ノア、ヴォクシーの場合ガソリン車総排気量1.797Lで、ハイブリット車総排気量1.986Lのため1.5L超~2.0L以下になり、自動車税は39,500円になります。ハイブリッド車は新車購入する場合、グリーン化特例に該当し、翌年度の自動車税が約29,500円減税され約10,000円の納税額になります。

アルファード、ヴェルファイアの場合、ガソリン車は総排気量2.493Lと3.456Lがあり自動車税額は45,000円と58,000円です。ハイブリッド車は排気量が2.5Lで45,000円で、新車購入する場合、グリーン化特例に該当し、翌年度の自動車税が約33,500円減税され、約10,000円の納税額になります。

エンジンサイズでこれだけ税金の料率が変わると年間の維持費に大きく差が出ます。ハイブリッド車のグリーン減税も新車購入の翌年度のみ減額の対象になります。シエンタに限らずどの車種でも減税後の金額はほぼ同額ですが2年目以降の経費に大きく関わります。

シエンタには6つのグレードがあります。定員7名の3列シート車のグレードが上位グレードから、「G Cuero」「G」「X」になります。定員は5名(4WDは4名)の2列シート車は「FUNBASE G Cuero」「FUNBASE G」「FUNBASE X」のグレードがあります。(特別仕様車を除く)

上級車には標準の装備も十分に搭載しています。シエンタのグレードにもよりますが以下のような機能があります。

上級車の標準装備
両側電動スライドドア
予約ロックスライドドア
ウエルカムパワースライドドア&予約ロック機能

ウエルカムパワースライドドア&予約ロック機能はドアロックで設定するとキーも持って近づくとパワースライドドアが自動でオープンする機能です。

また、シエンタには「Toyota Safety Sense(第二世代)」が搭載されていて、歩行者を感知する自動ブレーキなどの装備が搭載されています。

シエンタは駐車場にははいるのか

ここまで、シエンタのサイズについて紹介してきましたが、どのような駐車場に入るのでしょうか。駐車場はそれぞれサイズが違うので、事前に駐車場のサイズを把握しておく必要があります。

立体駐車場と平面駐車場にシエンタは入るのでしょうか。それでは、詳しく見ていきましょう。

立体駐車場

シエンタは立体駐車場だと高さ制限に引っ掛かることもありそうです。一般的な立体駐車場の大きさは全長5,000mm以下、全幅1,800mm以下、全高1,500mm以下となっている駐車場が多く高さの注意が必要です。

最近は全高にゆとりのある立体駐車も増えてきて、昔よりも立体駐車場にシエンタを入れやすくなりました。

平面駐車場

シエンタは、5ナンバーサイズの車です。5ナンバーサイズの車なので、平面の月極駐車場であれば余裕で駐車することができます。

また、自宅に駐車場を設置する場合は事前にシエンタを駐車できるか確認しておきましょう。

まとめ

シエンタはコストパフォーマンスに優れた車で、乗用車の運転のしやすさとミニバンの積載性の良さを兼ね備えた車です。

販売台数もミニバンクラスでは常に上位で中古車市場にも人気があります。長年使用するという場合でも、耐久性に優れている車です。また、家族構成が変わって車を買い替える場合でもリセールバリューの優れた車両です。

取り回しが軽快で、昇降性の良いスライドドアとシートアレンジの豊富さが特徴です。収納スペースもいろいろと工夫されており、人と荷物をどのようなシーンにも対応します。

老若男女幅広い世代でパートナーになるでしょう。日常の送迎や通勤、買い物や荷物の配送、レジャーや旅行、車中泊でも利用可能です。特にハイブリッド車は非常時の電源にもなりますし、ガソリン満タンで400Wの使用であれば約5日間使用できる能力があります。

生活のパートナーとして、1年365日活躍することでしょう。車両に乗り込んで楽しくなるようなインテリアのデザインが印象的です。

運転目線の高さが高く、車両の大きさがつかみやすく、俯瞰できるモニターや先進安全装備が搭載してあります。それに加え、車体の色のバリエーションも豊富です。特に前後バンパーの素地部品とのコントラストでも車の印象が大きく変わります。

シエンタは5ナンバーのミニバンで、ミニバンの中だと取り回しが良く、小回りがきくミニバンだといえます。さらに、小さいサイズでありながら車内空間を広く取っているので、大人数で移動することができるでしょう。

本記事を参考にして、シエンタが気になるという方は、ぜひ近くの横浜トヨペットでシエンタに試乗してみてください。試乗してみると分からないことが分かり、よりシエンタについて理解することができるでしょう。