トヨタのアクアは燃費が良く、小回りが利くことから、運転や駐車に不安を感じている方や、街乗り重視という方に特に人気のクルマです。
2011年の発売以来、人気が衰えることのないアクア。
2022年には、通常のグレードにGRスポーツのグレードが追加されました。
通常のグレードとGRスポーツは何が違うのでしょうか。
今回は、アクアのGRスポーツについて、基本スペックや他のグレードとの違い、それぞれの新車価格を解説します。
「アクアGRスポーツはどんな車なのだろう」「乗り心地はどうなのだろうか?」と気になる方はぜひ、参考にしてくださいね。
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目次
GRシリーズとは?
「GR」シリーズとは、TOYOTA GAZOO Racingを略して呼ばれるトヨタのブランドの一つです。
世界中のモータースポーツに参戦するTOYOTA GAZOO Racingが培った技術と情熱を注ぎ込んで造られたのが「GRシリーズ」です。
GRシリーズでは、モータースポーツ直系の外装デザインやスポーティーな走りを実現する装備とチューニングで、標準車とは違う「走りたくなる」性能が盛り込まれているクルマといえます。
その中で、「GRスポーツ」は標準車の快適さを損なうことなく、市街地の道路だけでなく、多少のワインディングロードでも快適な走りを味わえることをコンセプトに作られたグレードです。
標準車をベースに、モータースポーツのエッセンスを付け加えたコンバージョンモデルという位置付けになります。
トヨタGRについてさらに詳しく知りたい方は「トヨタの「GR」とは?その概要や3つのグレードを徹底解説!」のコラムも参考にしてください。
アクア「GRスポーツ」の魅力
アクア「GRスポーツ」の最大の魅力は、そのスポーティーにチューニングされた走りにあります。
モータースポーツで使われるクルマの特徴は、専用のチューニングによって得られる快適な走りと、路面をしっかり掴むような、ブレることのない安定感です。
アクア「GRスポーツ」は、カタログ掲載の市販車でありながら、アクセルの踏み具合やハンドル操作にモータースポーツ直系の技術が施されています。
素直なレスポンスと安定感のある走りが、大きな魅力になっているといえるでしょう。
ここからはアクアGRスポーツの魅力を作る、モータースポーツ直系の技術やチューニングについて、詳細を解説していきます。
- アクア「GRスポーツ」の特徴
-
- アクア GRスポーツのバッテリー
- アクア GRスポーツのデザイン
- アクア GRスポーツの安全性能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アクア GRスポーツのバッテリー
ハイブリッド車のバッテリーとして一般的なものがリチウムイオン電池であるのに対し、アクアでは2021年のモデルチェンジで、バイポーラ型ニッケル水素電池を採用しました。
これは、大容量なのにコンパクト、しかも出力密度が高いという特性があります。
バイポーラ型ニッケル水素電池の採用によって、新型アクアは従来のモデルよりも2倍もの出力密度を持ち、それがパワフルな加速につながりました。
アクア GRスポーツのデザイン
アクアGRスポーツは、バンパーに専用の装備を施すことで、標準車と比較して全長は45mm大きくなっています。
フロントで20mm、リアでも25mm長くなったことで、外観はよりワイルドになったといえるでしょう。
また「ファンクションマトリックスグリル」と呼ばれる大型の専用グリルを採用することで、ワイド&ローを際立たせる外観になっています。
また、タイヤが標準車よりも大きい17インチとなっていることもスポーティーな外観を演出する理由の一つです。
アクアのボディサイズについて詳しくは「購入前に知りたいアクアのサイズ【高さ・長さ・横幅】」のコラムでも紹介しています。
こちらもぜひ参考にしてください。
アクア GRスポーツの安全性能
アクアGRスポーツはスポーティーなだけでなく、安全性能もトヨタが誇る装備を標準で備えています。
アクアGRスポーツに装備されている安全性能は以下の通りです。
- TOYOTA Safety Sense
- 先行車発進告知機能
- プラスサポート(急アクセル時加速抑制)
- パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)
TOYOTA Safety Senseに含まれる機能は以下のとおり。
- プリクラッシュセーフティー
- レーントレーシングアシスト
- レーダークルーズコントロール
- オートマチックハイビーム
- ロードサインアシスト
TOYOTA Safety Senseに加えて、急ブレーキ時、駐車時のサポートがあることでより運転のしやすさが向上するでしょう。
アクア GRスポーツのコストパフォーマンス
アクアの魅力はそのコストパフォーマンスにもあります。
標準車の最上級グレード「Z」シリーズの車両本体価格が240万円〜であるのに対して、アクアGRスポーツは259万5,000円〜で、その価格差は約19万5,000円です(すべて税込)。
アクアGRスポーツの装備やチューニング内容から、非常にコストパフォーマンスの良いクルマと考えられる点も人気の秘密といえるでしょう。
アクアGRスポーツとヤリスクロスGRスポーツの違いとは
アクアGRスポーツは、「ヤリスクロスGRスポーツ」と同じプラットフォームを使用しているため、比較されることの多い車種です。
ヤリスクロスGRスポーツは、アクアGRスポーツより3カ月ほど前に追加されたクルマです。
ヤリスクロスGRスポーツとアクアGRスポーツは基本的な骨格が同じであるものの、仕上がりがまったく違う、というのが大方の評価になっています。
その理由の一つは、外観です。
ヤリスクロスGRスポーツでは、標準車と比較してあまり大きな変更はありませんでした。
一方、アクアGRスポーツでは、フロントバンパーが丸ごとGRスポーツ専用装備となっています。
いかにもモータースポーツらしい外装になっている、といえるかもしれません。
フロントバンパーの違いは、デザインだけでなく空気の流れの違いにも直結します。
アクアGRスポーツは、ヤリスクロスGRスポーツよりも強く、車体を路面に押しつける「ダウンフォース」が発生するため、高速での走行時の安定をより感じることができるでしょう。
ヤリスクロスについては「ヤリスクロス「GRスポーツ」の魅力を紹介!他のグレードとの違いも」でも詳しく紹介しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
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アクア「GRスポーツ」の走行性能は?
アクアのコンセプトは「軽く、小さく、扱いやすく」です。
そのコンセプト通り、最小回転半径は4.9mで、市街地の細い路地やUターン時、車庫入れなどの駐車時にも取り回しのしやすい、扱いやすいクルマといえます。
標準車のそのコンセプトも活かしつつも、GRスポーツに設定されたコンセプトは「意のままに操れる歓び」。
GRスポーツならではの走行性能はどのようになっているのでしょうか。
- GRスポーツの走行性能
- スポーティーで軽快な走りとどっしりした安定感
専用のチューニングとドライブモードPOWER+
世界トップレベルの低燃費
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スポーティーで軽快な走りとどっしりした安定感
アクアGRスポーツの魅力は、どっしりした安定感です。
アクアGRスポーツの「乗り心地」は標準車より少し硬めに感じられることも。
それはサスペンションが強化されているからです。
何よりも、ハンドル操作やアクセルの踏み具合が正確にタイヤに伝わる感覚と、しっかりと路面を掴み姿勢が乱れない安定感で、走りの質感を上げる結果となっています。
専用のチューニングとドライブモードPOWER+
軽快で快適な走りは、シャシー回りに施されたモータースポーツ直系のチューニングによる効果です。
サスペンションに使われている基本パーツはGRスポーツ専用に開発されたものを採用し、そのチューニングにも細心の注意が払われています。
さらに、アクアGRスポーツにはトライブモードPOWER+というハンドリング用の専用マップがあります。
これは、電動パワーステアリング(EPS)のスポーツモードともいえるものです。
POWER+にすることで、アクセルのレスポンス向上とエンジン高回転域を使う設定がされ、通常のDレンジに入っていても、Bレンジと同様の回生力が得られます。
例えば、急坂やワインディングロードでの走行時でも、Dレンジの状態でアクセルをオンオフすれば必要な減速度を得られるというメリットがあります。
世界トップレベルの低燃費
アクアGRスポーツで、標準車と変わらない嬉しい点は、世界トップレベルの低燃費でしょう。
アクアGRスポーツはさまざまなチューニングによって、アクアの驚異的な燃費性能が損なわれないように作られているのが特徴です。
1.5Lのハイブリッドシステムと1.5Lのダイナミックフォースエンジンで低燃費と力強い走りを両立させ、燃料消費率は市街地モードで31.0km/Lという圧倒的な低燃費を実現しています。
アクアの「GRスポーツ」専用装備もチェック!
それではここから、アクアGRスポーツ専用のさまざまな装備についてチェックしていきましょう。
- アクア GRスポーツのエクステリア
- アクア GRスポーツのインテリア
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アクア GRスポーツのエクステリア
エクステリアの専用装備には、以下のようなものがあります。
- 専用フロントバンパー(ロア加飾バー付/カラード)
- 専用ラジエーターグリル
- 専用ロッカーモールディング(カラード)
- 専用リヤバンパーロアカバー
- ブレーキキャリパー<フロント>(レッド塗装/GRロゴ付)
外装は、GRスポーツならではのスポーティな外観を造りだす装備が盛りだくさん。
専用のラジエーターグリルやロッカーモールディング、リヤバンパーロアカバーは、車体から張り出すことで、ワイド&ローな外観を演出します。
加えて、標準車より大きいタイヤやタイヤの前輪からのぞく赤色のブレーキキャリパーもスポーティーな外観イメージを強化しているといえるでしょう。
さらに、専用バンパーを採用することで、タイヤに当たる空気の流れを整え、空気抵抗を軽減。
さらに、車体を路面に押しつける「ダウンフォース」を強くすることで走りに安定感をもたらす効果もあります。
アクア GRスポーツのインテリア
インテリアに関しては、他のグレードと比べて大きな仕様変更はありませんが、スポーティーなイメージを実現するための、以下のような専用装備があります。
- 専用スポーティシート(GRロゴ付)
- シート表皮(AIRNUBUCK®+合成皮革)
- 専用ディンプル付本革巻き3本スポークステアリングホイール
シートをはじめ、天井や周辺部品はブラックに統一され、全体的にシックな印象です。
アクアの種類も比較!GRスポーツと他のグレードとの違いは?
ここではアクアGRスポーツと他のグレードを比較してみます。
グレード別の主な標準装備の比較表は、以下の通りです。
アクアの標準車とGRスポーツの主要装備については、GRスポーツの方がよりスポーティーなイメージを強化したものが採用されていることが分かります。
反対に、エクステリアのライト類やインテリアのエレクトロシフトマチックなど、スポーティなイメージとあまり関わらない部分は、GRスポーツとX・Bが同じ装備で、Z・Gの装備がよりハイグレードに。
それだけGRスポーツが軽快な走りとスポーツ直系のデザインにこだわっている証拠ともいえるのではないでしょうか。
アクアGRスポーツを含んだ全グレードの新車価格を比較
ここからは、アクアの全グレードの新車価格を紹介します。
アクアの標準グレードとGRスポーツの新車価格を比較したい人はぜひ参考にしてください。
グレード | 車両本体価格(税込) |
B | 1,997,000円 |
X | 2,107,000円 |
G | 2,230,000円 |
Z | 2,400,000円 |
GR SPORT | 2,595,000円 |
引用:[トヨタ自動車]
グレードごとの車両本体価格を比較すると、GRスポーツが一番高いことが分かります。
標準グレードの価格帯は199万円から購入ができるため、GRスポーツトハ50万円以上も違いがあります。
金額が高いのは、上記で紹介したGRスポーツの技術が詰まった証拠ですので、車の走行性能にこだわりを持ちたい人はぜひ検討してみてください。
まとめ
2022年に発売された、アクアのGRスポーツグレード。
アクアGRスポーツはTOYOTA GAZOO Racingの技術の情熱が注ぎ込まれた、モータースポーツ直系の走りとデザインを持つクルマです。
ヤリスクロスGRスポーツと比較されることも多い車種ですが、バッテリーの違いや外装デザインの違いなどから、走行感も安定感もかなり違いを感じる仕上がりになっています。
アクアは「軽く、小さく、扱いやすい」というコンセプト通り、最小回転半径4.9mと、駐車時にも扱いやすい性能を持っています。
それに加えて、スポーティーで軽快な走りと安定感のある乗り心地も実現している点が大きな魅力です。
それだけの走行性能を持ちながら、圧倒的な低燃費と手頃な価格が購入できることから、コストパフォーマンスも非常に良いクルマともいえるでしょう。
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