2017年6月8日、ハリアーは3代目では初となるマイナーチェンジを実施しました。

マイナーチェンジで特に注目されたのは、今までなかった「2.0L直列4気筒直噴ターボエンジン」が組み込まれたグレードがラインナップされ、6速ATと組み合わせることでJC08モード13km/Lを実現しているのです。

過去から当時に至るまでの経過を顧みると、NA(自然吸気のガソリンエンジン車)とハイブリッドのラインナップで足りなかったターボを補うことによって、ハリアーのスポーティーなイメージを追求したいというメーカー側の狙いがさらに明確に表されました。

そんなハリアー2017年モデルの燃費はどのくらい良いのでしょうか。本記事ではそのカタログ燃費や実燃費についてご紹介します。

ハリアー2017年モデルのカタログ燃費


2.0ターボモデルは、値段的には2.0自然吸気と2.5ハイブリッドの中間に位置付けられます。それぞれの持ち味が異なるので、試しに乗ってみてから合うグレードを見つける方がいいかと思います。

使用燃料に関しては、2.0自然吸気、2.5ハイブリッドがレギュラーガソリン、2.0ターボモデルがハイオクガソリンと決められています。

カタログ燃費はJC08モードで表示されており、2.0自然吸気2WDが16.0km/L・2.0ターボ2WDが13.0km㎞/L・ハイブリッドが21.4km/Lとなります。

ハイブリッドが他を大きく引き離して一方的に低燃費であることになりますが、ハイブリッド車については「より高級に静かに」を狙ったグレードだということもあり、燃費以外の魅力もチェックしておくとよいでしょう。

燃費が2.0自然吸気よりも高く、ハイオクと決められているため、購入する際に少し悩んでしまうという方もいるかもしれません。しかし、後述で紹介するパワーと走行の安定感を考えると、決して高くない買い物であるといえるでしょう。

ハリアーの燃費を比較

ここからは2017年式のハリアーは燃費がどのようになっているのか、グレードごとの比較と、旧式と比べた比較で紹介していきたいと思います。

ハリアーのグレードごとの燃費

グレードごとの燃費を調べてみました。

型式 ミッション 実燃費 排気量 使用燃料
ZSU65W 4WD 6AT 9.93km/L 2000cc ハイオク
ZSU60W 2WD 6AT 10.78km/L 2000cc ハイオク
ASU65W 4WD CVT 8.45km/L 2000cc レギュラー
ASU60W 2WD CVT 10.57km/L 2000cc レギュラー
AVU65W 4WD CVT 13.28km/L 2500cc レギュラー

※実燃費データ収集サイト「e燃費」より実燃費データを引用

ライバル車と比較しても大きな違いはありませんので、特に悪いという訳ではありません。

旧型ハリアー30系と燃費を比較

次に、旧型ハリアーと実燃費を比較してみましょう。以下が旧型ハリアーの実燃費例です。

型式 ミッション 実燃費 排気量 使用燃料
ACU35W 4WD 4AT 7.08km/L 2400cc レギュラー
ACU30W FF 4AT 7.44km/L 2400cc レギュラー
ACU15W 4WD 4AT 8.79km/L 2400cc レギュラー

※実燃費データ収集サイト「e燃費」より実燃費データを引用

新しい型のハリアーと比較した結果、実燃費で約3km/Lしか違いがないのに驚きを持つ方も多いのではないでしょうか。

旧型ハリアーは北アメリカで展開するレクサスブランドにおいて、RXとしても販売されていたので体の大きい方にもピッタリとフィットする室内空間となっていました。

一方、新型はレクサスRXとは切り離され、国内専用車として、小柄な日本人向けに製造されていますので、女性のオーナーさんも多くなっています。

2017年マイナーチェンジモデルのハリアー


ハリアーらしい品質の良さと、軽快で活動的な印象を併せ持つエクステリアは、独特な雰囲気を漂わせています。

特にインテリアは木目模様が表現されたパネルやフェイクレザー素材を多く使用し、キルティングのようなシート生地を採用しています。

コストを抑えつつも見映えのする上質さを演出しているところが人気の秘訣だといえるでしょう。

マイナーチェンジ前は、2リッター直列4気筒NAと4WDとしても機能する2.5リッター直列4気筒ハイブリッドでした。

しかし、ユーザーから「2リッターNAに対してもうちょっと馬力のあるハリアーを 自分のものにしたい」、「2リッターNAとハイブリッドの間に位置するハリアーを手に入れたい」という意見もあり、今回のマイナーチェンジで2リッターターボが追加されたのです。

ハリアーに組み込まれているエンジンの仕様は、最高出力231PS&最大トルク35.7kgmという、NAエンジンでいえばV6の3リッターから3.5リッター級のスペックを持っています。

2リッターターボには、アクセル操作に対する反応が他よりも良いツインスクロールターボチャージャーが採用されています。

他にも、仕事量と消費されるエネルギーとの比率の向上に貢献する水冷インタークーラー、燃料噴射に直噴用と通常のポート噴射用2つのインジェクターを使うD-4STやアイドリングストップも採用されています。

トランスミッションは、レクサスRXと同じ6速ATと組み合わせたもので、JC08モード燃費ではFF車13.0km/L、4WD12.8km/Lという数値がカタログに掲載されているのです。

残念ながらエコカー減税は適応とはなっていません。

最近では車を選ぶ際に極めて大切な肝所となっている安全装備ですが、特に衝突の被害を軽減するために自動的にブレーキをかけるシステムに関しては、過去のハリアーはライバル車と比較して特に優れているとはいえませんでした。

しかし、トヨタセーフティセンスPが全グレードで通常の装備として装備されたことで、その点の価値向上も実現しています。

自然吸気と比べて80馬力アップのターボモデルに期待

では実際、ハリアーの燃費を支えているエンジンはどのようなものが採用されているのでしょうか。

ハリアーターボの特徴は、231PS(170kW)・35.7kgm(350Nm)というパワフルな最高出力と最大トルクにあります。

ツインスクロールターボチャージャーに可変角度を広げて大きくしたDual VVT-iを取り合わせてひとまとまりにすることで、低回転から大きなトルクが発生して、滑らかで爽快な加速フィーリングを実現しているのです。

ハリアーの自然吸気が151PS(111kW)・19.7kgm(193Nm)ということから、ハリアーターボは自然吸気と比較して、最高出力が80PS、最大トルクが16kgm向上しています。

さらに搭載されている「2.0L 8AR-FTSターボエンジン」は、クラウンアスリートのターボモデルにも採用されており、3.5リッターと 同程度といわれていることから考えると、ハリアーターボではスポーティーな走りを期待できるでしょう。

ハリアーターボでは直噴技術D-4STを採用することで、全可燃成分の中で低燃費で走るうえでいちばん適した燃焼成分の割合で燃焼させ、燃費の悪化を抑えているのです。

ハリアーターボのカタログに表示されている燃費は、13.0km/L(JC08モード)となっています。ターボということで気になると思いますが、使用燃料についてはハイオクとなっています。

パフォーマンスダンパーなど走りを意識した装備

ハリアーターボと自然吸気では、前述のエンジンが異なっていること以外の違いでいうと、フロントとリアに「パフォーマンスダンパー」が装備されました。

6 Super ECTトランスミッションによるシーケンシャルシフトマチック(マニュアルモード)が採用されています。さらに力強い加速感とスポーティーなハンドリングを味わえるスポーツモードが追加されているなど、さまざまな面で自然吸気とは異なり、走りを中心とした装備が施されているのです。

ターボの加速が気持ちいい|燃費性能を向上させながらも力強い走り


ターボモデルは、3.0リッタークラスの車に乗ったようなトルク感があります。

実感としては些細なものかもしれませんが、ターボが効く時間がきわめて短いことがわかるという方もいるのではないでしょうか。

下の回転数から勢いよく積極的に前へ進めている特有の雰囲気があり、ターボのいい点ばかりが目立ち、ネガティブな部分は感じられないという方も多いでしょう。

加速についても、何の前触れもなくパワーが急上昇するような、過度に敏感なものではありません。

2.0自然吸気と比較してメリットと感じるものは、同排気量なのに、ワンクラス上のパワーが味わえる点です。

ターボモデルには2.0自然吸気のCVTと違い、6ATが標準装備されています。6速もあるおかげなのか、技術や手法が優れているのか、速度を加えた時でも変速による物理的な衝撃を感じることは全然ありません。

CVTといわれても、納得してしまうかもしれません。

車輪を支持する装置に関しても、パワーに圧倒されている感じはなく、 動きがなめらかで、柔らかいサスペンションだと感じました。

道路の表面が悪い所では、少しばかり突き上げを感じることがありますが、それも一点でくるのではなく面でくるので不快な感じはありません。また、不安定な状態も長くは続かないので、ゆっくりと大きく揺れ動く場面もありません。

ターボモデルはパフォーマンスダンパーが取り付けられているので、曲がり角でもびしっとしている感覚です。

ターボモデルにもアイドリングストップが働く仕組みがつきますが、再始動の音と振動がうまく低減されています。これなら面倒・ストレスに感じないという方も多いのではないでしょうか。

また、アイドリングストップ機能は、燃費をよくするのに直結する機能ですので、アイドリング機能がついているのは燃費の面でもうれしいポイントです。

ハリアーのガソリン事情

ここからは、ハリアーのガソリン事情について補足させていただきます。ハリアーはどれぐらいのガソリンが入るのかや、1ヶ月当たりのガソリン代の目安を調査していきます。

ガソリン満タンで何キロ走るか

新型と旧型を比較して表にしてみましたので、参考にして下さい。

型式 実燃費 タンク容量 走行距離
ASU65W 4WD 8.45km/L 60 L 507 km
ASU60W 2WD 10.57km/L 60 L 634 km
ACU35W 4WD 7.08km/L 72 L 509 km
ACU30W FF 7.44km/L 72 L 535 km

※実燃費データ収集サイト「e燃費」より実燃費データを引用

新しい型はガソリンタンクに入れることのできる分量が小さくなりましたが、燃費が良くなった分、走行距離も増えています。

1ヶ月のガソリン代はいくらか

1か月の走行距離を500km(買い物+週末ドライブ)として計算しました。

型式 実燃費 燃料代
ASU65W 4WD 8.45km/L 8,875円
ASU60W 2WD 10.57km/L 7,095円
ACU35W 4WD 7.08km/L 10,593円
ACU30W FF 7.44km/L 10,080円

※ガソリン代は150円で計算

新型と旧型の燃料代は月2,000円程度の差があり、年間にすると24,000円以上になるのです。

まとめ|燃費だけで選ぶならやはりハイブリッド


PROGRESSグレード同士だと、2リッターターボの4WDとハイブリッドには価格差があります。

しかし、リッターターボはエコカー減税の条件にあてはまらないのに対し、ハイブリッドは取得税と重量税が免除されます。

さらに、翌年の自動車税も75%軽減となるため、翌年の自動車税まで含めた購入時の実質的な価格差は少なくなるでしょう。

これらを考えると、車は単純に燃費がいいものを選べば維持費が安くなるという訳ではありません。

ハリアーに関しては、手頃な価格におさえたい場合は2リッターガソリン、予算に見合うのであればハイブリッド、ターボはその動力を積極的に活用できそうな方におすすめ、というのが選ぶ際の基本的な考え方となるでしょう。

ぜひハリアーでドライブを楽しんでください。